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ASAYAMA 〜朝霧の中、人々の掛け声と共に練り動く”でか山の影”。揺らめく垂れ幕をイメージ。 |
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HANABI 〜夏の夜を彩る、人の心を癒す光の交差に日本を感じるという。 |
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壁画 〜ダイオード光を使ったパノラマは、随時色が変化し見るものを飽きさせない。 |
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それにしてもお客様の入りが絶えない。「パティスリーブティック」には完璧なまでに並べられたスイーツが。美術館限定品のミュゼをはじめ、能登地方の素材を織り交ぜて和風に仕立て上げたものなどを含み多くの種類が並ぶのだが、我々がいる2時間足らずのうちにみるみるスイーツは消えていき、あっという間に残る1個となった。4月のオープン当初から辻口アートスイーツを求めて、この地域でもはや名物となった長い行列ができ、近隣から遠方までそれは多くの人々が駆けつけていると言う。しかも用意されていたスイーツは残らず完売。奥にはもちろんくつろぎながら極上のスイーツが味わえる「カフェ」スペースも併設しており、ガラスいっぱいに空と海がひろがる絶好の風景も一緒に楽しめるとあって人気は上々だ。辻口氏はいう。 |
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「僕が生まれ育った場所を見て感じて欲しい。ここで育まれたものが僕の根本になっているし、すべてだから。」
目の前にひろがる日本海に、辻口少年は何を夢見たことだろう。
「日本を知らずして世界を知らず。当然、海外に行けば日本の事を聞かれます。その時にきちんと伝えられなければ話にならない。実際に海外に行っていろいろな角度から日本を見れましたしね。」 |
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辻口氏 |
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地元に帰ると友人達が寝かせてくれないと嘆くが、その顔はゆるみ、実はうれしそうである。
「ル ミュゼ ドゥ アッシュに展示しているアートは、僕の中にある七尾の海や空気、光・・・そういったものを壊れやすくて繊細な<砂糖>を素材にして表現する事で、次世代に何かをきちんと伝えたかった。」言うのは簡単だけれど、それをきちんと形にするのが辻口氏の人並みはずれたパワーというかエネルギーなのだ。「大胆さと繊細さの両面を持ち合わせていなければ、伝統も続かない。大きければいいってもんじゃあないし、手が込んでいるから、だけでは・・・ね。バランスが大事。それに日本の人達はそれがわかるレベルの高さがあるんです。」例えば和菓子の世界。季節を盛り込み、旬を愛で、巧みの技で代々継がれていく秘伝の数々。それを目で楽しみ、舌で味わう人々がいる。そこには文化がある。だからこそ和菓子ではないスイーツでもアートが成り立つ、そもそもスイーツはアートなのだ、というのも納得できる。 |
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