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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
岸朝子 食生活ジャーナリスト
食からアプローチするアンチエイジング
フード
うきうきと、旅の季節が 始まりました

木枯らしに身を縮めることもないまま、もう春。今年の冬は本当に、おかしな冬でした。これも地球温暖化のひとつの表れなのでしょう。氷が張らずにわかさぎ釣りができなかった湖もあると聞きますし、日本海では毎年越前くらげが大発生するようになり、漁業に大打撃を与えています。新聞記事によれば、冬の気温が高くなると、みかんやりんごなど果物の栽培適地が変わったり、すけとうだらの漁獲量が減ってたらこが食べられなくなる心配もあるとか。地球の温暖化は他人事ではなく、私たちの食生活とも深く関わっているのですね。
などと考えていると、そうのんきではいられないのですが、春になると私は、いつにも増してそわそわうきうき。日本中のあちらへこちらへと出かけたくなります。

私の料理記者歴も今年で53年目を迎えますが、その間に、日本の47都道府県すべてを尋ね、その土地土地の味覚をいただいてきました。今は、どこにいても日本各地の「おいしいもの」を取り寄せられる便利な世の中で、私も重宝しているひとりですが、やはり、出かけていって地元で食べる味は格別です。また、出かけなければ出会えない、初めての味もまだまだたくさんあるはずと、食への興味はつきません。みなさんに「お若いですね」といっていただける若さと健康の源は、こんな好奇心にあるのかもしれません。

最近、「地産地消」ということがしきりに言われます。「その土地で生産されたものをその土地で消費する」という意味で、今のように流通が発達していなかった時代には、当たり前だったこと。生産者と消費者の距離が近いので、安心して旬の新鮮な食べ物が食べられ、食文化の継承や地域農業を応援することにもつながるなど、地産地消には多くのメリットがあげられます。
イタリアの小さな町、ブラで生まれてまたたく間に世界へ広まり、日本にも浸透してきた「スローフード」は、その土地ならではの食材や味を守り、小規模の生産者を守り、食文化を伝えようという運動。また、「身土不二」という言葉は、人が歩いて動ける三里から四里四方で育ったものを食べるのが体によいという仏教用語。これらの言葉どれにも共通して、土地と食と人とは深く関わりあっているという考え方があるように思います。旅先で人とふれあい、地の物をいただくとき、特にそれを実感するのです。

一昨年、スカイ・パーフェクTV!やケーブルテレビで放送された、旅チャンネルの「岸朝子のNippon食遺産」という番組に出演しました。日本全国の後世に伝えたい伝統的な食べ物や食文化を、ていねいに訪ね歩くというものですが、うれしいことに、この4月からまた放映が始まります。早速今月は、春の高知へ取材に。地方の豊かな食を楽しみながら、温暖化の食への影響もこの目で確かめてまいりましょう。


あさりの炊き込みごはん

昨年の晩秋、旧知の間柄の江上料理学院院長、江上栄子先生とご子息の種英さんとご一緒に、那智勝浦へ。生まぐろの水揚げ日本一の土地ならではの頭から尾まで無駄なく使い切るまぐろ料理を堪能しました。これは名物のさんま寿司をいただいた、取材の合い間のひとこま。

 

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