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モンナージュ編集部
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手作り盆栽を愛でる楽しさ
インテリア雑誌を見ていると、必ずといっていいほどあしらわれている観葉植物。インテリアにマッチしやすい顔つきの花や緑だったり、オシャレな器に入っていたり、かわいらしい植物の姿に魅了されている人も多いのではないでしょうか。何を隠そうモンナージュスタッフもそのひとり。植物が自分のスペースにあるだけで、ホッとできますし、そのスペースに自分らしさが芽生えるように感じたりしています。
先日、何かの拍子に「手作り盆栽教室」の情報を見つけました。しかも可愛らしい小さな盆栽の写真付きで。心にビビビときて、早速行ってきました。今回は記事を読むよりも、実際に行ってもらいたい「盆栽教室」のレポートです。
手作り盆栽を愛でる楽しさ
 
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「景色盆栽」って?

今回教室に参加した「品品(しなじな)」さんの盆栽は『景色盆栽』という独自のスタイル。例えば、林の中を通る涼しげな小道、思わず根本に腰掛けたくなる丘の上の木立など、鉢の中にいろんな風景に見立てて、小さいサイズながらも大きな風景が込められた盆栽です。使われてる鉢はシンプルなデザインや、今までの盆栽では見たことがないような可愛らしいもの(ヒナドリや動物のデザインも!)が多く、植物もヒョロリと背の高いものから、幹がどっしりとしたものまで様々。土の上に苔をあしらっているものも多く、デザイン性の高さに目を奪われます。品品さんのお店に並んでいた景色盆栽を写真に撮ってきましたが、肩肘貼らない気軽さと、自分の部屋にもマッチしてくれそうな親近感があると思いませんか?


手作り盆栽を愛でる楽しさ

この『景色盆栽』というスタイルを作ったのは、品品の代表取締役、小林健二さん。植物に興味を持ったのは小さいときだったそうですが、盆栽に目覚めたのは23歳の時だとか。なんとアメリカで盆栽を習ってきたそう。「いいタイミングでアメリカで学べるチャンスがあり、それを活かしました。海外では日本の豊かな文化を学び始めています。そういった場所で盆栽を学んだことは、とてもプラスでした」と小林さん。客観視された日本の文化を取り入れながら新しい世界を作り出した賢者です。
日本での盆栽は徒弟制で、何十年も親方の背中を見て技術を盗むといった方法が多く、門外不出の技術も多数。しかも男の趣味といった意識が強い中で守られてきている文化です。厳しい表情の盆栽が多いのもそのためかもしれません。
しかし小林さんの作る盆栽には「年齢や性別に関係なく、植物のもつ美しさ、やさしさ、あたたかい気持で楽しむことを大事にしたいのです」という、小林さんのメッセージがそのまま体現されいます。
「最近はじわじわと盆栽の人気が続いています。その理由のひとつに、植物の育て方を教える人が増えてきたことがあげられます。門外不出の技術を持つ盆栽の文化も大切ですが、もっと親しみのある盆栽もあっていいですよね」。

手作り盆栽を愛でる楽しさ手作り盆栽を愛でる楽しさ
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「心の豊かさ」を盆栽からもらう

「盆栽とは、植物をコントロールするテクニックでもあります。ワガママな性格の盆栽にもできますし、友達として一緒に生きていく盆栽も、ペットとして付き合える盆栽にもできます。人は日々動きのないものには目が向きにくいです。しかし盆栽には動きがあり、実に表情豊かで、季節ごとにいろんな表情を見せてくれます」と小林さん。例えば春先は季節の到来とともに植物も目覚めて、夏は活発に成長してく、秋に一休みするかのようにスピードを落として、冬は眠ってしまう...こんな表情があるらしい。こういった観察をすることは、必然的に植物を見たり触れたりする機会が多くなるということを意味し、手を掛けたぶん植物が応えてくれるのか、植物を愛するときちんと自分の心に帰ってくるそうです。実際に植物の話をされる小林さんの表情は豊かで、植物への愛がずんずん伝わってきます。「お店にいる子たちは全部頭に入っています。僕が外出している間に売れてしまうと、あの子はどこいった?と気になって、どんな方が買われていったのか気になりますね」と...。なんだかとてもハートフル。植物たちを「この子」と表現する様なんて、愛情たっぷりです。でも元々は理系な小林さんなので、植物を語るときは理路整然としてわかりやすい。この小林さんのバランス感覚が、私たちに親しみやすい盆栽を提供してくれているんだなぁ、とお話を伺いながら感じました。

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さぁ、景色盆栽を作るぞ!

