地上から見ていると、なんとなく夜空が平らな二次元に見えてしまうことってありませんか? 地面の上で日々仕事やいろんな問題と向き合っているうちに、宇宙を三次元で捉えるイマジネーションがなくなってきちゃったみたい。
「じゃあ、宇宙が三次元だという想像ができるように……」と、泉水さんが取り出したのは、ご存知「ニンテンドーDS」。泉水さんが開発に携わったソフト「星空ナビ」をセットすると……。
このソフトはDSを夜空に掲げて星を確認するためのもの。ですが、昼間室内にいる状態で使っても星の位置が分かって面白い! それにこのソフトでは、地面にDSを向けると日本からは見えない南半球の星も見えるんです。さらに、昼間は地球の反対側を運行している月まで見えるではありませんか! 地面の向こうにも無限の宇宙が広がっていることは、当然と言えば全く当然なのですが、日頃自分の「下」にある宇宙を想像したことがなかったので、かなり新鮮な驚きでした。いつのまにか、自分のいる場所主体の「天動説」主義者になっていた自分を発見して、ガクゼンとすることしきり。
金子みすずの詩に「昼のお星は目に見えぬ 見えぬけれどもあるんだよ」というくだりがありましたが、まさにそんな感じ。普段見えない星や昼間の月も、確かに存在することを実感しました。
今年は、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で天体観測をしてから400年目。「世界天文年」としてそれを祝し、世界各地でさまざまな天文イベントが行われています。今年は国内で46年振りに皆既日食が見られたこともあり、人々の関心が今まで以上に天文に向いている年なのかも。そんな今だからこそ、もっと気軽に天体観察にチャレンジしたいもの。
そういえば今年は、8月12日の夜から13日未明に出現した「ペルセウス座流星群」も注目を集めましたよね。
- 「ペルセウス座流星群」は、スイフト・タットル彗星の塵によるもの。スイフト・タットル彗星は、約130年周期で太陽の周りを回る間に、軌道に塵を撒いていきます。スイフト・タットル彗星と地球の軌道が重なった時に、流星群が見られるのです。ペルセウス座のあるあたりを放射点(中心点)として流星が飛んで来るため「ペルセウス座流星群」と呼ばれています。
……地球に彗星の塵が飛び込んで来るのだとばかり思っていたモンナージュスタッフ。流星群とは、彗星が以前に残していった塵の中を、地球が通過して起きる現象だったのですね……。またもや「天動説」的で自己中心的な発想だったみたい。
流星群はテレビなどでも報道される、大きな天文イベントの一つですが、泉水さんが今まで見た中で、一番印象的な流星群は何でしょう?
- 2001年の「しし座流星群」です。三重県の海岸で見ましたが、本当にすごかった。流星群とは、砂粒くらいの彗星の塵が地球の軌道と重なり、地球の大気圏に飛び込んで熱で大気が光る現象。火球のように大きく見えるものでも、実際はごくごく小さな数センチ程度の石です。
流星群は、1年に1回くらい見られるものでしょうか。
- もっと多いですよ。ある日に集中して流星が見えるだけで「流星群」と呼ばれるので、流星群の数自体は多いのですが、マスコミで取り上げられる大きくて明るいものは、限られてしまうということです。
8月のペルセウス座流星群を見逃した方に朗報! 嬉しいことに12月にも流星群が見られるとか。
- 12月14日ごろに見られる予定の「ふたご座流星群」は、比較的大きな流星群です。1分に1個流星が見られれば上出来という規模ですが、天文のイベントとしては大きいもの。ただ一般の方には見つけにくいかも?
流星群というと、流星が花火のように次々と出現するのを想像してしまいがちですが……一般人のイメージと実際の流星群との間には、ギャップがあるのかも。ただ、ゆったりとした気持ちで星が流れるのを待つのも楽しいはず。そんな心のゆとりが欲しいものです。 |