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メッセンジャー
モンナージュ編集部
食からアプローチするアンチエイジング
フード
リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!
 「リビングフード」って、ご存じですか? 今、アメリカでブームを巻き起こしており、日本でも注目を浴びている食事法です。健康や美容に興味のある方なら、「マクロビオテック」や「ローフード」について聞いたことがあるかもしれませんが、今回ご紹介するリビングフードは「酵素」の観点からそれらを更に一歩前進させた食事法なのです。
 リビングフードは「酵素栄養学」に基づいています。生の野菜や果物には、生きた「酵素」が含まれています。ところが46〜48度以上に加熱すると、酵素は破壊されてしまい、食べても生きた酵素を取り込めなくなってしまうんですって。そこで登場するのがリビングフード。リビングフードは野菜などを加熱せずに食べ、生きた酵素を体に取り込める、画期的な食事法というワケです。
 人間の体と酵素には、一体どういう関係があるのか? なぜ酵素を生きたまま体に取り込むことが必要なのか……? 目から鱗がポロポロ落ちる新鮮なお話を伺ってきました。
リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!
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リビングフードって、何?

 今回取材をさせて頂いたのは、日本リビングフード協会代表で、協会直営のリビングフード料理研究所「LIVEggie’s」を主宰されている、ベジタリアン料理研究家のいとうゆきさん。モンナージュスタッフは、「LIVEggie’s」での体験セミナーに参加させて頂きました。
 まず、いとうさんに食事法の種類について教えて頂きました。

ファーストフード(Fast Food)
手早く、すぐに食べられるもの
・お金を出して、すぐに食べられるもの
……ハンバーガーなど
・お湯を注いで、すぐに食べられるもの
……インスタントラーメンなど
・袋を開けて、すぐ食べられるもの
……スナック菓子など
スローフード(Slow Food)
食べ物を作るときに時間をかけるもの
・鶏などの家畜
……庭に放していい飼料を与え、ゆっくりと育てる
・醤油や味噌
……通常1ヶ月くらいで市場に出てしまうところを、1年くらい熟成させる
・料理
……電子レンジでチン!ではなく、コトコト煮込んで作る
ロー・フード(Raw Food)
生食を勧めるもの
・生果物・野菜
・生の魚・肉・卵
・海草
・木の実・種子・穀類・豆類
リビングフード(Living Food)
生の食材から酵素を取り込むもの
・生野菜・果物
・スプラウト
・海草・海苔
・ナッツ・シード(ローストしていない、生のもの)
・ドライフルーツ、メープルシロップ、アガベネクター
・塩、味噌、醤油
・発酵食品
・その他

 ファーストフードって、お手軽ですが何となく体に悪いイメージ。マーガリンやショートニングなどに含まれる「トランス脂肪酸」の害が最近取りざたされていますし、映画『スーパーサイズ・ミー』の30日間ファーストフードを食べ続けて、肉体的にも精神的にも調子が悪くなってしまったというレポートも記憶に新しいところです(まぁすごい偏食を異常に続けたのだから当然!?)。
 スローフードとローフードは、日本語の響きは似ていますが、全く違うもの。スローフードはゆっくり時間をかけて料理を作る食事法で、ローフードは生の食材(生の野菜や果物、魚のお刺身、馬刺し、海草など)を食べる食事法です。

 リビングフードとローフードは、どちらも生の食材を食べる点で似ている食事法ですが、リビングフードではそれに発酵食品(味噌・醤油・納豆・漬け物など)が入ります。味噌や醤油、納豆は、製造工程で大豆に一度火を通しますが、その後麹菌や納豆菌を加えることで菌が「生きている」ため、リビングフードに入るんだとか。
 それと、ローフードでは生の魚・肉・卵は食べますが、リビングフードは「人間は動物性たんぱく質を分解しにくい」という酵素栄養学に基づいているため、食べないそうです。

日本リビングフード協会代表で、協会直営のリビングフード料理研究所「LIVEggie’s」を主宰されている、ベジタリアン料理研究家のいとうゆきさん
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人体に欠かせない、大切な酵素

