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メッセンジャー
執筆者:モンナージュ編集部
アンチエイジングにつながるいろいろなコト
カルチャー
ハーブティーを美味しく煎れよう

 仕事でも、家事でも、子育てでも、一日をアクティブに活動していく中、どこかでホッとリラックスできる時間が必要なことは、もうみなさん体で知っているはず。そんなときハーブティーは手軽に活用しやすいアイテムなのですが、「自分で煎れるといまいち美味しくない〜」とか「ハーブの効果が感じられな〜い」とか、まぁ、いろいろな声もあるわけです。モンナージュスタッフもバッチリそうでした。これって煎れ方の問題かも...ということで、ハーブのプロにハーブティーの美味しい煎れ方を聞きたくて取材に行ってきました。

ハーブティーを美味しく煎れよう
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まずは基本から

 ずらりと並んだハーブに説明書き、さながらファーマシーのよう。お伺いしたのは、麻布十番にある『ハーブマイスターセンター』。ここには無農薬(無化学薬品・無除除草剤・無化学肥料)&自然乾燥&手作りのハーブティーが置かれています。やわらかな印象の店内だけど、どこか強いポリシーを感じる。実はモンナージュ編集長寺山が通りすがりにこのお店を発見して「ハーブのことはあのお店に聞いてみよう!」ということで伺った次第。

ハーブティーを美味しく煎れよう
 
ハーブマイスターの資格を持つ店長の大島永子さんにズバリ、おいしいハーブティーの煎れ方を聞いてみた。「不器用でもできる方法で教えてください」と...。
ハーブティーの煎れ方自体は決して難しくはないそうだ。ただポイントを抑えているのと、抑えていないのでは、香りの立ち方や風味が圧倒的に変わってしまうらしい。「ハーブティーで大切なのは香り。香りにはいろんな効果のある精油成分が含まれているんです」と大島さん。色じゃなくて香りなのか...。以降、「香り」をキーワードに読み進めていって欲しい。

 

まずは基本から。ハーブティーの入れ方です。

(1)カップは温めておいたほうが香りが芳醇になる。手間でなければ湯通しを。
(2)料理用のスプーン大さじ1杯分量のハーブティーを投入。
(3)お湯は98度を目安に。ブクブクして止まったぐらいが98度。電気ポットの温度指定も便利。
(4)お湯を注いだら香りが飛ばないようにフタをする。
(5)3分蒸らす。
(6)3分経ったら茶葉を取り出す。最後の一滴であるラストドリップもしっかり入れる。
(7)フタについた水滴にも香りの成分が。こちらも入れて、さぁどうぞ!

ハーブティーを美味しく煎れよう
ハーブティーを美味しく煎れよう

箇条書きにしたら7項目ありましたが、読んでみたらそんなに難しくないでしょう?
これはティーポットで作ったときも、茶こし付きのティーカップで作ったときも同じ要領とのことです。
香りをしっかりと立たせるには、お湯の温度と蒸らすことが大切だそうだ。欲張って長い時間蒸らしていると、苦みや渋みが出てくるそうなので、きちんと3分で上げて、最後の一滴が落ちるまで待つ。
「3分という蒸らしの時間を待っている間に、色を見たり、葉っぱの状態を眺めたりして、今日はおいしく煎れられたとか、今日は失敗しちゃったとか、そんなところも楽しんでもらいたいです。何度か煎れているうちにおいしく煎れられるようになってきます。それもまた面白みのひとつ」と大島さん。

肩肘はらずに、基本を守って煎れればいいみたい。味だけでなく、香りもしっかり楽しもう。

もう少しポイントつかめば、上級者
もう少しポイントつかめば、上級者
もう少しポイントつかめば、上級者
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もう少しポイントつかめば、上級者

