さらに発酵させると素材が本来もっていない風味と栄養成分を数多く含んでいたりする。体にいいものは肌にも当然いいわけで、もっとも人間は新陳代謝しているし、地上でも海中でも微生物は存在していろいろな役割を果たしているが、そんな微生物の宝庫ともいえる地球の恩恵をあずかりながら、我々は日々生かされているのである。
発酵食品は今日のバイオテクノロジーの原点ともいえる。前述した納豆、塩辛、漬物、味噌、醤油などをはじめとして、多種多様な食品があるが、最近私が注目しているのは「発酵茶」。緑茶を主原料として烏龍茶・紅茶・麦茶をブレンドして乳酸菌を加えて発酵後、熟成させた発酵パワーでインナービューティに一役かってくれる飲料である。少しアルコールを取りすぎた日の翌朝なども二日酔いがなく、すっきりとした朝を迎えられるのが何より。
(今月のプレゼントにもなっているので、ご興味のある方は是非応募してみてください。)
まずは毎日「大豆」を意識してみてはどうだろう。お味噌汁に納豆ご飯、お豆腐にぬか漬け、そして酢の物・・・などを毎朝の食卓に呼び戻すのはどうか。発酵食品を1日一つはマストアイテムにする。ここからスタートして美と健康を維持したいものである。
話は少しそれるが、困ったことに日本人は自分たちで食べ物をつくれない構造にさせられたのか、ともかくつくらなくなってしまった。決して食糧自給率のよい、食の豊かな国ではないのだ。日本はわれわれが食べている食べ物の約6割は海外からの輸入に頼っている。もちろん「大豆」もしかり。しかも専業農家は2割、兼業農家が8割という惨たんたる状況なのに・・・ご存知オーストラリアやカナダ、フランスそしてアメリカなどは自給率が高い。ドイツだって頑張っている。日本の人口は少子高齢化といったって1億2千万人いる。物理的に食べていけない。外国に食べ物を頼るといっても頼れない時がくるだろう。アメリカが面倒を見てやるからといっても、果たして安全なものなのかどうか。これは近頃のニュースを見てもわかること。食べ物をお金で買おうと思っても買えないかもしれない。このままでいったら日本人は餓死する状況になりかねない。お隣の国の問題ではないのだ。政治家の施策項目の中に農業問題、食糧問題はほとんど見当たらない。こんな国は危ない。おぉっと話が随分それてしまった。こんな話はまた別の機会にするとしよう。頭が発酵してしまいそうだ。
*****発酵食品に造詣の深い醸造学の権威が記す発酵食品の面白さが味わえます。*****
小泉武夫先生の著書 「発酵食品礼讃」小泉武夫/文春新書 |