 では、酵素を摂ることで人体にどんなメリットがあるのか、続けていとうさんにお伺いしてみました。

「リビングフードには生きた酵素が含まれているため、『Living Food=生きている食べ物』と呼ばれています。野菜や果物は生で食べると酵素が含まれていますが、酵素は熱に弱く、46〜48度の熱を加えると破壊されて死んでしまいます。ですから野菜を蒸したり、野菜炒めにしたりすると、酵素が死んだ『デッドフード(Dead Food=死んだ食べ物)』になってしまうのです。栄養素のビタミンも、熱を加えると破壊されてしまうんですよ。
 もちろん、お米など加熱することで食べやすくなるものもありますが、酵素や栄養素が壊れてしまうので、加熱は諸刃の剣ですね。ちなみに、酵素は加熱には弱いですが、乾燥や冷凍では壊れません」

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

 今まで「酵素」という観点から食事を考えたことがなかったので、いとうさんのお話は意外でした。 ハンバーグや天ぷら、トンカツはもちろんのこと、「体によさそう」と思って食べていた煮物や温野菜まで「デッドフード」だったとは。
 改めて食生活を見直してみると、デッドフードが大半を占めている気が……。いとうさんも「現代人の食生活を見ると、酵素を含む生の食材が摂れていない」と指摘します。

「昔はお漬け物をたくさん食べたり、自家製のお味噌を使っていたりと、酵素が摂れていましたが、現代人はあまりお漬け物を食べませんし、市販の味噌は酵素が弱いんですよ。だから、あえて生の食材を食べて、酵素を摂りましょうということなんです。
 例えば典型的な和食の朝食を食べたとしても、ご飯もお味噌汁も野菜のおひたしも、全部火が通ったもの。ビンや缶に入った野菜ジュースを飲んで、酵素やビタミンを補っているつもりでも、殺菌のために高温処理されているので、酵素もビタミンも含まれていない。お昼におそばを食べたとしても、ゆでられているので酵素はないんです。そして夜は居酒屋に行って、焼き鳥や揚げ物を食べ、最後にお茶漬けやラーメンを食べる。女性の方は『生野菜は体を冷やすから』と言って、サラダではなく温野菜を頼んでしまいがち。朝から晩まで、生の食材が全然摂れていないことがあるんですよ」

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

 でも、生の食材を毎日摂るのって難しそう。それに、生野菜は体を冷やすって、よく聞くけど……。そんな私たちに、いとうさんは酵素を毎日の食生活に取り入れるためのヒントをくださいました。

「例えば、和食の朝食にはお漬け物をたくさん加える。野菜ジュースは市販のものではなく、自分でジューサーやミキサーで作る。おそば屋さんに行ったら、おろしそばやとろろそばなど、生の野菜が含まれているものを注文する。そうすれば、酵素が摂れるだけでなく消化も楽になりますよ。それと、生野菜のサラダが体を冷やすというのは、イメージでしかありません。実は生野菜を摂った方が、体に酵素が充満して新陳代謝が良くなり、体温が上がるんですよ。逆に生の食材を食べないと、冷え性の根本的改善にはなりません。
 確かに、冬にきゅうりやレタスなどの夏野菜を食べるのは、体を冷やすことになります。リビングフードでも『身土不二』(その土地で取れる旬の食材を食べること)が、一番体に良いと考えるからです。冬場は大根やにんじんなどの根菜のサラダを食べてもいいですし、ドライフルーツを摂るのもいいでしょう。冷え性の方ほど、酵素を含んだ食材を取り入れて欲しいですね」

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

 生野菜を食べることで冷え性が改善するなんて、今までの通説と違って、新鮮な発想に感じました それに、お漬け物を食べたり、おろしそばをチョイスする程度なら、そんなに難しくないかも……?

「普段の食生活で献立のバランスを見てみて、加熱された料理ばかりだったら、何か一つ生の食材を追加してみる……まずは、そこからでいいんです。実際、食事の中に生の食材があった方が楽だと、皆さんも感じられているのではないでしょうか?
 例えば、トンカツにはキャベツの千切りが添えられていますよね。もしトンカツだけだったら、胸焼けがしてあまり食べられないのでは? 酵素を含んだ生のキャベツが消化を助けてくれるから、たくさんトンカツを食べられる。これが酵素の力です。焼き魚に大根おろしが添えられているのも、同じ理論。加熱された料理だけだと、一切酵素が含まれず、100%自分の体が持っている消化液で分解しなければならないため、胃に負担をかけてしまいます。そこに生の食材を添えると、消化を助けてくれて楽になるのです」

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酵素栄養学について

 リビングフードは、病院での臨床実験によって効果が実証されている、ちゃんと根拠がある食事法とのこと。リビングフードは「酵素栄養学」に基づいている、ということは先述しましたが、そもそも酵素栄養学って、どんな学問でしょう?

