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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
執筆者:モンナージュ編集長 寺山いく子
アンチエイジングで美しさにに磨きをかける
ビューティー
 
「枕をあなどるなかれ。短時間でも熟睡できればアンチエイジングに繋がる。」
「枕をあなどるなかれ。短時間でも熟睡できればアンチエイジングに繋がる。」
 毎回モンナージュの取材は楽しい。新鮮な発見があったり、興味だけのものをぐっと掘り下げられたり、と実のある、そして、すぐに実践できる事も多いからだ。今回の取材もまた、とびきり楽しかったわけで。かつ「枕」の存在を改めて認識し、大切さを味わった日でもありました。
1 快眠の気持ち良さって、すばらしい!

 そもそも私は「枕」を使わない人でした。なぜなら枕を使って寝ようとすると、何故か違和感があり、無いほうがスッキリ眠れる!と思っていたからでした。今、思えば、それは枕がフィットしていなかっただけだと理解するのですが、取材に伺う前までは、私の生活に枕は存在しませんでした。旅館に行っても実家に帰っても枕は使わない。そのうちに「枕を使うと首のシワの原因のひとつになるから避けたほうがいい」という、まことしやかな言葉が脳裏をよぎり、お布団の上にそのまま仰向けに寝る日常に。でも開眼しました。「枕」は絶対に必要だと。何故なら枕が自分に合っていると本当に眠りが変わるからです。「家に帰って早くあの枕でぐっすり寝たい」と思うようになったことは、さすがに自分でもびっくり!でしたが(笑)。

  見よ!この枕の数を
2 見よ!この枕の数を
  繭のような形の台
 
2 目覚めの悪さや疲労感、背中の痛みは、合わない枕が原因?!

 今回お邪魔したのはロフテー枕工房。店内に入ると、そこには展示された枕があり、その種類の多さにまず驚く。「これが全部、枕?!」そして繭のような形の台が中央に置かれており(これがあとでベッドだとわかる!)なんとも圧倒されるのである。

 そもそも、何故、枕をするのか?枕の役割って何だろう?ここから探っていくことにしよう。
ヒトの脊柱(背骨)は横から見るとS字状のカーブだ。これが体重を前後に分散して、重い頭や体重を支えるのに一番負担が少ない姿勢をつくる。筋肉の疲労も少なく、脊柱にかかる負担も軽い状態といえる。寝ている間もこの自然な状態を保てることが理想的。つまり枕の役割とは、寝ている時に頸部を無理なく支えながら、寝ている時も立っている時と同じように自然な姿勢を保てるよう、敷布団と頭部・蓋部の間にできる隙間を埋めることなのである。つまり頭部から頸部までが無理なく枕に接する状態が理想的ということだ。これで首の安定を保つのである。 
 *脊柱(せきちゅう)・・・頸椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨の5つからなる。
 *頸椎(けいつい)・・・頭を支える7つの首の骨のこと。

 そのためには何がポイントになるか?それは3つの条件だという。
 1.枕の高さが合っているか
 2.頸椎を支える枕の構造になっているか(枕の形状)
 3.好みに合った枕の素材かどうか

 この3つを考慮した上で、実際に寝てみて寝心地がよいかどうかを確認するのが最良の枕の見つけ方。いかに心地よく感じる枕を選ぶか。これが快眠への近道らしい。これがフィットしていないと、結局、疲れを取るどころか朝の目覚めが良くなかったり、たっぷり寝ているはずなのに、だるさや疲労感が残っていたり、背中の痛みを覚えたり、ということになりかねない。

まずは簡単なアンケートから nullまずは簡単なアンケートから
頸椎弧の深さの計測中その1 null頸椎弧の深さの計測中その1
頸椎弧の深さの計測中その2 null計測その2
ということで「2.01」cm nullということで「2.01」cm
快眠枕の説明中の山尾さん null快眠枕の説明中の山尾さん
3 いざ発見!自分にフィットする快眠枕。

 早速、枕のフィッティングに・・・と思っていたら、まずは計測があるらしい。
頸椎弧(けいついこ)とは首を支える7つの骨のカーブをさし、この深さが枕の高さの目安となるため、まずは計測である。3〜4m先の床をみてリラックスして立つ。それだけでいい。そうするとだいたい顔の角度が約5度になり、首に負担を感じない状態になる。そして頸部の一番くびれている部分に定規をあて頸骨弧の深さを計るのだ。これはプロフェッショナルな方が計ってくれるので安心。
私の深さは「2.01」。ということで、2cmが枕の高さ目安、ということになる。

