食べ物に困らない今の時代。特に首都圏では、ちょっと外に出れば、さまざまなメニューが数え切れないほどのお店で食べることができ、スーパーにはなじみの食材から珍しい輸入食材まで、ありとあらゆるものが揃っています。その中から、私たちは食べたいものを食べていく。記憶をたどると、私たち(原稿を書いているモンナージュスタッフはアラフォーです)が幼稚園や小学生の小さい頃、だいたいの家庭食は和食が中心で、お店の軒先にその時にならんでいる食材を調理して食べていたと思う。旬なものはもちろんだけど、今と違って、売られている食材が今ほどバラエティーに富んでいるでもなく、加工食品も今ほどじゃなかったので、だいたいみんなが似たようなものを食べていたんじゃないかと思う。外食は珍しいことではなかったけれど、特別な重みもまだあった。あぁ、昔を語ってしまいましたが、当時の日本でわりとそんな感じかも。
で、今。
仕事を持っている人ならば、ランチは外食が基本だったりするし、夕食も外食している人が多いだろう。家庭食のシーンでも、ライフスタイルの変化から、中食(買ってきたお総菜やお弁当を家庭で食べる。外食と家庭食の中間)や、個食(家庭内でそれぞれの個人が別のものを食べる)も一般化してきて、食環境がガラッと変化してきた。これはこれで恩恵があるので、悪いことではない。時間や手間、はたまた金銭的にも節約できたりする。
で、食の環境がいろいろと変化してきて、私たちに与えられている課題が「何を食べるのか?」じゃないかと思う。今の食環境は、食べたいものを食べられ選び放題。美味しいから、好きだから、見た目がいいから、お店の雰囲気がいいからといった様々な基準で食事を選ぶことができる。時間がないときのコンビニ食だって頼もしい味方になってくる。
でもそれでいいのかな? と気になるのも事実だと思う。新鮮な食材をバランス良く食べるのがベストだと私たちは知っているから。
そこで、すぐに実践でききて一番有効な「日頃の食事の見直し」をしてみるのはどうだろう。
例えば、3日間、1週間、食べたものを手帳につけておくと、毎食毎の食事内容の全体的なバランスが見えてくる。麺やパンなど炭水化物が多かったな、とか、案外魚食べてないな、野菜は葉モノに偏ってる、空腹を間食でごまかしてる〜...とか。
これに気づいて、気をつけようと思えればOK。特別な知識は必要ないと思うけれど、改善点を見つけて実行しようとする意識は必要。理想的な食事は、いろいろと調べれば見つけられるのでそれらを参考に。ただし、あくまでも自分の食事を否定しない方向で。「これをたべなきゃ」「これは食べちゃだめ」な、マニュアル鵜呑みの考え方から離れて、今できることで、自分で「いい」と思っている点はそのまま活かしていこう。
これを実践するとしないとでは、食事への意識が大きく異なるし、食べたものを客観的に見ると、足りているもの、足りないもの、偏っているものが見えてきて、そこを注意するだけでも、ダイエットに役立ったりします。これ本当。難しく考える必要はありません。
そんなことを時々実行しては、意識をあらため直しているモンナージュスタッフですが、そろそろプロの意見というものを聞きたくなった。私たちの食の先生といえば、管理栄養士の伊達友美先生。そこで、モンナージュメンバー2名の食事記録をつけて、伊達先生にチェックしてもらいました。
今回はモンナージュ編集長寺山と、スタッフ中澤の2名の食事をチェック。この二人、なかなか対照的な暮らしぶりをしていて、子持ちの編集長寺山は、子どもを学校へ送り出すこともあり、夜も朝も早め。一方スタッフ中澤は、一人暮らしで自分のペースを優先できるので、仕事状況によって明け方まで起きていたりということも多々あり。二人とも外食も家食も同じような割合だけど、食べ物の好みや行動パターンが違うぶん、食事記録にもちゃんと表れてます。
ふたりの3日間はこんな食事内容でした。イメージしやすいように、食べたものをケータイカメラで記録しました。
編集長寺山は、朝はもりっと果物を摂取。小学生の子供がいるのにお子様メニューの出現はあまりない。和洋ハワイアン??とバラエティーに富んだものを口にしています。スタッフ中澤は、朝はサクッとフルーツジュース、昼は外食、夜は家食というパターン。外に出回っているためか、休憩がてらお茶する回数が多いのが特徴的です。どちらの食事の仕方にも親近感がわく人は多いんじゃないでしょうか?
この食事記録のフォーマットは伊達先生にいただきました。それぞれ手帳などに記録しておいて、その内容をフォーマットに転記。伊達先生はそこに赤ペン・青ペンで添削しアドバイスしてくれます。添削された内容をそのまま打ち込んだものを公開しますので、じっくり観察してみてください。
伊達先生の話によると、まず多くの女性に共通していることが
●タンパク質が不足ぎみ
●主食とするご飯の量が不足ぎみ
●「冷え」を実感しているのに、冷える食材が多め
ということ。これらは食べたものをエネルギーに変換するものなので、燃える原料をしっかり燃やさないと、不要な脂肪は燃えてくれないのです。あと、暖かいスープやお味噌汁をプラスすることも。体温を上げて代謝を良くするには、温かい食べ物は効率よしです。
編集長寺山は、「タンパク質不足ぎみ」「主食のご飯の量が足りていない」を指摘されてます。スタッフ中澤は、ドリンクはできるだけHOTを、タンパク質はしっかりとろう、とアドバイスされています。
それぞれのアドバイス内容を見てみてください。「タンパク質は手のひら1枚分」とか「お肌の元になるタンパク質をしっかりと!」など、他の人でも大いに 参考になるようなアドバイスが記されています。
こうやって、プロの客観的なアドバイスがもらえると、改善のポイントがわかって、食べ物が選びやすくなったりします(外食でメニュー選ぶときに「じゃあ肉野菜定食」みたいな感覚で)。自分でできる範囲でいい食事内容にしたい思いも、新鮮に改まったりします。で、食べるのが楽しくなってくる。食事に対して前向きになれる。伊達先生は「いい食事に必要なのは愛」と言いますが、そう、自分の食事に鯛着・愛情持てる感じです。
本来、伊達先生が指導している食事記録は、食べたメニューの他に量や時間のほか、自身のプロフィールなどを添付して、もっときちんと全体的な指導をしてもらえます。美容やダイエット、健康づくりといった目的を持った食事指導もOK。もちろん食べたもののカロリー計算なんかも。「ダイエットの女王」として名高い伊達先生ですが、「私は痩せさせ屋じゃないので、日頃の食事仕事もちゃんと行いますよー」とのこと。自分の食事のあり方を確認したい人は、こういったアドバイスを活用するのはとても有効だと、モンナージュは考えています。
自分のことを知るには、思いこみではなく客観性を。リアルな自分を把握するコツかもです。