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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
執筆者:モンナージュ編集長 寺山いく子
アンチエイジングで美しさにに磨きをかける
ビューティー
 
自然の恵みをたっぷりと含んだ材料を使い 自然にまかせた熟成方法でつくる石鹸
マルセイユ石鹸とは?
伝統製法と天然植物油(オリーブオイル、パームオイル、ココナツオイル)を原料として成分の72%以上を配合し、無着色・無防腐剤にこだわり続けて造る。その製法は「釜炊きけん化法」という昔ながらの伝統的なもの。純植物性油脂を釜でゆっくりと溶かし、精製された地中海の海水を用いて塩析、潮風で長い時間をかけ自然乾燥させる製法。マイルドできめ細かい泡立ちと、泡切れがよく低刺激なのが特徴。現在、古くからある、いわゆる老舗は数社ほどだが、時代の流れなのか、伝統的な手法を扱って新会社設立の動きも。
1 とっても楽しい手作り石鹸、その前に少しだけ歴史のお話を。

石鹸の歴史は古く紀元前3000年にさかのぼると言われています。神への生贄として焼いた羊の脂と木の灰での原始的な石鹸が1世紀頃にはあったのだとか。やがて豊富なオリーブオイルを原料とした石鹸がスペイン・イタリア・南フランスなどで13世紀〜15世紀に作られるようになり、ついに17世紀には石鹸作りが南フランスのプロヴァンス地方に定着したのでした。

マルセイユ石鹸の一世風靡は、フランス国王ルイ14世(太陽王)のオリーブ石鹸への執着から。1688年、辣腕(!)大蔵大臣コルベールの勅令で、ヨーロッパの石鹸製造の独占権をマルセイユに与えて以来、原料・製造方法・製造期間等、項目ごとに厳しく規制、この規制に合致した石鹸のみ「マルセイユ石鹸」の呼称を認めたのです。

今や上質な石鹸の代名詞となっている「マルセイユ石鹸」。後のコニャックのように厳しい管理の下で生産された「王家の石鹸」は、当然のごとくもてはやされます。いわば当時のブランド品というわけ。実に300余年の歴史を刻み今に至っています。

都内某所の一軒家でお教室が。  
2 都内某所の一軒家でお教室が。
きれいに並べられた材料や道具達  
2 きれいに並べられた材料や道具達
2 石鹸作りの基本レシピはマルセイユ石鹸から

現在はマルセイユ製造法に従って造った石鹸は、マルセイユ石鹸という名称が使えるのだとか。何よりも石鹸作りの基本レシピとなっていて、代表的な石鹸として覚えておきたいもの。

それは兎にも角にも上質な石鹸を作るポイントは正確な計量と温度管理にあるのだそうで・・・今回お邪魔したのは、都内某所の一軒家で開催しているアロマのプロが教える「せっけんコンシェルジュ ベーシックコース」という、お教室。講師の方々は薬剤師さんでもあります。基礎はもちろんですが、本ではなかなかわからないコツも見え、アロマの香りに包まれながら楽しく丁寧に進行していきました。

都内某所の一軒家でお教室が。

基本レシピ 〜 マルセイユ石鹸作成 〜

<材料>
オリーブオイル (ピュアオリーブオイル)  
パームオイル  
ココナツオイル  
精製水  
苛性ソーダ  
エッセンシャルオイル
(※ラベンダー、ゼラニウム、イランイラン)
 
 
<道具・用意するもの>
エプロン はかり
三角巾 お湯 計量カップ
軍手 ボウル 料理用温度計
マスク 泡立て器 ステンレスのスプーン
ゴーグル ゴムべら  (マドラーなど)
新聞紙 ガラスびん 牛乳パック
都内某所の一軒家でお教室が。
<手順>
1

 

精製水と苛性ソーダを量る。エッセンシャルオイル以外のオイルを量る。
2 ガラスびんなどを利用して、苛性ソーダに精製水を加え、ステンレス製のスプーンなどでかき混ぜながら溶かす。2

