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メッセンジャー
モンナージュ編集部
食からアプローチするアンチエイジング
フード
薬膳的生活のススメ 〜肉じゃがと黒豆ごはんで内側から健康に〜
 「医食同源」「食べもので人はできている」とは、モンナージュで何度も取り上げている言葉。様々な専門家の方々が、異口同音に唱えていらっしゃる言葉です。食事って、やはり健康の基本。せっかく毎日食べるものなら、体にいいものを美味しく食べたいものです。
そこで今回モンナージュがご紹介するのは「薬膳レシピ」。薬膳っていうと、何やら難しそうな感じがしてしまいがち。クコの実やくわい、なつめなど、ちょっと珍しい食材を使った中国料理を、つい思い浮かべてしまうのではないでしょうか。
でも実は、薬膳とは「料理」ではなく、体のバランスを整える「食べ方」のことなんです。旬の食材などを効果的に組み合わせて、海のもの、山のもの、野菜、魚、肉をバランス良く美味しくいただく食べ方……というと、難しくなさそうでしょ。
薬膳が重視するのは「気・血・水(き・けつ・すい)」のスムーズな流れ。私たちの体を作る「気(生命エネルギー)・血(血液)・水(血液意外の体内の水分)」の3つが、過不足なくスムーズに循環して健康になるように、今の時期にぴったりの美味しい薬膳レシピをご紹介しましょう。

 忘年会やクリスマス・パーティなど、何かと飲食する機会が増える12月。胃もたれなどすることなく、元気に年を越せるように、消化器系を整える薬膳レシピ「肉じゃが」と「梅風味の黒豆ごはん」をご紹介します。

薬膳的生活のススメ 〜肉じゃがと黒豆ごはんで内側から健康に〜
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肉じゃが

まずは、家庭料理の定番中の定番「肉じゃが」。「肉じゃがって、薬膳料理なの?」と、意外に思われるかもしれませんが、牛バラ薄切り肉、じゃがいも、玉ねぎ、糸こんにゃくには、胃腸を整えてくれる薬膳的効能がある食材。消化器系の働きを助け、気・血を補って、水分代謝をよくする、バランスのとれた料理なのだそうです。
イギリスに留学していた東郷平八郎が、留学先で食べたビーフシチューの味が忘れられず、帰国後に海軍の料理長に命じて作らせたのが肉じゃが……という説も。味付けを薄めにして汁を多めにし、和風ビーフシチューのように汁物としていただくのもオススメです。

【材料】
牛バラ薄切り肉 …… 200g
じゃがいも …… 300g
玉ねぎ …… 1個
糸こんにゃく …… 200g
インゲン …… 4〜5本
だし汁 …… 600〜800cc
しょう油 …… 大さじ5
…… 大さじ1
みりん …… 大さじ3
砂糖 …… 大さじ1
サラダ油 …… 適宜

【薬膳的効能】
牛バラ薄切り肉 …… 消化吸収力を高め、水分代謝をよくし、気・血・筋肉・骨を補う。
じゃがいも …… 胃腸の炎症を抑えて消化器系の働きを整え、気を補う。
玉ねぎ …… 胃や胸のつかえをとる。血をさらさらにする浄血や利尿作用もある。
糸こんにゃく …… 体の余分な熱をとり、胃腸の働きや便通を整える。利尿作用もある。
インゲン …… 4〜5本
だし汁 …… 600〜800cc
しょう油 …… 大さじ5
…… 大さじ1
みりん …… 大さじ3
砂糖 …… 大さじ1
サラダ油 …… 適宜

【作り方】

  • じゃがいもは皮をむいて、大きめの一口大に切る。牛肉は3cmほどの長さに、玉ねぎはくし形に、糸こんにゃくは下茹でしたあと食べやすい長さに切る。
  • 鍋に油を熱し、まず牛肉を炒める。牛肉に火が通ったら、玉ねぎ、糸こんにゃく、じゃがいもの順に加えて炒める。
  • 全体に油が回ったら、だし汁を加えて煮る。アクが出てきたら取り除く。
  • 弱火にして砂糖、酒を各大さじ1、みりん大さじ2を加え、落としぶたをして5分ほど煮る。しょう油大さじ4を加え、やわらかくなるまでゆっくりと煮含める。
  • 味見をし、加減をしながらみりん大さじ1しょう油大さじ1を加え、水分を飛ばしながら、具材に味を含ませる。
  • 器に盛り、さっと茹でたインゲンを散らす。
  • インゲンがない場合は、グリンピースなどでも代用OK。季節に合わせて青みを選びましょう。

