確かに、おしゃれなショップがある調剤薬局なら、気軽に入ることができますよね。シーズガーデンのショップに置いてある健康茶や焼き菓子などや、カフェで出されるコース料理は、いずれも「食」にこだわったものばかりです。
晋川:医食同源という言葉もあるように、健康には「食」が大切です。今は飽食の時代で、好きなものを食の意味も考えずに食べている方が多いと思いますが、食は体を作り、同時に病気も作るもの。ベジタリアンとかマクロビオテックなどの食事療法がありますが、そういう偏った1つの考え方ではなく、幅広く食事についてお伝えしていきたいのです。1つの食材を食べることでいい栄養素も採れますが、そればかり採っていればいいという訳ではない……1日30品目と言われるように、食はバランスが大事なのです。一般の方々が気兼ねなく入り、家に持ち帰られて、毎日続けられるような食のバランスを提案したくて、このカフェを作りました。
どんなに健康にいい食材でも、栄養のバランスが偏ってしまったら意味がありません。でも意識していないと、ついついバランスが偏ってしまいがち。一般の人が、家で簡単にできる食の健康法って、あるのでしょうか
晋川:例えば、ごぼうのあくを取られる方が多いと思いますが、植物性のあくはポリフェノール。あくを捨てることは健康にいいものを捨てることになります。ごぼうは軽く泥を落とす程度にして、あくはそのままにされた方がいいですね。また、大根にしても、大根一本の中で陰陽のバランスが取れているのです。甘い上の部分だけすりおろして食べると、その部分の栄養しか取れず、偏ってしまいます。大根は辛いところは煮込んで、葉は漬物にして全部食べると、トータルで食のバランスが取れます。このように、家で実践できる簡単な健康法をお伝えしていきたいですね。
これなら簡単に日常生活に取り入れられます。簡単だと続けやすいし、食材も無駄にならなくて、一石二鳥。昔は食材を無駄にしないで工夫して食べていましたが、食材が切り売りされている今では、食材をまるごと食べる機会はなくなっているのかも。でも、こうやって日常の食生活から気を付けていれば、体が本来持っている自然治癒力も高まるのでしょうね。
晋川:今まで調剤薬局では、お薬で外から体のケアをしたり、症状を止めたりしていましたが、人間は風邪をひいて病院に行かなくても、1週間くらいすれば治りますよね? それは自然治癒力という、人間の中での免疫力なんです。免疫力、アンチエイジングでも良く知られる抗酸化力、そして解毒力。この3つを高めることで、人間は病気にならずに生きられます。外から栄養素を取ることも大事ですが、「人間が本来持っている自然治癒力も高めましょう」という目的での物販商品やカフェの食事の構成なのです。
今の10代、20代の若者は、便利だからとコンビニでマーガリンやショートニングが大量に含まれている商品を購入したり、カロリーを意識しすぎて食のバランスを考えていなかったり、体脂肪を悪いものだと決め込んでダイエットしたりしていますが……。
晋川:体脂肪がないと風邪をひきやすくなりますし、女性は特に体脂肪は大事。痩せたいという目先のことだけで自分の健康を害しているので、怖いですね。また、マーガリンやショートニングが悪いということをご存じない方も多いようです。日本は本当に、食育が遅れていると思います。今、健康食がブームなので、情報をきっちり伝えていけば、早く改革できると思うんですけどね。
では、チトセファーマシーでは、一般の人々に正しい情報を伝えて啓蒙するために、どのような方法をとっていらっしゃるのでしょうか?
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