さて、ウンチクはこれぐらいに。レポートに行きます。今回参加した盆栽教室(初級クラス)では、自分で盆栽をレイアウトして、持ち帰ることができます。必要な材料や道具は全て品品さんにあり、作り方も、育て方も丁寧に教えてもらえました。

元気な盆栽は、まずは土づくりからスタート。3種類の土を混ぜます。 )混ぜて、ほぐして...。手を加えるほどに土の感触に変化が。ふわふわとした土が完成。 これぐらいの大きさの鉢を使いました。かわいらしい...。
元気な盆栽は、まずは土づくりからスタート。3種類の土を混ぜます。
 
混ぜて、ほぐして...。手を加えるほどに土の感触に変化が。ふわふわとした土が完成。
 
これぐらいの大きさの鉢を使いました。かわいらしい...。
 
鉢の穴にネットを敷いて、少し土を入れてみたところ。 今回は「イワシデ」という植物を使って作ります。根を切らないように束をほぐして、好みのものを選んでいます。 背丈の異なる2本のイワシデを選んで、どう植えるか検討中。ちょっと斜めにしてみようかな。
鉢の穴にネットを敷いて、少し土を入れてみたところ。
 
今回は「イワシデ」という植物を使って作ります。根を切らないように束をほぐして、好みのものを選んでいます。
 
背丈の異なる2本のイワシデを選んで、どう植えるか検討中。ちょっと斜めにしてみようかな。
 
木を押さえながら、さきほど作った土を注いで... 棒を使ってしっかり土を詰めていきます。思ったよりもギュウギュウと詰めるのに、少し驚く。 小林さんに角度などを調整してもらって...
木を押さえながら、さきほど作った土を注いで...
 
棒を使ってしっかり土を詰めていきます。思ったよりもギュウギュウと詰めるのに、少し驚く。
 
小林さんに角度などを調整してもらって...
 
気に入った角度でイワシデが植えられました。土がしっかり入っています。これからグッと可愛らしくなります。 土の上に苔をレイアウトします。苔ってこんなシート状。毛並み等を見て好きな部分を使います。 シート状の苔に切り込みを入れて、その間に木を挟んで成形。苔は手でほぐせます。
気に入った角度でイワシデが植えられました。土がしっかり入っています。これからグッと可愛らしくなります。
 
土の上に苔をレイアウトします。苔ってこんなシート状。毛並み等を見て好きな部分を使います。
 
シート状の苔に切り込みを入れて、その間に木を挟んで成形。苔は手でほぐせます。
 
そして成形。私の場合は土の上全部を覆うのではなく、ポコッと小高い丘のようにしたい。 小林さんが手直し。少し整えただけなのに、苔が形良く整い引き締まった印象に。 ジャーン!!完成〜!!
そして成形。私の場合は土の上全部を覆うのではなく、ポコッと小高い丘のようにしたい。
 
小林さんが手直し。少し整えただけなのに、苔が形良く整い引き締まった印象に。
 
ジャーン!!完成〜!!
 
作った盆栽はこれぐらいの大きさ。急に愛着がわいてきて、ついつい笑顔になってしまう...。 「例えば、こんなふうお茶するときに飾ってみても楽しいですよ」と小林さんの提案。手軽でオシャレ! 自宅に持ち帰ってきた景色盆栽。家族がひとり増えた気分です(大丈夫か、私!?)。
作った盆栽はこれぐらいの大きさ。急に愛着がわいてきて、ついつい笑顔になってしまう...。
 
「例えば、こんなふうお茶するときに飾ってみても楽しいですよ」と小林さんの提案。手軽でオシャレ!
 
自宅に持ち帰ってきた景色盆栽。家族がひとり増えた気分です(大丈夫か、私!?)。
 
小高い丘に2本の木...というストーリーにしたつもり。苔がデコボコしているのは私の技術のなさ。それでもいいんです。    
小高い丘に2本の木...というストーリーにしたつもり。苔がデコボコしているのは私の技術のなさ。それでもいいんです。
       
 

とにかく楽しかったです。土をこねたり、植物を選んだり、ふわふわの苔にさわったり。日頃味わえない感触や刺激がここにはたくさんあって、どんなふうに植えてみようかと考える作業も、たとえそれが思い通りにならなくても、ひょんなことから新たな発想が出てくるのも楽しい。相手が生き物だけに、触れ合う感覚にあたたかさもありました。そして何より、気持がリフレッシュ、新鮮、柔軟になった気分に。また単に盆栽を作ったたけでなく、家に持って帰ってからは「愛着」という続きが待っていました。こういう幸せって、いい!

 取材にご協力頂きました
山中亜希さんと 品品(shinajina)
有限会社 品品
〒158-0083東京都世田谷区奥沢2-35-13
tel.03-3725-0303   fax.03-3725-0360
営業時間 10:00〜19:00、水曜定休
景色盆栽の品品ホームページ>>
http://www.sinajina.com/
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