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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
寺山いくこ 美容プロデューサー mon age編集長
アンチエイジングにつながるいろいろなコト
カルチャー
「異文化の中だからこそ発見できた  日本人らしさ。その先にあるものは?」
「異文化の中だからこそ発見できた  日本人らしさ。その先にあるものは?」
一言で植物といっても、さまざま。植物療法も然り。世界中で薬草、ハーブ、漢方への関心が高まっているのは事実。アンチエイジング的な観点からも、昨今のセルフメディケーション → 自分の健康は自分で守る、という考えが重なってますます注目度が高まる"植物"の威力に惹かれ、また愛してやまない人がいる。今回はそんな女性からのメッセージを。
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人が持たない不思議な力を持つ植物

植物療法の歴史は長い。だがその効果はまだ科学的に証明されていないものも多くある。長年に渡りさまざまな地域で、いろいろな形で受け継がれてきた療法に、人間の持つ自然治癒力を助ける働きを再発見し、1日・1年・10年・・・とライフスタイルの中で養生、休養に目を向け、肉体的にも精神的にもエネルギーのバランスを保つように心がけるという方向が広がりつつある。

「例えば香りを持つ植物は、ある意味で人間以上の知性を持っていると思います。さまざまな環境条件の中で外敵と戦いながら生きていますし、自ら薬をつくり保護したり、生きる為の知恵をたっぷり持っている。大地に根をはるので動けず、しかも言葉を当然持ちません。ただただ動物や人間にひきぬかれ利用され食べられる。そんな植物の花や木、実、根、葉にはさまざまな成分が含まれており、いろいろな香りを放ちます。人間はアロマテラピーと言う名のもとに、これら植物の知恵を借りているに過ぎない、そう感じてしまうのは私だけでしょうか。」

森田敦子さん
  2 森田敦子さん  
 

偉大なる植物にいち早く注目、植物療法(フィトテラピー)の薬理効果を科学的に実証するべく研究を進め、最先端のバイオ研究機関とも連携しながら植物成分の学術的研究をして、エビデンス(科学的論証)を確立することで植物療法(フィトテラピー)のさらなる普及に取り組んでいる人がいる。
サンルイ・インターナッショナルの代表取締役、森田敦子さんだ。

「次に海水に目を向けてみます。人体の主要ミネラルの構成比は実は海水中のミネラルの構成比に近いことが証明されています。"生命の水"と言われる所以です。海藻、海泥には有機物が多く含まれているので、身体・顔などのパックや湿布として世界中で使われていますね。いわゆるタラソテラピーの効果はミネラルの補給による免疫力の回復にあり、美容と健康の源となっています。フランスでは1〜2週間の滞在型体力回復コースが多くあります。また代替医療としてドクターの診断を受け、リハビリテーションに励む方々も多くいらっしゃるのが特徴です。つまり海水は多くのビタミン・ミネラル・酵素が含まれている解電質溶液で、海水中のミネラルがイオン化されていることが大きな意味を持つのです。」

海水が解電質溶液・・・そんな目で海水を分析するのは、ある意味、新鮮である。単に植物だけと向き合っているわけでも無さそうである。

「漢方はどうでしょう。ご存知と思いますが、"気・血・水"のバランスで診断していくわけですが、触診や舌診、もちろん顔色や吹き出物の位置などでもわかることがありますし、いかにも東洋的ですが身体の陰陽のバランスを整えてエネルギーの流れを活性化させることが重要になります。経絡という気血の流れる路が、重要ポイントになります。」

 
森田さんと語らうひととき
2 森田さんと語らうひととき  

少しおさらいをすると(モンナージュBeauty/Vol.13)、東洋医学では健康を維持する為のエネルギーを"気"と呼び、全身をくまなくめぐっていて体の様々な機能をつかさどる「五臓六腑」にまで及んでいる。これが流れるルートが経絡(けいらく)で、経絡上でエネルギー反応の出やすい場所がツボ(経穴)。滞ったところを刺激して気の流れをスムーズにするのが東洋医学の基本で、押す(指圧)・鍼で刺激する(鍼治療)・もぐさを使う(お灸)が代表的な治療。

「これ、見てください。中国では経穴(ツボ)に穴があくほど自分自身の体で体験してきました。他にもいろいろと体験し学びましたが、宗教以外は何でもやったのではないかと思います。」

おそるおそる見た親指の付け根には、はっきりと痕が残っているほど。
一体、森田さんはどれだけの経験を積まれてきたのであろうか。

「長かったような、短かったような、私の人生の一部が何かの参考になるでしょうか・・・」と言いながら少し間をおいて、彼女はポツリポツリと話し始めた。

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異文化の中で暮らし学ぶ、ということ

「中国に行った時のこと。手の動きが鈍くなっていて筋肉が動きづらい状態にあったときに鍼灸の治療を施してもらったのです。たまたま中国語が話せたので、症状を話し・・・ところが、鍼はまさしく脳天をつんざくような痛さ、そしてお灸は肌が燃えているのではないかと思うほどの熱さで、とっても大陸的な治療だったのですが、終わった後には、爽快感さえ漂うほどのスッキリ感で、手も自由に動かせるようになっていました。これはすごい!何でだろうと思いました。先生曰く、悪いから痛いのであって、治れば痛くはない。ごもっともな話なのですが、東洋医学とか経絡に夢中になってしまいますよね。」