「酵素の重要性は、1985年にアメリカのエドワード・ハウエル医学博士により解明されました。ハウエル博士は1920年代から研究を続け、世界で初めて食物酵素理論を提唱し、酵素栄養学を確立しました。
 リビングフードは病気の治療のために、医療現場で実践されていた食事法です。ダイエットや体質改善にも効果的なため、やがて一般人も実践するようになりました。最近になってやっと、日本の医師も注目し始め、本を書いたりするようになったのです」

 私たちに体には3000種類以上の酵素があり、一つ一つ異なる役割を担っているとのこと。大きく分けると、酵素には「消化酵素」「代謝酵素」「食物酵素」の3種類があるそうです。
消化酵素 消化酵素……消化に必要な酵素。
・プロテアーゼ(胃液に含まれる、たんぱく質を消化させる酵素)
・アミラーゼ(唾液に含まれる、炭水化物を消化させる酵素)
・リパーゼ(膵臓で作られる、脂肪を消化させる酵素)
代謝酵素 代謝酵素……
身体の全ての器官を動かすのに必要な酵素。
新陳代謝や免疫の活性化にも重要な役割を果たす。
食物酵素 食物酵素……
食物に含まれ、消化を促す。大根のジアスターゼがよく知られている。
リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

消化酵素と代謝酵素についてお伺いしてみました。

「消化酵素と代謝酵素は、私たちの体で作られます。消化酵素は、文字通り消化を助ける酵素です。また、代謝酵素には風邪などの病気や癌細胞を撃退する働きがあります。
 消化酵素と代謝酵素は『潜在酵素』と呼ばれています。私たちはある一定量の酵素を持って生まれて来ます。この潜在酵素は貯金のようなもので、酵素量は一人一人異なります。潜在酵素の量は遺伝子で決まりますが、量が多い人は長寿と言われています。酵素が無くなった時が、老衰で生命活動が尽きる時ということです。
 この潜在酵素が、消化酵素になったり代謝酵素になったりします。また代謝酵素の中でも、ある一定量は呼吸や内臓を動かすのに使う『基礎代謝』に使われます。潜在酵素量は増えませんので、節約しながら使わなければなりません」

 1日に使える潜在酵素の量は、ある程度決まっているのだとか。そして毎日ある一定量は基礎代謝に使われ、残りの潜在酵素の中で、消化酵素と代謝酵素の量は反比例の関係にあるそうです。
 暴飲暴食をしてしまうと、消化酵素をたくさん使うことになり、代謝酵素が少なくなってしまうとのこと。でも、代謝酵素はできるだけ余らせておかないと、病気を撃退しにくくなってしまいます。そういえば、風邪の時に食欲がなくなることがありますが、それはものを食べずに代謝酵素を上げると、病気が治りやすくなるからだそうです。断食するとダイエットに成功したり、慢性病が治ったりするケースがあるのも、代謝酵素が上がるからなんですね。

 「でも、小食や断食はいやだなぁ」という方に朗報なのが、リビングフードに含まれる「食物酵素」。食物酵素は消化酵素と同じような働きをするので、リビングフードを外から補うことで消化酵素の浪費を抑えられるというワケです。

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!
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いざ、リビングフード試食!

 それでは、実際にリビングフードを試食させて頂くことにしました。リビングフードは火を使わないので、机の上でも作れちゃいます。本日のメニューは下記の通り。

パスタwithマリネーラソース
コールスローサラダ
バナナクラッカー
リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

パスタwithマリネーラソース

 パスタとはいっても、小麦粉のパスタではありません。野菜麺カッターを使って、大根やきゅうり、ズッキーニなどの野菜を麺状にくるくると削ってパスタにしてました。今回は大根が使われていましたが、大根にはジアスターゼという酵素が含まれているので、消化によさそう。リビングフード初心者でも食べやすいように、今回は細麺パスタdのカッペリーニが混ぜてあります。
 ソースは生のトマトにバジル、ドライトマトパウダー、オニオンパウダーなどを加えて、トマトの酸味とコクを活かしたもの。
 食べてみると、やはり加熱しない分、トマトの甘みやバジルの風味が利いています。面白いのがパスタ! ちゃんと麺状になっていて、濃厚なトマトソースにさっぱりとした大根の麺がとても合います。夏は特に、冷製パスタとして美味しく食べられそう。