 次に枕の形状である。枕が頸椎を無理なく支えてくれる形状が望ましい。せっかく高さを自分の首を合わせても、中身の素材がひとつの袋に詰まったような状態の枕だと、寝ている間の寝返りで中身がかたよってしまいがち。だから中身のかたよりが少ない構造で首すじを支え、後頭部の丸みを自然に受け止める形状のものがいい枕ということになる。通常は中央部が高い枕が主流だが、実は中央部は低めで横向き寝にも対応できるように両サイドは少し高めの枕、がロフテー流。アンチエイジング的にも良さそう。

 3つめは素材。大別すると「やわらかめ」と「かため」になるのだが、やわらかい素材の代表は羽根・ポリエステルわた・低反発ウレタンなどがあり、かため代表は、そばがら・ポリエチレンなどになる。どの素材も一長一短があるので、どれが一番ではなく、素材の特徴を参考に、感触・香り・音などが自分好みかどうかを検討して選ぶべき。まずは今、使い慣れている素材を参考にするとよい。

 実際に展示してある枕が何故こんなに多かったのかが、ここで謎解きされた。まず縦の段は1cmの高さから1センチ刻みに5cmまで、高さの違う枕があるのだ。私は上から2番目の棚から選択。そして横の段は素材違いの枕が並んでいたのだ。ここから初めて実際に枕に頭をのせて試してみるのである。

すっーと枕に溶け込んでいくような感触
2 すっーと枕に溶け込んでいくような感触
負担がかかっていないと寝ていてもスッと見えるのが不思議
2 負担がかかっていないと寝ていてもスッと見えるのが不思議
素材違いの枕を試し、また違った感触に包まれる
2 素材違いの枕を試し、また違った感触に包まれる
あぁ〜素材と沈み感がたまらない!極楽です。
2 あぁ〜素材と沈み感がたまらない!極楽です。
すっーと枕に溶け込んでいくような感触
2 枕の素材が並べてあって見やすいディスプレイ
横向き寝用の枕などもある エスカルゴ
2 横向き寝用の枕などもある
2 これがそう(エスカルゴ)
4 さぁ繭 (ベッド) の中へ!

 最初は使い慣れた感触の素材から、ということで、使ってはいないが家にあるのは羽根枕。高さは2cmの羽根タイプを皮切りにさっそく仰向けに寝てフィッティング。カメラ目線バッチリじゃあないけれど・・・この包まれ感は何だろう。初体験である。頭や首が軽く、なんといっても肩が背中が楽なのだ。私は今までいかに脊柱に負担をかけて寝ていたのか!S字状のカーブをどれだけ無視して寝てきたのか!!と反省しきり、である。あぁだから肩や首のコリがあったのかも、と。
 2cmと3cmの高さ違いを試し、2cmのほうがフィットするので、そちらを選択。素材は、ありとあらゆるものを試したが、結局やわらかめの方向に落ち着いて、そちらから選択することに。

 頸椎弧の深さは、だいたい1cm〜6cm、それに枕の高さは個人の好みもあるので、計測の数値を参考にしながら1−2種類違う高さの枕を試してみる。女性は2−3cm、男性はもう少し高めの方が多いという。素材は使い慣れているものから、試してみたいものまでいろいろだが、かため→粒状で音がする、やわらかめ→主にわた状で音がしない、を参考にお好みで試していくとよい。あとは生活環境も意外に大事だとわかる。

 「生活環境と住環境を今一度考えられた上で枕を選ぶことは重要です。何故なら、枕の素材によってメンテナンス方法が全く違ってくるからなんですね。」とは、快眠スタジオ 睡眠改善インストラクター、山尾 碧(やまお みどり)さん。

 「例えばマンションにお住まいの一人暮らしで、ほぼ一日窓を閉め切っているという場合は、羽根やそばがらを選択するよりもパイプタイプやビーンズタイプのポリエチレン素材を選択したほうがよろしいかと思います。羽根やそばがらのような天然素材は、風通しが良いほうが断然に良く、乾燥した状態を保つのがベストです。ですから密閉された環境ではメンテナンスが負担になる場合もありますね。また寝室が日当たり良好だった場合などは、そばがらにはいいのですが、逆に羽根は日陰のほうがよかったりと、素材によっても特徴があります。また羽根の場合は梅雨の時期の匂いが気になる方もいらっしゃいますし、そばがらは人体に害はありませんが虫の問題も。一方プラスチック素材の場合は、風邪通しや日当たりにあまり神経質にならなくてもいいので、比較的メンテナンスが楽ですね。お洗濯で丸洗い可能なのも魅力ですし、汗をかきやすい方にはオススメです。しかしながら天然素材ではありません。」
 