ハーブティーの入れ方の基本はわかった。その他のあれこれや、ハーブティーと上手につきあう方法も教えてもらいました。

  • フレッシュハーブを使う場合
    季節感を楽しむにはフレッシュハーブ(生のハーブ)がぴったり。プランターで育てたりしたハーブをハーブティーで楽しむのも楽しいものです(もちろんスーパーで買ってきたフレッシュハーブでもOK)。 成分が凝縮しているドライハーブと比べて、フレッシュハーブは水分が多いため、しっかり味を出すにはドライハーブの3倍ほどの量を用意。ヨーロッパのお母さんはポットにフレッシュハーブをぎゅうぎゅうに詰めて作っているそうだ。熱すぎるお湯を使うとフレッシュハーブは縮んでしまうので、80度ぐらいのお湯を使い、やや長めの5分程度蒸らして。それ以外は基本の入れ方と同様に。
  • どうやって飲むのがいいの?
    楽しむために飲むにらば、好きなときいつでもOK。ハーブには様々な効果効能があり、健康茶として飲むならば、量は180〜200ccぐらいを目安に。これが吸収適量。たくさん飲んでも問題ないが、それ以上は排出されてしまうのでちょっともったいないかも。だいたいの種類が、飲んで20分〜30分で効果がピークになるそうだ。ダイエット系のものならば、その時間に運動すると効果が高められる。約4〜5時間で汗や尿によって体外に排出されるので、その頃にまた次の1杯を飲めば、ハーブの効果が維持できるそうです。(次々に飲む必要はないです)
  • どんな水を使えばいいの?
    浄水器を通した水道水で十分とのこと。ボトリングされたものは水の中の酸素が減っているので香りが出にくい。(酸素が入ったほうがいいので、ペットボトルの水を使う場合は、ヤカンに注ぐときに高い位置から入れてみるのもいいかも)
    ミネラルウォーターはそれ自体に味があるためハーブとの相性が難しい。
  • 冷たいハーブティーはどうやって作る?
    入れるハーブの量を多めにし、基本の煎れ方で濃く抽出したら、氷を入れて一気に冷やす。これが一番おいしいとのことだったけれど、普通に煎れたハーブティーを冷ましてから冷蔵庫で冷やしてもいいそう。アイスにすると香りは飛んでしまうし、含まれているビタミンCも減ってしまうけれど、それ以外の成分はちゃんとあるので大丈夫。のどごし気持ちよく楽しめます。朝煎れたものを夜までに飲みきれば、ハーブの効果は得られるとか。思ったよりも長持ち。
いいハーブティーの選び方
いいハーブティーの選び方
  • いいハーブティーの選び方
    できればハーブに詳しい人がいるお店のほうが好ましい。ハーブの種類によっては妊婦さんに不向きだったり、血圧の高い人には合わないものもある。ドライハーブでも鮮度が大事なので、売れているお店のものはひとつの見極めポイント。賞味期限はしっかりチェック。手軽なティーバックの場合は、メッシュタイプのテトラ型がおすすめ。茶葉が動くのである程度抽出できることができる。紙製のティーバックは、紙の匂いが出てしまうためハーブ本来の香りがかなり阻害されてしまうらしい。
  • ハーブの保存
    1ヶ月程度で飲んでしまうのならば、それほど神経質になる必要はないが、ただ光に当てないように注意。ローズなど色のある花などは、色に有効成分が含まれているので、退色してしまうと、成分も風味も劣化してしまう。ドライハーブは密封してあれば冷蔵庫保管で1年持つ。その都度出して使うのが理想的。
  • 飲んだあとの利用方法
    飲み終わったあとの茶がらは、ガーゼなどに包んで湯船に入れると、香りは薄くなってしまっているが、成分は残っているので保湿してくれたりする。お湯はお洗濯に使える(紅茶と違うので染まりません。すすぎは水道水で)。さらにプランターの土にまぜれば肥料になる(注:プランターの上に置くとカビることがあるので、土にまぜて)。
ハーブティーを楽しむ
ハーブティーを楽しむ
ハーブティーを楽しむ
ハーブティーを楽しむ
 
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ハーブティーを楽しむ

 「香りは脳にダイレクトに届くもので、視覚や触覚よりも強いもの。なのでハーブの香りはぜひ大切にしていただきたいです。気分が安らいだりできますよ。ハーブティーって五感を使って楽しむことができます。手でお茶を作って、色を見て、味わって、香りを楽しむ。心に余裕があればお湯を沸かしたりする音も楽しめますよね。お湯を沸かして、ハーブティーを作って...で、10分ぐらいでしょうか。この時間を自分のために使い、作るこを楽しめば、豊かな気分になれるものです」
ハーブティーを作るには「待つ」工程が多い。セカセカ・イライラしないで、おいしくするためにゆっくり待ってみる。これって日頃スピードつけて過ごしている人にとって、いいシフトチェンジになるかもしれない。
「ハーブティーはカフェインレスなので、眠る前に飲んでも差し障りありませんし、アイスで飲んでクールダウンしても体は冷えません。例えば、寝る前のゆっくりできる時間を利用してハーブティーを味わうのもいいですよ。沈静し安らげますし、おいしいな、気持ちいい香りだなって楽しむ。体にいいということもあるけれど、一日の終わりに飲んでリセットしたり、気分転換して翌日の元気にも繋げられます」。

大島さんは、小さい頃から植物に関心があって、そんな仕事がしてみたいなぁと漠然と思っていたそうだ。でもその当時はハーブティーやアロマなど、植物を使ったものがあまりメジャーじゃなく出逢えなかった。ところがひょんなことから、アロマオイルを扱う会社を立ち上げた人と出逢い(当時としては新鋭的)、そこから一気に植物の世界に入ったそうだ。以前はエッセンシャルオイルを扱う会社にいたそうだが、その原料に興味を持ち始め、今のハーブにたどり着いたらしい。その過程でかなりコアな勉強もしていて、見た目の朗らかな印象からは想像しにくいエキスパートなのだ。

「ハーブティーは茶葉を作る工程で火を入れません。上手に乾燥させるだけです。栽培のときに農薬を使っていると、加熱処理していないために、お湯を注ぐと農薬が出てしまいます。体にいいはずのハーブティーが、体に悪いものになってしまう。これではマイナスです。なので、私は無化学薬品・無除除草剤・無化学肥料のものだけを扱っています」
え、そんなことまで意識してませんでした。値段だとか、好みのパッケージとか、そんな基準で選んでいました...。
「最近はオーガニックJAS認定されたものも増えていますし、海外の認定をクリアしたものも増えましたので、買うときに確認すれば大丈夫です。オーガニックなものはコストのかかるので、値段も少し高め。あまりに安いのはちょっと...。お店に聞いてみて、どんなものか不明なときは、避けてもらいたいですね」
何でも値段で選んではいけないという典型ですね。

「ハーブティーを飲み続けていると、体が自然とハーブを欲しがってきます。体も鋭敏になってくる。香りに鍛えられるのでしょうか、味覚や嗅覚なども磨かれてきて、日頃の食事にも変化が出てきたりします」と大島さん。

飲み物のひとつとして考えていたハーブティー。最初は上手に煎れてみたいなぁという気持ちでお話を伺っていたのですが、ハーブティーの奥深さに驚きました。それでも今回伺った内容はまだまだ初歩的。これをきっかけにハーブを楽しんでみてください。興味を持った方は、どんどん突き進んでー!

 information
ハーブマイスターの大島永子さんと。 ハーブマイスターセンター
東京都港区麻布十番2-8-17
TEL.03-5439-6063 FAX.03-5439-6065
http://www.herb-meister.jp/

ハーブマイスターの大島永子さんと。
 
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