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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
寺山いくこ 美容プロデューサー mon age編集長
アンチエイジングで美しさにに磨きをかける
ビューティー
発酵食品でインナービューティにも磨きをかけよう!
ある有名な哲学者が「古代エジプト人はピラミッドをつくった。あれは人類の永遠の奇跡かと思っていたが昭和20年の日本人のほうが古代エジプト人より勝っていただろう」ということをいっている。それは敗戦後の焼け野原をわずかな期間で復興させてみせたから。昭和24年にはニューヨーク、ロンドン、ローマ、パリに続いて5番目のメトロポリタンをつくりあげた。そのことをすばらしい底力だと彼はいっている。
 以前カルチャーで「食物繊維」をフューチャーしたが、今回は発酵食品である。
 食文化というのは、各地域の食材、気候風土、民族性あるいは嗜好や信仰などとも関わりを持ちながら作りあげられていく。発酵食品も先人のいろいろな試行錯誤と創意工夫によって世界各国にあり特にアジアは豊富である。
大豆製品 野菜類 魚介類
肉類 乳製品 その他
実に多種多様な食品に生まれ変わって今まで食べ継がれてきている。私は常日頃から「日本人は昔から食べていた日本食を食べるべき」と思っている一人だが(理想と現実は別として・・・)ここ50年〜60年の日本人の食生活や食糧自給率を考えると本当に頭が痛くなる。何か可能性がないものだろうか?自分自身の健康を維持し美を追求していく為にも、また次世代に繋げていく為にも「食」は必ず通らなければいけない道。そして発酵食品はなくてはならないもののはずなのだ。
 
 食物繊維の時と話が重複するかもしれないが、さまざまな民族の中で食を根本からくつがえしてしまったのは日本人だけだという。また戦後に話が飛ぶが、アメリカと西洋の栄養学が間違って日本に入ってきた。その結果カロリー至上主義と(動物)たんぱく質至上主義が結果的に日本人の食事を60年間で180度変えた。日本人の肉消費量(加工用含む)や脂肪分は数倍にも膨れ上がり、完全に高脂肪・高たんぱくの時代に。草食動物が肉食動物に、いや農耕民族が狩猟民族に変化したのである。だから当然体にもさまざまな問題が出てくるし、今までかからなかった疾病なども起きてくる。この変化に皆が敏感に反応し問題視しているからこそ、ここまで健康が意識され、予防医学や予防美学が注目されているのではないかと思う。単なる高齢化によるものではないと感じるのだ。

 そもそも日本は欧米の栄養学が入ってきて世界一の長寿国になったのではない。もともと日本人の日本型の食生活が根底にあったからなのではなかったか。その時、日本型の食生活をやめて毎日パンとステーキとアイスクリームを食べるようになっていたら・・・。民族にはその民族にあった食というものがあるのだから、食べ物をいま一度見直し、日本人に本当にあった食べ物を食することで健康と美を養っていきたいと思う。そういった意味でも発酵食品は土地の気候、風土、特産品をうまく生かした食べ物だといっていい。

米健康専門月刊誌「ヘルス〜www.health.com」にて世界5大健康食品が発表されている。

・スペインのオリーブ油
・ギリシャのヨーグルト
・インドのレンズ豆
・韓国のキムチ
・日本の大豆

 「日本の大豆」である。そしてヨーグルト、キムチ、大豆はどれも発酵食品として使われているものだ。日本人は古来より発酵食品が食卓の中に置かれ、食べられてきた。世界5大健康食品のうち3つまでもが発酵食品と深く関わっていることを見てもわかるように、健康と美に対して計り知れない重要な要素を含んでいるといえよう。もともとは偶然の産物であった発酵食品も昔の人々の長年にわたるチャレンジ精神によって積み重ねられてきたといっても過言ではないかもしれない。なぜなら多くの発酵食品に見られる独特の味わいやにおいは、科学的根拠などまったくない時代に、最初に口にいれる人にとっては勇気のいることであっただろうから。