【気・血・水を動かすポイント】

  • 「気」をスムーズに動かすには
    ・肉じゃがに、唐辛子や粉山椒などの香辛料を少々かけると薬膳的効果がアップ。
    ・副菜には、ほうれん草のおひたしに柚子の千切りがおすすめ。気を動かし血を補ってくれます。
  • 「血」をスムーズに動かすには
    ・肉じゃがは、牛肉をやや多めに食べましょう。養血作用のあるにんじんを加えてもGOOD。
    ・ほうれん草のゴマ和えを副菜に。血を補って動かしてくれます。
  • 「水」をスムーズに動かすには
    ・肉じゃがは、糸こんにゃくをやや多めに食べましょう。ごぼうを加えるのも効果的。
    ・副菜に、もやしと胡瓜の酢の物など、水を取り除くものを選んで。
  • その他
    ・体に熱がこもりやすい夏は、牛肉を豚肉に代えて作ってみてください。
    ・更年期の人や年輩の人にも、豚肉がオススメ。

【感想】
モンナージュスタッフは、ごま油で牛肉を炒めてみましたが、ごまの香りがふんわり漂って、なかなか美味。煮ている時に出て来たアクは、丁寧にすくうのがコツのようです。じゃがいもは煮すぎると、煮くずれするので要注意(実は煮崩してしまいました...)。落とし蓋がない場合は、アルミホイルを切って鍋よりも少し小さい円形に丸めて使うとカンタンです。

さっそく食べてみましたが、あつあつ・ホクホクのじゃがいもに、牛肉のうまみが染み込んでいて美味〜。少し薄めに味付けして煮汁も飲めば、体が温まります。インゲンが色も食感もいいアクセントに。私自身が普段あまり食べていない糸こんにゃくも、牛肉や玉ねぎと一緒に美味しく食べられました。【ポイント】にあるように少し唐辛子をかけてみると、ピリッとして味がしまり、食欲が出ます。薬膳がこのように作りやすくて美味しい家庭料理なら、気軽に続けられそう。

薬膳的生活のススメ 〜肉じゃがと黒豆ごはんで内側から健康に〜
2

梅風味の黒豆ごはん

黒ごま、黒砂糖、海苔などの黒い食べ物は「アンチエイジング食材」といわれています。中でも黒豆は、血を増やして血流をよくし、水分代謝をスムーズにして肌を整えてくれる食材なのです。黒豆というと、なんとなく「お節料理」を思い浮かべがち。普段はあまり食べない方も、ごはんに入れることで美味しく手軽に黒豆を食べることができます。
また、白米にもち米を加えると、もちもちとした食べごたえのある食感が楽しめると同時に、体の冷えを取るという、女性に嬉しい効果も。疲労回復効果のある梅干しも入れて、さっぱりといただきましょう。


【材料】
茹でた黒豆 …… 1合
…… 2合
もち米 …… 1合
梅干し …… 2個
…… 適宜

【薬膳的効能】
黒豆 …… 腎の働きを補い、水分代謝をよくして、むくみをとる。浄血作用、血を巡らす作用があり、ホルモンのバランスも整える。
…… 消化器系を整え、下痢を抑える。
もち米 …… 消化器系を整え、特に冷えから来る下痢を抑える。尿の出も調節する。
梅干し …… 疲労を回復させるほか、浄血作用、殺菌作用、整腸作用がある。のどの渇きを癒やし、咳を止める効果もある。

【下準備】

  • 黒豆は一晩水につけた後、ひたひたの水で柔らかくなるまでアクをすくい取りながら茹でる(ゆで汁は捨てないで。炊くときに使います)。
  • もち米と米をとぎ、一旦ザルにあげる。
  • もち米は2時間以上水につける。米は30分ほど水につける。

【作り方】※鍋炊きしています

  • 鍋にもち米、米、茹でた黒豆、茹でた黒豆の汁を入れて炊く。途中で梅干しを入れる。
  • 炊き上がったら火を止めて、蓋をしたまま10分ほど蒸らしてから、しゃもじでざっくりと混ぜ合わせる。梅干しの塩分だけでは薄味の場合、塩を少々加えてから混ぜ合わせる。
  • (1)の水加減は、3合炊きの量よりやや少な目がいいようです(もち米・米を吸水させているので)。