 このようにメンテナンス方法や使う人の体の特徴、寝室の環境などによってフィットする枕は変わってくるようだ。そしてどの素材にも一長一短があるので、自分にとっての一番を捜すのに、山尾さんのような存在はとてもありがたい。各々の素材を熟知している上、それぞれの環境に合わせた枕の選択をナビゲイトしてくれるから。枕は羽根のフワフワ感とか、さらっとした感触だけで選んでしまっているところだが、枕が心地よい環境(それはつまり我々の寝る環境)まで考えて枕を選ぶ、という視点は今までになかっただけに、とても新鮮だ。

 「アレルギーをお持ちの方、枕の選択には注意が必要です。羽根やそばのアレルギーの方はもちろんそれを避けますし、喘息の方はそばがらがつぶれると粉が出るため避けます。ハウスダスト全般に反応する、またはアトピーの方は、ほこりのたちにくいシルク(絹わた)や洗えて清潔なポリエステルわた、プラスチック素材が適切です。」

 ン〜、枕が生き物のように思えてきた。とはいえ、ふと考えてみると、季節によってシーツや掛け布団は変えるのに、枕はカバーも含め年中一緒だったような・・・。

 「枕も寝具のひとつ。枕の衣替えは、ほとんどの方がしていらっしゃいませんが、本来、枕も季節と共に変えるのが理想です。中の素材を変えるだけで冬は保湿性を高くし、夏は冷涼感を高め吸湿性を向上できます。そうすると、より快適な毎日をサポートできるはずなんです。カバーなども冬はニットに近い肌触りのもの、夏はサラッとしたコットン、汗をかきやすい人はパイル地など、それだけでもかなり心地よさが違うと思います。また枕にも寿命がありますが、素材によって交換の目安が違いますので、何なりとご相談にいらしていただきたいですね。あとはご本人のいびきだけではなく、いびきが原因で眠りにくい方もご一緒にいらっしゃったりというケースもありますので、お気軽に足を運んで、どんどん枕を寝て試してもらえれば、と思っています。」
 
 ごもっともです。皆さん、もっと枕ソムリエを活用しましょう。

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 もう何種類、試しただろうか。高さは同じ2cmでも素材が違うと、包まれ感が微妙に違うのだ。
 「首のシワを気にされていたようですが、それは高さが合っていなかったからだと思います。合っていれば負担がかからないので、シワはできないんですよ。それよりも、枕を使わないで寝ると朝、顔がむくみやすくなります。そちらのほうが心配です。」
 おぉ、首のシワより顔のむくみ!その通りだ。おまけにS字状の骨を無理にまっすぐにしていたのだから負担をかけていた事は間違いなく。いくらマッサージや骨盤矯正に励んでも、寝ているときが肝腎なのではないか!でも今日から私の快眠は約束されたようなものだ。
 
 結局、私が選んだ枕は、
  頸部支持構造枕2号 上部ダウン/下部フェザー の立体縫製連結枕 ”パピヨン”
 となりました。ピローケースもそれに合わせ、スムースニットタイプに決定。
 ちなみにパピヨンとは枕の両脇が蝶々のように2重になっていて、より包み間がある
 形からきた命名だそうだ。エスカルゴとか、可愛い名前が多く愛着が湧きそうだ。

 私はもともと眠れる人だったが、枕ひとつの違いで快眠になり、何より入眠のスムーズさがたまらない毎日を送っている。まさに「おやすみなさい」が快適なのだ。ヒトは1日の1/3は睡眠に時間を割くわけだから、毎朝、さわやかな目覚めを迎えるために、ちょっと枕の事を考えてみるのはどうだろう。初夢は新しい枕で見るのも悪くない。

ピローケースも季節で変えるのが正解かも
2 ピローケースも季節で変えるのが正解かも
  ピローケースも季節で変えるのが正解かも
2 決めた枕にピローケースを選び取り付ける
  ハッピーピンクでご満悦?!大きめですね
2 ハッピーピンクでご満悦?!大きめですね  
「素材とメンテナンス表」で自宅でのケア
2 「素材とメンテナンス表」で自宅でのケア
  ロフテー枕工房店内
2 ロフテー枕工房店内
  枕お預かりサービス
2 枕お預かりサービス  
 取材にご協力頂きました
山尾さんと一緒に ロフテー枕工房本店
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03-3663-5050
〒103-0006
東京都中央区日本橋富沢町11-12

※オーダーメイドの枕もつくれ、新サービスのロイヤル枕クラブも。

写真:山尾さんと一緒に

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