海外では化学成分を使わないか、より少ない化粧品は、自然派化粧品すなわちナチュラルコスメティックという呼び方が一般的です。誌面にオーガニック&ナチュラル コスメティクスという言葉をみかけます。オーガニックはナチュラルコスメの一部、という認識でしょう。
化粧品には食べ物の成分を気にするのと同じぐらい気を使っていいはず!
これは本当?!
オーガニック化粧品にはお肌に有害な化学物質が含まれていない!
こちらは本当でしょうか?!
オーガニックのコスメを使えば誰もが安全というわけではありませんし、オーガニック系のデメリットもあります。
- 植物の力で、アレルギー反応が出てしまう場合がある。
- ケミカルに比べて、防腐剤を使っていなかったり、ごく少量だったりするため、防腐効果は正直、おちる場合が多い。すると、長期保存は難しい。
- ケミカルに比べて精製度が低く、不純物が入っていることがある。
- 手間ひまがかかっていることが多く、値段が少しお高め。
- 今のところ、購入場所が少ない。
これをデメリットと考えるかどうか、は、人それぞれだと思いますが、日本では「植物」と聞くと、やさしいとか安全、のようなイメージ先行型の感があり、誤解を招きかねません。植物は環境への適応能力に長けているので、そのパワーは計り知れないもの。プラスとなって働く時もあればそうではない場合もあることをきちんと知っておいて欲しいと思います。どんなにすばらしい美容成分であっても、人の体質によって、また植物によってアレルギーが出る場合だってある。それが植物、自然の力なのだと思います。成分の抽出方法もいろいろ。蒸留方法や圧搾法もさまざまなので、徹底的にこだわるなら、成分表示だけでは判断しないことです。
こういった考え方もあります。
石油は自然の中にある天然成分。→ → → だったらOK?!
・・・化学成分の多くは石油からつくられてきましたが、植物油でも化学成分をつくることができる。最近では植物を原料にした合成界面活性剤の製品もあります。植物だからいいのか?合成界面活性剤だから良くないのか?議論は分かれるところではないでしょうか。
さらに植物のやさしいイメージからなのか、「ケミカルものよりも効かない」という声を耳にします。
多様な植物のパワーはなんといっても、香りや感触が豊かなこと。そして使った感じが違う気がするのは私だけでしょうか?抗酸化力も、もともと備わっている力ですから、ダメージにも強い。乾燥したら死んでしまうのですから、本来、保湿力にも長けている。多様な植物の力は上手に活用すれば、私達に素晴らしいサポートをしてくれるのではないかと思っています。
一方、ケミカルと呼ばれる製品達も、使って心地よく肌がアガルと感じる人たちもいます。使い心地がなめらかでいい、ふっくらする、しっとりとした、と、感じ方はさまざま。
それがポリマー、シリコン、合成界面活性剤があるからだ・・・肌表面の自然に持ち合わせているバリアをわざわざ壊してまで、肌に合成物をなじませる必要はないのでは・・・と言う人達も。
ケミカル製品だからよくないもの、という意識はどうなのでしょうか。オーガニックコスメといっているものでも、化粧品をつくる上では、必要最低限のケミカル系の成分をいれたりします。
(もちろん、全てが該当するわけではありませんが。)
だんだん、内容がスパイラルになってきてしまいましたね・・・
完全無農薬及びバイオダイナミック農法をのみを採用し、からだや環境に有害なものを一切加えないという先駆者的存在「ヴェレダ」。日本でもお馴染みとなった「ジュリーク」は、化粧品をスキンフードと称しています。化粧品は肌の食べ物で、肌を健康的に育てると。デビュー以来、大人気の「インフィオレ」は、リビングフード、です。生きた食べ物ですね。精製水じゃなくて、湧き出たミネラル天然水を使用しているアンネマリーボーリンド(ハリウッド女優のニコール=キッドマンやモデルの平子理沙さんも愛用者らしい)も日本に本格上陸しました。ドクタープラントというブランドは、皮膚科医が開発した有名なドクターズコスメですが、マドンナがご愛用で有名です。
余談かもしれませんが、アメリカでは、オーガニック製品の輸送に使う車やガソリンの種類まで、徹底的にチェックする人さえいるのだとか。せっかくのオーガニック製品をディーゼル車で運搬したらNGって事。自分に、世界に、地球にもはや優しくない、という判断なんだとか・・・。
何を選ぶにしても、「自分の生活が豊かになる」ことを指標に選んでみてはどうでしょうか。毎日使うものは、楽しく使うことが必須では? でなければ続かないのですから。
オーガニック&ナチュラルコスメを選んでいる人たちは、ごく普通の人たちだと思います。基準はさまざまでも、ココロと気持ちもコスメには重要なパート。選択肢のひとつとして、自分が楽しく続けられて結果が満足に近いものがどのタイプのものなのか、を、他人に振り回されることなく頭を使って考えてみることが大事なのではないかと。
少しずつ、マイコスメを見直していく日々、素敵だと思いますよ。 |