中国は現在、西洋医学ブーム真っ盛りではあるが、さすが4000年の歴史が物語る逸話である。

「いわゆる植物療法を学ぶ為、パリに暮らしながら学ぶ4年間がありました。今、思い出しても、いろいろな気持ちが沸き起こりますが、私の会社の名前にもあるようにパリはサンルイ島での異国での経験が、今の礎になっている事は間違いありません。植物生物学フィトテラピー(植物療法)を学びましたが、まずはカルチャーショックからスタートし、それを乗り越え、多くの人に支えられてここまで来ているという感じです。」

パリ。私も経験があるが今だに階級意識が根付く国である。フランス人ではない、というだけで、ましてやフランス語を話さないならなおさら、人間扱いはしない。男性名詞や女性名詞の単語一つ間違えただけでも、深い陰湿なため息が漏れる・・・。それが良い悪いではなく、これからも続くであろう図だ。もっとも若い世代は英語が話せないのは大問題だとばかり、必死になって勉強しているという、どこかの国にもありそうな話も聞くけれど。

「階級とそれが文化の一環である社会の中で、差別と励ましの繰り返し。苦労の甲斐あって、人間関係は何とか楽しく交流できるまでに至りました(笑)。今でもおつきあいがありますよ。しかしながら階級の中で生きる事、日本人としてパリに暮らす事、対日本人とどう向き合うか・・・など、勉強以外で学んだ事のほうがはるかに人生を考えさせられました。」

 
本社の製品が並ぶ棚1。サンルイ島の雰囲気が
2 本社の製品が並ぶ棚1。サンルイ島の雰囲気が  
製品が並ぶ棚2
2 製品が並ぶ棚2  

異国の地で、見えないものが見えてくることは往々にしてあるものだ。ましてやパリ、サンルイ島である。歴史と文化を兼ね備えた街に住むからには、それなりの覚悟も必要だったろうし、考えさせられた部分も大きかったに違いない。

森田さんは実は元スチュワーデスである。何故、植物療法を学ぼうと思ったのか。しかもパリで。

「ひどいアトピーだったんですね、私。そして妹も。ひどい時は帽子を深くかぶり、人と目を合わせられない状態でした。挨拶や返事なんかもそれはもう自信なさげに。肌という外側だけではなく"ココロ"という内側もかなりダメージを抱えていたんでしょうね、今、思うと。こんな状態で接客業はしてはいけないのでは、って思ってしまいまして。だって、いくら笑顔で頑張っても、こんな肌状態じゃあ、お客様はおそらく戸惑われるのでは・・・と。西洋医学で治療したわけなんですけれども、その良さも承知の上で、まだきっと道があると思ったのです。そこに植物がいてくれました。そして植物療法を学ぶならばヨーロッパ、パリだと。」

民間療法でハーブやアロマに身近に接してきた西洋の歴史は長い。しかし単なる民間療法ではなくてドクターの管理下のもとで行われていたりするので、日本のようにイメージ優先で科学的根拠が乏しい状況とはかなり異なる現実がある。何しろ日本では薬品や化粧品ではなく"雑貨"扱いであるから、商品のクオリティに関して○○省のお仕事は始まったばかりだし、ドクター達への意識づけという意味でもまさにこれからといったところ。

「ラテンの血って、すごいですよね。つくづく私は日本人だなぁ〜って思うことがたくさんありました。根本に流れる繊細さ、気の使いよう、時々出てしまう島国根性(笑)。そして生まれ育った場所が都会ではなかったので、小さい頃から本当に自然の中に身をおいて育ちました。食べ物においてもそう。植物が身近にあったため、必然的に植物の力をその頃からもらっていたのかもしれません。」

帰国後、有限会社サンルイ・インターナショナルを設立し、アロマテラピー及びフィトテラピーによる研究・開発、企画、講演、プロデュース活動などをおこなう傍ら、植物におけるバイオテクノロジーの研究企画を続け、ついには2003年日本バイオベンチャー大賞 近畿バイオインダストリー振興会議賞を受賞。バイオの世界では植物は注目に値しないとされてきた中での受賞。女性はただ一人。

「植物におけるバイオテクノロジーといっても、だれも見向きもしない世界にあって、これは画期的な事件?!ともいえる出来事でした。でも自分には確信がありました。いずれこんな時代が来るだろうという予感が。だから続けて来れたのです。やっと10年なのか、あっという間の10年なのかはまだ未知数ですが。」

その後、事業はさまざまな人との巡り合わせで、時には予想通りに、時には思わぬ展開に。

「とある授賞式に伺った際に、たまたま森ビルの社長様がいらっしゃって、その出会いがきっかけとなって表参道ヒルズにお店を構える事になったりして。本当に人の出会いや巡り合わせって面白いですよね。これも縁なのでしょうけれど。」

