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メッセンジャー
岸朝子 食生活ジャーナリスト
食からアプローチするアンチエイジング
フード
故郷、沖縄の 「命薬(ぬちぐすい)」の心を伝えます

6月半ば、おばの「カジマヤー」の祝いで、今年3度目の沖縄に出かけました。カジマヤーというのは「かざぐるま」という意味で、人が97歳になると子どもに返ってかざぐるまを持って遊ぶという、沖縄の、生まれ年を祝う会でもいちばん盛大な集いです。
 東京生まれ、東京育ちの私ですが、両親は沖縄生まれ。年齢を重ねるにつれ、体の中を流れる沖縄の血を強く感じます。沖縄は私の故郷なのです。
 たいていのことは「なんくるないさー(なんとかなるさ)」と考える楽観主義(私の場合は“超”がつきますが)や、すぐに人と親しくなれる「イチャリバチョ−デー(一度会えば兄弟)」精神は、私の生き方の根っこにもなっているような気がしています。

「食」について考えてみても、私がいつも講演会などでみなさんにお話している「命は食にあり」「食は命」は、沖縄の「命薬(ぬちぐすい)」という言葉と重なります。食べることは薬を飲むのと同じ、食べ物が人の健康を守り、命を養うというような意味でしょう。
 その土地でとれる食材を使って料理し、古くからの食習慣を守るという点ではまた、最近盛んに言われている「地産地消」や中国の「身土不二」という考え方、イタリアの小さな村から始まり、いまや世界中で大きなうねりとなっている「スローフード」運動などとも相通ずるものがあります。
 沖縄の食習慣はというと、フーチバー(よもぎ)やニガナ、ハンダマ(水前寺菜)、ゴーヤーなどの緑黄色野菜をふんだんにとり、豚肉はゆでて脂をしっかり落としてからすみからすみまで余すところなく食べる、昔は縄で縛って持ち歩けたほど堅かったという島豆腐や四方の海で獲れる魚を常食し、だしをしっかりとって塩分は控えめ、などなど。沖縄の伝統食から現代に暮らす私たちが学べることは数知れません。私が日ごろからお勧めしている「健康長寿」のための食生活が、沖縄では昔から実践されていたのです。

ところが、長寿の沖縄といわれながらじつは、沖縄の男性の平均余命は、1995年度に全国47都道府県のうち4位だったのが、2000年度には26位にまで急落しています。なかでも35〜44歳の男性はワースト1の47位。この年代はちょうど、ハンバーグやステーキなど、脂肪が多く食物繊維の少ないアメリカナイズされた食事をするようになった世代で、車の普及による運動不足も重なり、がん、心疾患、脳血管障害という三大生活習慣病が増加したのです。皮肉なことに、沖縄の伝統食を敬遠することで、「命薬」を逆説的に証明してしまったといえるでしょう。

日本一の長寿村といわれる沖縄大宜味村では、90歳は序の口、100歳を超える方も珍しくありません。本土では立派な「おばあ」の私も、沖縄に行けば「サラワラビ」。まだまだ子どもといわれます。これからも、沖縄の「命薬」の心を受け継ぎ、自ら実践しながら、みなさんにもお伝えしていきたいと思います。


新河岸川沿いの桜

沖縄へ帰ると必ず立ち寄るのが公設市場。亜熱帯沖縄ならではの色とりどりの魚が並び、鮮やかな色彩と活気に満ちたこの市場から、毎回、元気をもらって帰途につきます。

 

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