参考までに鍋で炊くごはんの作り方
▼東京ガス「おいしいごはんを炊こう」お鍋でごはん編
http://home.tokyo-gas.co.jp/benri/gohan/p3.html

【アドバイス】

  • 黒豆を煮ると、アクがモコモコ出て来ます。アクにはえぐみが含まれているので、丁寧にすくい取りましょう。
  • 黒豆が煮汁から出ないよう、差し水をしながら茹でます。
  • 黒豆を茹でた時の汁は捨てずに使います。黒豆は水分を吸うので、汁はやや少なくなります。モンナージュスタッフは、黒豆の茹で汁50ccに、水を加えて計400ccで炊いてみましたが、割合や分量はお好みで。
  • もち米と米の割合もお好みで。もち米1合、米2合、茹でた黒豆1合、梅干し2個くらいで炊くのが基本ですが、一人暮らしの方などは半分でもいいかも。
  • 黒豆は、一袋(200g〜300g)まとめて茹でて冷凍して置くと便利です。茹で汁も小さいペットボトルに入れて冷凍します。
  • 茹でるのが面倒な時や時間のない時は、皮がはじける位にから煎りした黒豆を入れて、ごはんを炊きます。少し炊く時間を長めにとれば、美味しい黒豆ごはんができます。

【気・血・水を動かすポイント】

  • 「気」をスムーズに動かすには
    ・炊き上がった黒豆ごはんにも、種を取ってたたいた梅干しを添えて。梅干しの爽やかな香りを楽しみながら、いただきましょう。
  • 「血」をスムーズに動かすには
    ・ごはんに黒豆を、やや多めに入れると薬膳効果アップ。
  • 「水」をスムーズに動かすには
    ・ごはんに黒豆を多めに入れましょう。「冷え」がある場合はもち米を増やし、米ともち米の割合を同量くらいにするとGOOD。

【感想】
実は、今回初めてお鍋でごはんを炊いたモンナージュスタッフ中澤。黒豆を一晩水につけたり、茹でたりする手間はかかるものの、難なく炊けました。「お鍋でごはんを炊くのは難しいし面倒」だと思い込んでいたので、正直拍子抜け。
黒豆はごはんと一緒に炊くので、少し固めに茹でても大丈夫のようです。黒豆のパッケージには「弱火で4時間茹でる」と書いてありましたが、1時間ほど茹でたら大分やわらかくなりました。黒豆を煮るのが面倒な場合は、【アドバイス】にあるように、から煎りしてから炊くといいと思います。
私はレシピの半分の量(もち米半合、米1合、茹でた黒豆半合、梅干し1個)で作りましたが、お茶碗に4杯くらいの黒豆ごはんができました。

初めて炊いた黒豆ごはんを前に、思わずワクワク。さっそく食べてみると、炊きたてのつやつやどっしりしたごはんに、梅干しのさっぱりとした酸味が利いていて、美味しい! ふっくらした黒豆や、もち米のもちもちした食感もあって、腹持ちがよさそう。多めに作って、1食ずつラップにくるんで冷凍庫で保存しておくと、電子レンジで温めていつでも食べられるから便利です。あと、黒豆が余ったので、砂糖を入れて黒豆を煮含めて、甘い黒豆にして食べました。

普段食べ慣れている料理でも、旬な食材を取り入れ、食材の組み合わせを工夫したり、香辛料を足したりする。白米もそのまま炊くのではなく、黒豆やもち米を足して炊いてみる。ちょっとした一手間で、普段の食事が立派な「薬膳」へと早変わり。そんな積み重ねが、美と健康を作るのではないでしょうか。無理せず、楽しく、できる範囲で「薬膳的生活」を続けたいものです。
 バランスのいい食事を摂ることで、「気・血・水」が巡って健康で美しくなり、いいエネルギーが得られる。自分という器を健やかなエネルギーで満たして初めて、常に笑顔で接するなど、まわりにもいいエネルギーを分け与えられるのかもしれませんね。

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 参考にさせていただきました

「薬膳的生活」
HP:http://yakuzen.cn/index.html

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