今から4,5千年前にアラビアの遊牧民がミルクを持って旅をしていた。
喉の渇きを癒すために何日かたったミルクを飲もうとしたところ、
水筒の中が透明な液体と白い固まりになっていた。試しに舐めて
みたところ、酸味のある独特の旨さがあったという。
これが発酵食品の起源ではないかといわれている。
 今日、我々の食生活で知らず知らずのうちに発酵食品を口にしているが、では「発酵」とは何か?
発酵には顕微鏡でしか見ることのできない微生物が大きく関わっている。微生物は食材に含まれる澱粉や糖、たんぱく質などを分解・合成し、新たな成分をつくる。この代謝活動が「発酵」で、これにより人間にとって有用な食べ物と変化したものが「発酵食品」。つまり微生物の力によって、もとの食材にはない美味しさや有効成分を加えて栄養価を高くしたものが「発酵食品」なわけだ。
 お酢やお酒などが約一万年前からあることを考えると、発酵食品の歴史は非常に古いといえるが、微生物の働きによってつくり出される発酵食品は、昔から私たちの食生活と健康や美に大きく関わっており、体にはとてもやさしい食べ物だ。発酵した食べ物は以下のような大きな特徴がある。

 ● 血圧を平常に保つ働きや免疫細胞の活性化
  (これについては、医学的なデータを得ていろいろな学会で発表されている。)

 ● 体の中での吸収がよくなる
 さらに発酵させると素材が本来もっていない風味と栄養成分を数多く含んでいたりする。体にいいものは肌にも当然いいわけで、もっとも人間は新陳代謝しているし、地上でも海中でも微生物は存在していろいろな役割を果たしているが、そんな微生物の宝庫ともいえる地球の恩恵をあずかりながら、我々は日々生かされているのである。

 発酵食品は今日のバイオテクノロジーの原点ともいえる。前述した納豆、塩辛、漬物、味噌、醤油などをはじめとして、多種多様な食品があるが、最近私が注目しているのは「発酵茶」。緑茶を主原料として烏龍茶・紅茶・麦茶をブレンドして乳酸菌を加えて発酵後、熟成させた発酵パワーでインナービューティに一役かってくれる飲料である。少しアルコールを取りすぎた日の翌朝なども二日酔いがなく、すっきりとした朝を迎えられるのが何より。
(今月のプレゼントにもなっているので、ご興味のある方は是非応募してみてください。)
まずは毎日「大豆」を意識してみてはどうだろう。お味噌汁に納豆ご飯、お豆腐にぬか漬け、そして酢の物・・・などを毎朝の食卓に呼び戻すのはどうか。発酵食品を1日一つはマストアイテムにする。ここからスタートして美と健康を維持したいものである。

 話は少しそれるが、困ったことに日本人は自分たちで食べ物をつくれない構造にさせられたのか、ともかくつくらなくなってしまった。決して食糧自給率のよい、食の豊かな国ではないのだ。日本はわれわれが食べている食べ物の約6割は海外からの輸入に頼っている。もちろん「大豆」もしかり。しかも専業農家は2割、兼業農家が8割という惨たんたる状況なのに・・・ご存知オーストラリアやカナダ、フランスそしてアメリカなどは自給率が高い。ドイツだって頑張っている。日本の人口は少子高齢化といったって1億2千万人いる。物理的に食べていけない。外国に食べ物を頼るといっても頼れない時がくるだろう。アメリカが面倒を見てやるからといっても、果たして安全なものなのかどうか。これは近頃のニュースを見てもわかること。食べ物をお金で買おうと思っても買えないかもしれない。このままでいったら日本人は餓死する状況になりかねない。お隣の国の問題ではないのだ。政治家の施策項目の中に農業問題、食糧問題はほとんど見当たらない。こんな国は危ない。おぉっと話が随分それてしまった。こんな話はまた別の機会にするとしよう。頭が発酵してしまいそうだ。


*****発酵食品に造詣の深い醸造学の権威が記す発酵食品の面白さが味わえます。*****
小泉武夫先生の著書 「発酵食品礼讃」小泉武夫/文春新書

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