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沢山のハーブを前に、伊藤さんと寺山 |
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ハーブ、と聞くと、皆さんは何を想像するでしょうか。ハーブティ?それともミント(チョコ)?実はシソや山椒なんかもハーブだったりするのですが、カタカナになると、どうしても西洋のものを浮かべがち。しかも普段の食卓の中での利用率といったらどうでしょう?スパイスまで幅を広げれば、ペッパー(胡椒)、カレー粉、わさびにからし・・・とどんどん登場してきますがハーブの中でも特に「フレッシュハーブ」は少し遠い存在にあるのではないでしょうか?
この季節、いろいろな緑もぐんぐん成長する時期、ドライタイプのハーブではなくて、あえてフレッシュハーブを食卓の中に組み入れることで、一気に食材が洗練され、お料理がぐ〜んと上手になったように思えてしまう、不思議な魅力を持ったフレッシュハーブをご紹介したいと思います。
いろいろと調べていくうちに、突き当たったのがエスビー食品さんのHP内にある「スパイス&ハーブ」コーナーでした。さまざまなフレッシュハーブの紹介から、そのレシピまで、とても豊富な情報に編集部はちょっとびっくり。なぜならエスビー食品さんといえばカレー、が代表的な食品でフレッシュハーブをここまで掘り下げているとは思っていなかったので。(失礼!)
でもどうでしょう?!実はスーパーなどで見かけていたフレッシュハーブは、ほとんどがここからのもの
だったのです。意外でした。(また失礼!) いやそれにしても、イタリアンパセリ・オレガノ・シブレット・スィートバジル・スィートマジョラム・スペアミント・セージ・ソレル・タイム・チャービル・ディル・フレンチタラゴン・ペパーミント・ベビーリーフ・マーシュ・マスタードグリーン・ルッコラ・レモングラス・レモンバーム・ローズマリー・香菜・クレソン・ハラペーニョ・セロリグリーン・セロリホワイト・・・挙げればきりがないほど、沢山の種類のフレッシュハーブが、出てくる出てくる・・・。
「イタリアンレストランの台頭が大きかったのではないかと思うんですよ。」
と語るのは、今回取材にご協力いただいた、スパイス&ハーブマイスターの伊藤景子さん。(エスビー食品株式会社 ハーブ事業室 事業企画ユニット 所属)※ちなみにスパイス&ハーブマスターというのは、2003年にスタートした社内資格制度で、スパイスとハーブに関するあらゆる知識や経験を持って幅広い活動をしているそう。現在、有資格者は9名。
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香菜とルッコラ |
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「そしてルッコラのサラダ。これは日本人にもなじみのあるゴマ風味のハーブですが、サラダとして市民権を得ましたね。またのちにベビーリーフのパックが手軽で美味しい食材のひとつ、それまでになかったタイプのサラダが作れるということで、どんどん食卓にあがるようになっていきました。それまでの葉ものはレタスやサラダ菜、ほうれん草の生サラダ用といったものでしたので、新鮮さも加わったのでは、と。そういったことがきっかけになって、だんだんハーブの認知度は高まっていったように思います。」
確かに生ハムとかフレッシュチーズなんかとルッコラの相性はやたら良くて、美味しい。レタスのシャキシャキ感も捨てがたいが、少しゴマ風味とちょっと苦みばしったところがなんとも言えず、忘れられない味になっている。
「思い出してみてください。トムヤンクンというタイ料理に使うレモングラスや香菜などは、すでに日本では有名なハーブになっていたのですが、他のいろいろなハーブが現在のような状況になるまでには、時間がかかりました。もっともまだまだこれからの分野ではあるのですが、まずはイタリアンレストランの流行から時を経て、一番重要だったのは、食に敏感な女性達の心を捉えたことだったのではないでしょうか。」
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レモングラス |
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ハイ、その通りだと思います。せっかくなら美味しいものを食べたい、というグルメな女性達の本能にしっかりと刻み込まれております。ただ、いかんせん、自宅の食卓でサラダ以外のフレッシュハーブの使い方って、難しそう・・・。
「えぇ、確かにそうですね。でも、ほんの少しのフレッシュハーブを使うことで、例えばおもてなし料理のランクが一気に上がって見えたりオシャレ感も違います。そして何よりもとってもお料理上手に思われるのが、最大の武器になるのではないでしょうか。」
いつも塩コショーだけでは、確かに腕前はいかがなものか。「チキンのトマト煮」ひとつとってもたとえレトルトソースを使ったとしても、フレッシュハーブが加わっただけで、まるでオリジナルソースを時間をかけて作ったかのように見せられたり・・・するに違いない。ワォ!
「何しろフレッシュなので日持ちはあまりしませんが、その後、ドライにすることもできますし余る事を気にして手が伸びない・・・ではなくて、まずは興味のあるものを、お茶からでも料理からでもいいので、試してみるのがオススメです。」
「最近はグルメな女性達もホームパーティを開いたり、また、いろいろなストレスから開放されリラックスするため、また、体に良い飲み物としてハーブを取り入れている人も徐々に多くなってきているようですので、構えずに"香り"で感じていただけるといいと思います。フレッシュハーブは何よりも"香り"の楽しみがありますので。」
ハーブの香りは思わず深呼吸してその香りを十分に試してみたくなるようなものばかり。またフレッシュなもので肉厚な葉は、その葉をこすると指先に香りがついて、すぐに試すことができる。もしかしたら鮮度を保つためにプラスティックケースに並んでいるのが、フレッシュハーブの魅力を半減させているのかもしれないが、それは余談として、あるものは力強く、あるものは優しく香り立つ、それぞれの香りの魅力はフレッシュハーブならではの醍醐味だ。
「指で葉をこすると香りの粒子がつぶれ、そこから香ります。それぞれ個性がありますし、どんなタイプの料理や素材に合うかなども、実は覚えてしまうと便利ですよ。」
フレッシュハーブの"香り"がある生活。これは精神的にも豊かなことかもしれない。五感に刺激を与えるのは、実はアンチエイジングにもとても良い事だし。
「テーブルやキッチンの小さなスペースでもハーブは育ってくれますので、案外育てやすい。お料理に使うところから考えるとハードルが高いかもしれませんので、例えばデザート類などの添え物、お料理に少し添えてみる、また刻んでふりかけたり出来るくらいのささやかなものから始めてみてはどうでしょうか。小さな鉢植えを毎朝眺めるだけでも、幸せな気分に包まれますよ。育てる楽しみが自分のやる気だったり、励みになったりもしますので、これ、実はオススメです。種なども今は比較的、手に入りやすいですし、これからの時期が一番育てやすい時期でもあります。是非試してみてください!自分で育てたフレッシュハーブでのティータイムなんて素敵ですよね。料理に加えるのはその後からでもいいかもしれません。お肉に合うもの、お魚に合うもの、いろいろ個性があるので、サラダだけではなくてお料理の幅もきっと広がるはずですから。」
いいと直感で感じたものは、すぐに実行に移す編集部なので、早速鉢植えのフレッシュハーブを購入する決意を固めるのでありました。
最後に、代表的なハーブを身近なものから手の込んだお料理に使えるものまで、簡単にご紹介。ハーブの名前で想像を膨らませながら、画像と照らし合わせてみてください。 |