 
混ぜることで熱が出るため、換気扇のあるところで行うこと
刺激のある蒸気があがるので(80℃〜90℃)、換気に注意!
4.のステップのときには40℃くらいまで冷ます
(冬は早く冷めるので湯せんが必要。季節に応じて)
3 ボウルに分量のオイルを入れる。お湯を入れた鍋にボウルを重ねて、温度が40℃になるまで調節する。
2
  ☆ オイルは温度の上昇が早いので、40℃の手前で鍋からおろすと、温度の上がりすぎを防げる。
融点の違うオイルがボウルに混ぜられる 湯せんで溶け合うオイルを混ぜる 温度の上がりすぎを防ぐため、検温!
2 融点の違うオイルがボウルに混ぜられる
 
2 湯せんで溶け合うオイルを混ぜる
 
2 温度の上がりすぎを防ぐため、検温!
4 苛性ソーダとオイルの温度がそろったら、泡立て器で混ぜながら苛性ソーダを少しずつ注ぎ入れる。→石鹸のトレースが出来ます。
これが精製水と苛性ソーダを混ぜたもの
2 これが精製水と苛性ソーダを混ぜたもの
オイルと少しずつ混ぜ、かき回していく
2 オイルと少しずつ混ぜ、かき回していく
5 トレースを飛ばさないように30分位、かき混ぜる。
2
季節やオイルの素性によって時間は異なります。
温度調節に気をつけること。
とにかく混ぜる
2 とにかく混ぜる
検温して温度調節を! 冷めないように、熱すぎず・・・かき回す ヨーグルト位になった模様♪
2 検温して温度調節を!
 
2 冷めないように、熱すぎず・・・かき回す
 
2 ヨーグルト位になった模様♪
6 トレースがヨーグルト位の硬さになったら、エッセンシャルオイルを入れ、牛乳パックに流し込みます。ボウルの中の残りはゴムべらで。
point
トレースはアルカリ性なので、皮膚につかないように注意。
けん化が遅いときには、発砲スチロールの箱や毛布などで保温すると良い。
けん化とは?
油脂がアルカリの作用でグリセリンと石鹸になる化学反応のこと。
今回使用するエッセンシャルオイル達
2 今回使用するエッセンシャルオイル達
量ってから・・・ ポトポト入れて 混ぜる!
2 量ってから・・・
 
2 ポトポト入れて
 
2 混ぜる!
ついに牛乳パックへ注ぐ。 ちょうど収まるくらいの量になりました お持ち帰り用にパッキングをして
2 ついに牛乳パックへ注ぐ。
 
2 ちょうど収まるくらいの量になりました
 
2 お持ち帰り用にパッキングをして
7

 

型(牛乳パック)から出せるくらいに固まったら(3日〜1週間)取り出します。
表面が乾いたら、好みの大きさに切り分け、日が当たらず通気の良い乾燥した場所で一ヶ月熟成させます。
point
  ☆ 固まる期間は素材によってまちまちなので、触って確かめる。
一週間して取り出してみたところ。固いです。
2 一週間して取り出してみたところ。固いです。
一ヶ月ほどして熟成させた手作り石鹸の完成!
2 一ヶ月ほどして熟成させた手作り石鹸の完成!

とここまで、さらっと書いてみましたが、実は5番のトレースがヨーグルト位の硬さになるまでの時間が一番大変でした!無理をすると腱鞘炎になってしまう!のでは?と思うほど必死になってしまい、途中からそんなに力まなくてもいいことがわかってホッと一安心。優しくかき混ぜていればよかったのです・・・同じオリーブオイルでも採取地の違うオイルでは色も違えば混ぜる時間も違ったりで、自分の中ではお料理教室ならぬ理科実験教室に発展していった感が。また2番はあらかじめ講師の方々が準備してくださっていたので助かりました。

