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スノードームの歴史 「世田谷ものづくり学校」は、2004年3月に統廃合となった世田谷区立池尻中学校の校舎を再利用して作られた、「クリエーターのワーキングスペース」にして「次世代の学び舎」。2004年10月のオープン以来、ブーケ作りやコップのデザイン、お菓子作り、クロスステッチなど、さまざまなクリエイティヴ系ワークショップ・イベントが開催されており、子供から大人まで誰でも参加することができます。 地下鉄田園都市線の三軒茶屋駅から歩くことしばし、世田谷区立池尻小学校の隣に「世田谷ものづくり学校」が見えてきます。なんだか文化祭に来たような気持ちで、校舎に入るモンナージュスタッフ一行。確かに校舎は中学校のものですが、おしゃれなインテリア工房やカフェがあり……レトロとファッショナブルが混じり合ったような、独特で居心地のいい空間になっています。 学校らしい廊下や教室にそこはかとない郷愁を覚えながら、モンナージュスタッフが向かった先は、109号室にある「スノードーム美術館」。文字通り、スノードームがところ狭しと飾られています。4,000個のスノードームを所有しているこの美術館、常時1,000個ほどを展示しているのだとか。国内のものや海外のもの、可愛いもの、シュールなもの……いずれも個性的で、ながめているだけでも楽しいものばかり。 このスノードーム、欧米ではスノーグローブ(Snow Globe)と呼ばれているのだとか。そもそも、19世紀前半にペーパーウエイトとして作られたのが、始まりだそうです。スノードームが広く知られるようになったのは、1889年のパリ万国博覧会。完成したばかりのエッフェル塔のミニチュアをスノードームに入れたところ、大ヒットしたとのこと。以来、お国柄を反映したお土産物として、可愛い飾り物として、クリスマスのプレゼントとして、世界中の人々にこよなく愛されています。 スノードーム作ってみました コツは、台紙に重ねる透明の中敷を上手に使うこと。台紙に直接貼ったものと、透明中敷に貼ったものとの間に、思ったよりも遠近感が生まれます。 各々の机の上には、材料と道具が。はさみや両面テープなどの道具は用意してくださいます これがスノードームキット。富士山イラストの台紙のところに、好きな写真やカードを入れます 底から見るとよく分かりますが、ドームの中央に1cmの溝があって、ここに写真やカードを表裏入れます ドームはカーブしているため、凸面鏡のようになって、中に入れた物が大きく見えます 写真やカードに透明な中敷きを重ねると、奥行きや立体感が。保護シールは直前にはがして リボンやシール、ビーズが置いてあるコーナー。自由に使って写真やカードに飾り付けします 富士山イラストの台紙を型紙にして、まず写真やカードに鉛筆で印を付け、ハサミで半円形に切ります 透明な中敷きにラインストーンでデコレーションを。クモの巣が手前に浮いて見えます 背景の台紙に透明な中敷きを重ねると……こんな感じで奥行きが出て、クモが浮き出て見える! 台紙の上に、パーツを配置してバランスを見ます。バランスが良さそうなら、糊や両面テープで固定 作業に没頭中のスタッフ酒巻&中澤。それぞれ、どんなふうに仕上がるのでしょうか……? スタンプを押しても楽しい! 水性インクは落ちるので、油性インクを使うのがコツ スノードームの回りをリボンでぐるりとデコレーションしても可愛いです リボンを結んだり、ラインストーンやシールを張ったりして、自分だけのスノードームに 3人ともキレイに完成! 2時間のワークショップでしたが、あっという間でした ● スタッフ林のスノードーム 裏:カードの余った部分も活かして、ラインストーンで飾り付け。モノトーンがシックで、シンプルながら個性的な仕上がりに 表:「可愛くてファンタスティック」というスノードームの既成概念を打ち破った(!)、スタッフ林の革命的な作品。ハードでメタリックな世界観、まるで現代美術のよう。これなら男性も欲しがるかも? ●スタッフ酒巻のスノードーム 裏:お花の絵に金のリボンをあしらって、また違う雰囲気に。ドーム外側のリボンも、表と裏で種類を変えるという細やかさ 表:迷うことなく制作に取りかかった、器用なスタッフ酒巻の作品。ラインストーンで描かれた繊細なクモの巣が光っています。透明な中敷きに貼ったクモが手前に浮き出ていて、立体感がありGOOD ●スタッフ中澤のスノードーム 裏:青い花「ネモフィラ」が広がる丘で撮った写真に、マーガレットや鳩のシールを貼り、蝶々のスタンプを押して春らしく 表:愛犬の写真を入れた、飼い主バカ丸出しのスタッフ中澤の作品。スノードームは中に入れたものが大きく見えるため、犬の顔がドアップに。大きく見える分を考慮し、小さめの写真を用意するといいみたい 当初から予想はしていましたが……やはり三者三様、方向性の違う個性的なスノードームが出来上がりました。スタッフのキャラクターの違いが、一目瞭然です。 手作りのスノードームには、小さなドームの中に自分の想いを込める楽しみがあります。家族やペット、好きなアイドルの写真を入れるもよし、小さな宝物を入れるもよし。 スノードームの中に入れようと思うものは、いつもながめていたい大切な人や物、作り手ならではの世界観のはず。もしかしたらスノードームを作ることは、自分にとって大切な人や物とは何か、自分の個性や価値観とは何かを、再発見することなのかもしれません。
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