「香りは脳にダイレクトに届くもので、視覚や触覚よりも強いもの。なのでハーブの香りはぜひ大切にしていただきたいです。気分が安らいだりできますよ。ハーブティーって五感を使って楽しむことができます。手でお茶を作って、色を見て、味わって、香りを楽しむ。心に余裕があればお湯を沸かしたりする音も楽しめますよね。お湯を沸かして、ハーブティーを作って...で、10分ぐらいでしょうか。この時間を自分のために使い、作るこを楽しめば、豊かな気分になれるものです」
ハーブティーを作るには「待つ」工程が多い。セカセカ・イライラしないで、おいしくするためにゆっくり待ってみる。これって日頃スピードつけて過ごしている人にとって、いいシフトチェンジになるかもしれない。
「ハーブティーはカフェインレスなので、眠る前に飲んでも差し障りありませんし、アイスで飲んでクールダウンしても体は冷えません。例えば、寝る前のゆっくりできる時間を利用してハーブティーを味わうのもいいですよ。沈静し安らげますし、おいしいな、気持ちいい香りだなって楽しむ。体にいいということもあるけれど、一日の終わりに飲んでリセットしたり、気分転換して翌日の元気にも繋げられます」。
大島さんは、小さい頃から植物に関心があって、そんな仕事がしてみたいなぁと漠然と思っていたそうだ。でもその当時はハーブティーやアロマなど、植物を使ったものがあまりメジャーじゃなく出逢えなかった。ところがひょんなことから、アロマオイルを扱う会社を立ち上げた人と出逢い(当時としては新鋭的)、そこから一気に植物の世界に入ったそうだ。以前はエッセンシャルオイルを扱う会社にいたそうだが、その原料に興味を持ち始め、今のハーブにたどり着いたらしい。その過程でかなりコアな勉強もしていて、見た目の朗らかな印象からは想像しにくいエキスパートなのだ。
「ハーブティーは茶葉を作る工程で火を入れません。上手に乾燥させるだけです。栽培のときに農薬を使っていると、加熱処理していないために、お湯を注ぐと農薬が出てしまいます。体にいいはずのハーブティーが、体に悪いものになってしまう。これではマイナスです。なので、私は無化学薬品・無除除草剤・無化学肥料のものだけを扱っています」
え、そんなことまで意識してませんでした。値段だとか、好みのパッケージとか、そんな基準で選んでいました...。
「最近はオーガニックJAS認定されたものも増えていますし、海外の認定をクリアしたものも増えましたので、買うときに確認すれば大丈夫です。オーガニックなものはコストのかかるので、値段も少し高め。あまりに安いのはちょっと...。お店に聞いてみて、どんなものか不明なときは、避けてもらいたいですね」
何でも値段で選んではいけないという典型ですね。
「ハーブティーを飲み続けていると、体が自然とハーブを欲しがってきます。体も鋭敏になってくる。香りに鍛えられるのでしょうか、味覚や嗅覚なども磨かれてきて、日頃の食事にも変化が出てきたりします」と大島さん。
飲み物のひとつとして考えていたハーブティー。最初は上手に煎れてみたいなぁという気持ちでお話を伺っていたのですが、ハーブティーの奥深さに驚きました。それでも今回伺った内容はまだまだ初歩的。これをきっかけにハーブを楽しんでみてください。興味を持った方は、どんどん突き進んでー! |