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

コールスローサラダ

 「あれ? コールスローサラダって、マヨネーズを使うよね?」と思った方もいらっしゃると思いますが、もちろんリビングフードでは卵を使いません。なんとオリーブオイルやアーモンド、白味噌、にんにく、レモン汁などをフードプロセッサーで混ぜて、マヨネーズのような和え衣を作っていました。生のアーモンドは、洗って一晩浸水させてから使うとのことで柔らかい状態にする工夫がされていました。
 さっぱりとした中にも味噌のコクがきいていて、食べやすい味。和え衣はにんじんなどの野菜に直接塗って食べてもいいそうです。

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

バナナクラッカー

 バナナとデーツ(なつめやしを干したもの)をミキサーにかけて作ったもの。リビングフードでは白砂糖などの精製されたものは使わず、ドライフルーツやアガベネクターと呼ばれる、サボテンに似たユリ科の植物からとった甘味料を使うそうです。酵素と一緒に甘味を摂れば、摂ったカロリーが熱エネルギーに変換されて太りにくいとか。罪悪感なくスイーツが食べられるなんて、女性には嬉しい限り!
 パンやクッキーなどは、小麦を必ず加熱して食べるため、人によっては肌や腸が乾燥してしまうとのこと。リビングフードでは、加熱しないかわりに「食品乾燥機」を使って低温で食材を乾かし、カリッとさせていました。
 クッキーは、一口食べるとバナナの香りがふわーっと立ち上がります。焼いていないので、風味を損なうことがなく、素材そのものの味が楽しめました。

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!

 リビングフード食にはどんなレパートリーがあるのか、教室の1階にあるレストラン「ベジパラダイス」で、実際にリビングフードをたべることができます。たくさん食べても消化がよく胃にもたれないので、「ダイエット中でやせたいけど、たっぷり食べたい」という方にも、持ってこい!

リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう! リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう! リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!
2 前菜の盛り合わせ
ツナサラダに見える前菜がありますが、これもリビングフード。生アーモンドやひまわりの種、セロリや赤玉ねぎなどをフードプロセッサーにかけて作られています。
 
2 カシューチーズソースのパスタ
チーズというよりは、胡麻ドレッシングやピーナッツバターソースに近いかも。まろやかでコクがあるソースに、大根のパスタが良く合います。
 
2 ジェノベーゼソースのパスタ
ソースは、パスタにかけて食べる普通のジェノベーゼソースとほぼ同じ味ですが、加熱していないためバジルと松の実の風味が生きています。こちらも大根のパスタで、さっぱりと頂きました。
リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう! リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!
りんごともものタルト/もものババロア
一見普通のデザートに見えますが、砂糖や小麦粉、卵、牛乳などは一切使っていないそうです。タルトのクラスト生地はナッツやドライフルーツ、ババロアは葛粉を使って作られており、いずれも甘過ぎず、さっぱりとした自然の甘味が口の中で広がります。
リビングフードで、生きた酵素を体に取り込もう!
 厳密にリビングフードを実践しようとすると、魚・肉・卵が食べられない、炊いたお米や温野菜など加熱したものが食べられない……と、ちょっと難しそう。そんな私たちに、いとうさんは「無理をすると続かないので、まずは一品生の食材を添えるだけでもいいんですよ。ただし、意識して生の食材を摂って欲しいですね」というアドバイス。一品プラスするだけなら、続けられそうです。そして、続けていくうちに肌が綺麗になるなどの変化があり、酵素のパワーを実感できるかもしれません。
 潜在酵素は毎日どんどん使われて、減っていってしまうもの。意識して生の食材をとることで潜在酵素を節約して、健康的な美しさをキープしたいですね。
 取材にご協力いただきました
写真:いとうゆきさんと一緒に。 日本リビングフード協会 LIVEggie’s
東京都渋谷区上原1-22-14-2階
TEL:03-3467-3955

日本リビングフード協会
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リビングフードレストラン「ベジパラダイス」
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写真:いとうゆきさんと一緒に。
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