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メッセンジャー
寺山いくこ 美容プロデューサー mon age編集長
アンチエイジングにつながるいろいろなコト
カルチャー

「大エルミタージュ美術館展」に際して
〜恋多き女帝エカテリーナ2世に学ぶ、若さとパワーの秘訣〜(Page2)

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エカテリーナ2世と、その愛人たち

齋藤:「黄金の間」という予約制でのみ公開している部屋がありますが、エカテリーナ2世は、この部屋で黄金のティーカップでお茶を飲みながら、黄金の化粧道具で2時間ほどかけてお化粧をしていたんですって!

寺山:なんて優雅な時間でしょう!美しいものに囲まれていたことが、エカテリーナ2世の若さとパワーの秘訣だったのでしょう。エカテリーナ2世と言えば、沢山の愛人がいたという話が有名ですが、愛人達からも若さとパワーをもらうことが、アンチエイジングに繋がっていたのでしょうか。

齋藤:そうかもしれませんね。エカテリーナ2世はドイツ人で、片田舎の貴族の娘でした。16歳の時にピョートル3世に嫁いだのですが、夫が幼稚で無能だったため、エカテリーナ2世はクーデターを起こし、自ら大国の女帝の座に就いています。女帝になってからは、軍事、医療、文化、芸術に意欲的に力を注いだそうです。辣腕な女帝で評価は高かったのですが、一方で100人の男を侍らせていたなどの醜聞もあります。若い女性が大国を維持していくことは、恐らく大変なことだったと思います。寂しさもあったでしょうし、知恵も必要だったでしょう。これは私の私見ですが、彼女の愛人と呼ばれる人々は、それぞれ軍事、科学、外交などに精通している優秀な人物ばかりであり、彼女は恐らく彼らに知恵やネットワークを求め、側近として頼っていたのだと思います。

寺山:それは多く語られていない部分なので、ミステリーですね。

齋藤:これはあくまで私見であり、本当にどうだったのかは謎ですね。ただ、女性一人でできることには限度がありますし、優れた人物は側近として当然必要だったのでしょう。世界各国とどう友好関係を結んでいくか、領土をどう広げていくか……エカテリーナ2世は、それらを考え抜いて実践した女性なのだと思います。権力も財力も知力も、全て手に入れた女性ですが、もしかすると、だからこそ寂しかったのではないでしょうか。

寺山:どんなに高価な装飾品を身の回りにおいても、心は一人ぼっちだったのかもしれませんね。

齋藤:英雄ポチョムキンという恋人がいて、本当に好きだったのは彼だけだったのではないかという話もあります。ただ、大国のトップにいるという孤独感は強烈だと思いますし、誰にも相談できないことも沢山あったのでしょうね。「名画を鑑賞しているのは私とネズミたちだけ」という有名な言葉があるのですが、もしかしたら絵画と対話をすることで、自分の悩みや寂しさを癒していたのかもしれませんね。大国の女帝を支えて来た、絵画が持つパワーなのでしょう。

「大エルミタージュ美術館展」「心のエステ」……1枚の絵画の持つパワー
「大エルミタージュ美術館展」「心のエステ」……1枚の絵画の持つパワー
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「心のエステ」……1枚の絵画の持つパワー

寺山:私達はエカテリーナ2世に直接会うことはできませんが、彼女が愛でていた絵には対峙し、対話することができます。そこが、絵の持つすごさですね。

齋藤:美術展を観た方から、巨匠の絵か否かに関わらず、「絵からパワーを頂きました」「癒されました」という感想を頂くことが多いです。絵を観て癒されたり、元気になったりして下さると、主催者側としては非常に嬉しいですね。絵には「心のエステ」のような部分があり、それがアンチエイジングにも繋がるかもしれませんね。

寺山:齋藤さんは、大変な点数の絵画を日本に運ぶために、検閲など、とてもご苦労されたと伺っています。

齋藤:展覧会は一旦展示してしまうと、私達は何もできずにハラハラするだけなのですが、観て下さった方の感想に勇気づけられることが多いです。今回は80点の作品が来ており、その中には敢えて日本では知られていない画家の作品も入っています。ヨーロッパ絵画400年の歴史は、巨匠達の作品だけで綴れるものでありませんでした。今回は「都市と自然」をテーマにして、400年の歴史を絵画で綴っています。絵画とは、「時代の記録」ではないかと思いますね。

寺山:私は「大エルミタージュ美術館展」に3時間半ほどいたのですが、大変心地よく、もっといたいと思ってしまいました。

齋藤:通して観て頂くと分かるのですが、今回の美術展では、癒され、とても幸せな気持ちになるような絵が多いのです。いずれも、この期間でないと会えない絵ばかりです。ロシアのエルミタージュ美術館に行っても、広大すぎて目的の絵がどこに展示されているか分かりませんので(笑)。有名無名に関わらず、「私はこの絵が好き」という絵を、1枚でも2枚でもみつけて頂けると嬉しいですね。また、今回のみどころの一つに、エルミタージュ美術館に来たかのように感じさせる豪華な内装があります。映像でも、エルミタージュ美術館の内装の素晴らしさをご覧頂けますよ。

「大エルミタージュ美術館展」絵画をモチーフにしたカクテル
齋藤一枝さんと寺山いく子編集長
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絵画をモチーフにしたカクテル

寺山:今回、ホテルとのタイアッププランがあるそうですね?

