金属同様、人間だって酸化によってサビるのです
老化を「病気のひとつ」と考え、治療や予防の観点で見つめると、老化現象も防ぐことができます。例えば、骨粗しょう症は、以前は加齢による生理的な現象だと考えられていましたが、今では病気として認識され、治療法や予防法も確立されています。「老化は病気」、その視点に立ち、現象のメカニズムを知れば、コントロールが可能になるのです。
老化や病気の原因のひとつである「酸化」も、コントロールできることのひとつです。人は、生きていくのに欠かせない水と酸素から、フリーラジカル(活性酸素)を発生させています。活性酸素は通常の呼吸で発生し、体内で殺菌作用など大切な働きをしています。しかし一方で、過剰に発生すると非常に有害なものとなる性質もあります。もちろん人間はそれに対抗する防衛システムをすでに持っており、体内にある酵素や、口から摂り入れたビタミン、ミネラルなどを使って、過剰発生した活性酸素を処理しています。
しかし、その防衛システムにも限界があります。処理しきれないほどの大量の活性酸素が発生すると、他の物質に対してきわめて攻撃的(ラジカル)な活性酸素(フリーラジカル)となり、多くの細胞が損傷を受けて死滅してしまいます。この状態の積み重ねが、ガンやリューマチ、アルツハイマーなどの病気の発生源となったり、細胞老化につながっていきます。
体がサビると… |
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・骨がもろくなる |
・熟睡できない |
・ときめきがなくなる |
・疲れやすい |
・脂肪がつきやすくなる |
・風邪をひきやすい |
・筋肉量が落ちる |
・肌のつや・ハリがなくなる |
・記憶力・認識力が落ちる |
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サビる環境の中にいる私たち
活性酸素(フリーラジカル)を大量発生させる要因はおおよそ解明されていて、放射能(宇宙からの自然放射能も含む)やパソコンや携帯電話から出る電磁波、紫外線、タバコ、アルコール、大気汚染、食品添加物、精神的ストレスなどがあります。現代社会には有用な活性酸素を悪者に一変させる要因がたくさん存在しているのです。
この過剰に発生した活性酸素から体を守るには、抗酸化物食品を摂取することが有効です。活性酸素を除去させる抗酸化物質は、ビタミンA、C、E、βカロチンのほか、フラバンジェノール、グレープシード、カテキン、ポリフェノール、リコピン、セレンなどがあります。
これらは主に野菜や果物、豆、海藻、穀類に多く含まれており、毎日の食事の中で摂取できるものです。しかし、バランスの悪いメニューだったり、欠食したりなど食生活のリズムが崩れると、抗酸化物質の摂取量も比例して減ってきます。これでは活性酸素に負けてしまう体に成らざるを得ません。食生活が健康に直結しているのは、こういった理由もあるのです。
●抗酸化物質が多く含む食材●
ブルーベリー、ラズベリー、プラム、プルーン、いちご、キウイ、オレンジ、ブドウ、グレープフルーツ
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小豆、ほうれん草、なす、タマネギ、ブロッコリー、キャベツ、とうもろこし、トマト / 赤ワイン、緑茶
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