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ココロのケア不足といわれる日本

 私も人の巡り合いは縁だと思うことが多い。もっと言うなら、巡り合う体質だということだ。そして世の中に敏感でいること。常にアンテナを張っていても、なかなかビビッとくるものは少ない。けれども、少し考えてみる。例えば、最近の女性の選択肢はどうだろう。選択の多様化・複雑化で急激な環境や状況の変化がある。男性社会に飛び込むその苦労は並大抵ではないだろう。昔に比べ、女性らしさを捨ててまで、という風潮はさすがに薄いが、まだまだ女性が担う役割分担は欧米諸国と比較すると、政治や行政、そして男性の意識が現状に追いついていない状況だと思う。何も片意地張るというのではない。男並みという事でもない。もっとも働くならば、男性以上に働いて、やっと人並み位に見られるのが現状だが・・・。男性女性それぞれの役割があって当然。しかし、"女性"という生き物として視点を向けてみた時に、これらの急激な環境の変化に、本能的にバリアを張ってしまいたくなるような現状がある。それが体調不良となり、食生活の変化が体内の変化を助長し、益々「未病のうちに」ケアすることが大切になる時代なのだと思う。仕事で疲れた体をマッサージでほぐし、エステティックで癒され、整体やカイロで矯正してまで、なおもまっしぐらに働こうとする、我慢を強いられる環境は、本来、体に良いわけがない。そこに目覚めている企業は出てきている。森田さんの会社も然り。

「予防が文化になってほしいのです。その手助けが少しでもできれば。」

私もそうだった。連日連夜、朝まで働いて、体を壊してから初めて健康の有難さを感じる。周りの温かさが身にしみる。自分の体調が崩れてから立ち止まる30代・40代は実は多いのではないだろうか。勝ち組とか負け組とか言われるけれど、それは位置確認をしたいだけであって安心と不安は紙一重という心理がそうさせるような気がしてならない。負け組にもいろいろあるが、結婚せず、家族も持たず、という女性がこれだけ多くなった時代は今までにないだろう。自分のポジショニングに呼び名をつけると安堵感がでる。立ち位置がないと不安なのだ。おまけに外見も大事な時代。そして働く女性は何より元気でなければならない。あぁ、大変な時代なのである。

「体調不全を(未病のうちに)抱えながら、徐々に蓄積しながら、ではなく
 健全で爽快な体とココロで進むことが重要だと思います。」

その通り。そのための一つの手段として、昔ながらの植物の効用を味方につける。西洋に行くとハーブとかアロマだろうし、東洋に来れば漢方、では日本では?古来の薬草もあるが、森田さん考案の
"羅・漢・和(La-quan-wa)" である。

「日本人に一番しっくりくる、いわゆる"いいとこどり"的な考え方ですが、それぞれの専門から学んだからこそできた、素晴らしい融合だと思います。植物の力を借りて、心身の老化と上手に向き合い特にココロの部分は他人任せにせず、自分でコントロールしていくことが大事です。」

 
さてどんな製品があるのかな・・・
2 さてどんな製品があるのかな・・・  
モンナージュも提案し続けている。あっちを立てればこっちが立たず、ではなく、良いものと良いものが合わされば、それは相乗効果でさらに良くなるはずである。融合とジャパナライゼーション(日本人に適したものに調整する機能や考え)があれば、きっと素晴らしいモノやコトが生まれるに違いない。何しろ日本人は器用で繊細なのだから。

「単なるマッサージとか、植物って確かに穏やかそうだけど、本当に効き目があるのかしら?と思っている人は要注意です。マイナスのココロでは効果も半減します。日本はあらゆる意味でココロのケアが本当に遅れています。だから、といっては何ですが、"手"の触れ合いよるリラクゼーション効果もトリートメントによる大きな効果のひとつだと思います。幼い頃、身体の痛い部分を擦ってくれた母親の手がいちばんの薬であったように、"手"に勝るトリートメントはありません。
表参道ヒルズにあるle bois (ルボア)は、気・血・水のバランスを重視する中医学の考えに基づき、日本古来の薬草と、西洋で発展ししたハーブを融合させた、オリジナルの"和漢薬トリートメント"を体感できます。経皮吸収という手段を用いて、人体のいちばん大きな器官である皮膚に直接アプローチ。皮膚から吸収されたエッセンシャルオイルの薬理成分は、皮下組織のリンパ液や血液に流れ込み美肌、痩身、便秘解消など、さまざまな体調不良を改善へと導きます。」

手当て、とはよく言ったものである。女性はホルモンに司られているからこそ、信じることも重要、頼る事も大事。肌に触れられ、ココロを開き、堰を切ったように話し出す人もいるという。わかる気がする。

植物の声に耳を傾けてみてはどうだろうか。五感を研ぎ澄ませば、必要なものが見え聞こえて来るはずである。自分の五感で、溢れる情報の中から本物を見極めて選択する。これは直感も相まって、結構女性の得意分野だと思うので、私も含め、頑張ってみたい(あっ頑張っちゃいけない)しなやかに会得してみたいと思っている、今日この頃なのであります。

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森田さんと サンルイ・インターナッショナル
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写真:森田さんと
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