齋藤:パレスホテルと、セルリアンタワー東急ホテル、それにコンラッド東京に協力して頂き、特別メニューや宿泊パックを作って頂きました。コンラッド東京では、ロマノフ王朝時代に愛飲されたシャンパン「ルイ・ロデレール」を使い、絵画をモチーフにしたカクテルを作って頂きました。非常にこだわって6種類のカクテルを作って頂いたのですが、ロマノフ王朝の華麗さ・儚さが、シャンパンのイメージと重なっているように感じませんか?ロマノフ王朝時代の優雅さを、シャンパンの泡と一緒に飲み干してしまおうという趣向です。贅沢な一時を、トワイライトと共に楽しんで頂けたらと思います。

寺山:絵を観て楽しめますし、また絵がなくても、カクテルから想像が膨らみますね。

齋藤:そんなふうに楽しんでいただきたいです。展覧会を観てからカクテルを飲まれてもいいですし、カクテルを飲んで絵をイメージしてから、展覧会に行かれてもいいですね。二度楽しんで頂けたらいいと思います。

寺山:ロマノフ王朝時代に、実際に使われていたシャンパンなのですか?

齋藤:ええ、そうです。非常に貴重なシャンパンです。コンラッド東京のご好意で、その貴重なシャンパンを贅沢なカクテルにして頂きました。素敵な男性と来て頂いて、絵画の話で盛り上がって頂き、男性が「今日は帰さないよ」と言う流れになったのなら……キューピッドになった気持ちですね(笑)。

寺山:それも、エカテリーナ2世の力でしょうか(笑)。

齋藤:そうですね、恋多き女帝でしたので(笑)。
「大エルミタージュ美術館展」絵画をモチーフにしたカクテル

ミクソロジストが語る、カクテル構想秘話

大エルミタージュ美術館展の会期中、各ホテルのタイアップにより特別プランが行われています。パレスホテルは鑑賞券付き宿泊プランと食事&デザート&カクテル、セルリアンタワー東急ホテルは鑑賞券付き女性限定宿泊プランとレディースディナーです。

そしてコンラッド東京では、絵画をモチーフにしたカクテルが期間限定で楽しめます。歴代のロシア皇帝に愛された高貴なシャンパン「ルイ・ロデレール」をベースに、彩り鮮やかなフルーツやハーブで表現された絵画的なカクテルは、どれも「飲む宝石」と言った雰囲気。

コンラッド東京のキャプテンバーテンダー/ミクソロジスト(旬の素材を組み合わせてカクテルを作る人)の廣瀬佳信さんが、カクテル構想秘話を教えてくださいました。

「絵をベースにしてカクテルを作るのは初めての経験でしたが、材料を吟味してゆっくり考えられたので、非常に楽しい作業でした。10数点の絵から6点を選び、まず紙にスケッチし、ベースや色を決め、季節や風景などのイメージを書き出して、皆で話し合いながら作りました。アンリ・ルソーの絵をカクテルにするのが、一番難しかったですね。美術展で本物の絵を観た方にカクテルを飲んで頂いて、意見交換できるのが楽しいです。カクテルを飲まないけれども絵が好きな方がカクテルを知るきっかけになったり、逆にカクテルを飲んだ方が絵に興味を持って下さったりすると嬉しいですね」

ミクソロジスト力作のカクテルは、以下の6種類です。

・「扇子を持つ女」 (作:ピエール=オーギュスト・ルノワール)
 ウォッカベースのクランベリージュースの上に、シャンパンを注いだ、2層の色が美しいカクテル。
 扇子に見立てた蘭の花びらが飾られていて、視覚的にも楽しめます。


・「野原の少女」(作:ルートヴィヒ・クナウス)
 草原をモチーフにした、フレッシュバジルとレモンのさわやかな風味がユニークな大人な味。
 グラスの中のレモンピールが、少女の可憐さを表現しているのだとか。


・「ジヴェルニーの干草」(作:クロード・モネ)
 すりつぶした苺にバニラビーンズ入り自家製シュガーを加え、シャンパンを注いだカクテルです。
 苺が花畑を、シャンパンが空を表現しており、甘さと程よい酸味が味わえます。


・「果実を持つ女」(作:ポール・ゴーギャン)

 パッションフルーツのリキュールを使用した、作品そのままのイメージのトロピカルなカクテル。
 グラスのふちにあしらわれた砂糖づけのチェリーが、何とも愛らしいです。


・「リュクサンブール公園 ショパン記念碑」(作:アンリ・ルソー)

 白ぶどうにオーガニックのブラウンシュガー、コニャックを合わせた、滑らかな口当たり。
 ブラウンシュガーは公園の土の色を、淡い緑の色合いは公園の木々だそうです。


・「散歩の後」(作:ギュスターヴ・ド・ヨンゲ)
 少女の白いドレスをすりつぶしたリンゴとカルピスで、青いリボンをブルーキュラソーで表現してあります。
 夏を思わせる、甘酸っぱく可憐な味わいのカクテルです。

まさに視覚と味覚で味わう名画……ラグジュアリーなホテルで、宝石箱のような美しい夜景を見ながら、エカテリーナ2世の治世に想いを馳せてみては如何でしょう。素敵な人と一緒に、カクテル・グラスを傾けつつ過ごすゆるやかな時間は、アンチエイジングにも効果抜群かも!?

場所:28F バー&ラウンジ「トゥエンティエイト」
期間:2006年10月19日(木)〜12月31日(日)
詳細:コンラッド東京ホームページ

大エルミタージュ美術館展 概要
開催期間:2006年10月19日(木)〜12月24日(日)
開催場所:東京都美術館  〒110-0007 東京都台東区上野公園8−36
開室時間:午前9時−午後5時 (入室は閉室の30分前まで)
休室日:毎週月曜日
公式HP:大エルミタージュ美術館展公式ホームページ

名古屋展  2007年1月5日(金)〜3月4日(日) 名古屋市美術館
京都展   2007年3月14日(水)〜5月13日(日) 京都市美術館
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