3 石鹸とは幸せさえ感じてしまう、自然からの贈り物かも。

毎日使う石鹸。そこにはふしぎな魅力がたくさん詰まっていました。自分で手作りした石鹸への思い入れも確かに芽生えたのですが(笑) 、作った日から待ちわびて約1ヶ月。その間、乾燥させる期間はとても待ち遠しく、数日おきに石鹸をひっくり返して楽しんでいました。何より部屋中が安らぐいい香りに包まれていたし、出来上がって使ってみた時の繊細さ、そして使った時のお肌のコンディションを整える力に、今さらながら「自然の恵みの力」を感じざるを得ませんでした。たっぷりと含んだ植物性オイルや天然のエッセンシャルオイル。 洗い上がりはすがすがしく、お肌はしっとりと保湿されていて。特にこれからの季節は、汗をさっぱりと洗い流したり・・・1日の疲れを癒すときの、お肌へのご褒美かもしれません。毎日使うものだからこだわりたい。ちょっとした日常の幸せを、この石鹸と感じたいと思ってしまいました。

 

《 オリーブオイル 》Olive Oil
地中海沿岸が主産地。
オリーブ果実の果肉を圧搾して製造。オレイン酸を多く含み、石鹸にすると洗い上がりの肌をすべすべとなめらかにする。ただしオリーブオイルメインの石鹸は、とても軟らかくジェル状になってしまいヌルヌルした使用感になりやすい。

《 パームオイル 》Palm Oil
アフリカ、東南アジアが主産地。アブラヤシの赤い果肉を圧搾して製造(レッドパームオイル)。白いオイル(ホワイトパームオイル)は脱色精製したもの。融点が27℃〜50℃ときわめて高く、パルミチン酸を多く含むので、硬く溶けくずれしにくい石鹸ができる。カロチンが豊富。ここではホワイトパームオイルを使用。

《 ココナツオイル 》Coconut Oil
東南アジア、インドなど熱帯の海岸地方が主産地。ココヤシの実の外殻の内側にある果肉を圧搾して製造。ラウリン酸とミリスチン酸を多く含むので、大きな起泡力を生み、泡立ちの良い石鹸作りに役立ちます。融点が20℃〜28℃なので配合することで硬い石鹸になるが、カプリル酸含有なので最小限にとどめておく。

《 苛性ソーダ(水酸化ナトリウム) 》Sodium Hydroxide
白色の固体。強いアルカリ性を示し、水に溶かすと激しく発熱(80℃〜90℃)し、蒸気が出る。「毒物及び劇物取締法」で「医薬用外劇物」に指定されているため、購入の際は運転免許証やパスポートなど本人確認できる官公署発行の身分証明書と印鑑が必要。取扱店も少ない。

 Information
ルボア講師の方々と一緒に。
講師の牛越さん(左)、榎本さん(右)
と一緒に。
夢の「せっけんコンシェルジュ」?!

ルボア エコール・ド・ナチュロパシー
〒153-0061
東京都目黒区中目黒3-11-13
TEL:03-5724-5083 FAX03-5724-5084
このベーシックコースで6回、さらにアドバンスコースにも通ってさらなる専門知識を学び、修了すると「せっけんコンシェルジュ」の資格が取得できるとあり、興味の高い"せっけん好き"な方にとっても、また初心者の方にも、たまらないコース内容。

ルボア エコール・ド・ナチュロパシー
「せっけんづくりに挑戦しませんか?」ホームページ >>


講師の方からもオススメの本をひとつ。
石けんのレシピ絵本(前田京子著/主婦と生活社)
「お風呂の愉しみ」「テキストブック」に続く手づくり本の第3弾。
季節に沿った手作りレシピが満載です。読むだけでもじゅうぶん楽しめます。
四季折々の石けんレシピが盛りだくさん!料理本のような素敵な写真が満載!
みるだけで手作り石けんの「愉しみ」が伝わります・・。
上級者向けの「透明石けん」の作り方も紹介しています。


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