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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
米井嘉一先生
ドクター監修のアンチエイジングトピック
メディカル
簡単エクササイズで、目指せアンチエイジング・ボディ!
 誰しも、引き締まったカラダ、しなやかでやわらかな筋肉、弾力性のある肌をいつまでも保ち続けたいと思うもの。しかし、加齢に伴い、筋肉量の減少、関節の可動域の狭窄、新陳代謝の低下などの現象が起こってきます。40歳を超えると一般的に脂肪が増え、普通の生活をしていても1年で1%程度筋肉量が減少します。
 筋肉量が減ると筋力も弱まるため、日常生活がおっくうになったり、転びやすくなったりします。また、筋肉量の減少により、若々しい心とカラダをキープするためには欠かせないIGF-Iレベル(成長ホルモンの分泌量の指標となる数字)も低下するのです。
 筋肉量が減ると、基礎代謝量(生命を維持するために必要な最小限のエネルギー消費量)や最大酸素摂取量(体内にどれだけ酸素を取り込み、利用できるかを体重1kg当たりの量で示した数値)も減るため、消費されるエネルギー量が減って太りやすくなるのです。また、運動した人としなかった人とでは、最大酸素摂取量にも差が出ます。
 筋肉は何もしないと低下していきますが、トレーニングすることにより、何歳になってもパワーアップできるのです。運動トレーニングを効果的に行うには、(1) 有酸素運動 (2) 筋肉トレーニング (3) ストレッチの3つをセットで行うといいでしょう。その理由と具体的なノウハウについて、ご紹介します。

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有酸素運動のススメ

 有酸素運動とは、酸素をたくさん取り入れながら行うトレーニングのこと。エアロビクスやジョギング、ウォーキング、スイミングなどが挙げられます。持久力系の筋肉や遅筋を鍛えることにより、心肺機能がアップし、ストレスコントロールにも好影響があります。蓄積された脂肪を燃焼するには、心拍数130〜150程度(最大心拍数の4〜6割)で、20分以上の運動を行うと良いとされています。
 心拍数と時間をセットして、ジムなどにあるエアロバイクやトレッドミルなどで運動したり、週に3〜4回はジョギングやウォーキングで汗を流したりすると良いでしょう。日常生活の中でも、目的の駅のひと駅手前で降りて歩いたり、エレベーターを使わずに階段を登ったりするのもオススメです。
有酸素運動を続けて行うことにより、安眠というメリットもあると報告されています。
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カンタン!家でもオフィスでもできる筋トレ

 筋肉トレーニングとは、一定の負荷をかけて行うトレーニングのこと。ジムでのウエイトトレーニングやダンベルトレーニング、チューブトレーニングなど器具を使うものや、器具を使わずにできる腹筋、背筋、スクワットなどがあります。
 このトレーニングにより、瞬発力系の速筋が鍛えられます。遅筋と比べて、速筋は加齢によって早く衰えます。中でも大腿四頭筋と呼ばれる太もも前部の筋肉は、大きな筋肉だけに減少する率が高いので注意が必要です。減少すると、立ったり座ったりの動きがスムーズにできなくなり、歩幅が小さくなって転びやすくなるほか、腰痛やヒザ痛の要因にもなります。日常的に鍛えて欲しい筋肉ですね。
では、おすすめの簡単な筋肉トレーニングの方法をご紹介しましょう。

【簡単筋肉トレーニング】
・大腿四頭筋のトレーニング
椅子から立ったり座ったりを20回ほど繰り返します。30秒以上かかる場合は要注意!
・スクワット
  肩幅に足を開いて背筋をまっすぐにして立ち、両手を頭の後ろで組みます。そのまま腰をゆっくり下ろし、かかとが床から浮かないようにして、曲げたひざを伸ばします。この屈伸を8〜10回繰り返して下さい。
・腹筋
  あおむけに寝てひざを軽く立て、両手を頭の後ろで組み、腰を安定させて下さい。おへそが見えるくらいまで上体を起こし、お腹をひっこめて頑張りましょう。これを20回繰り返します。
・背筋
  手足を一直線に伸ばした状態でうつぶせに寝て、お腹を床につけたまま両手を両足を同時に上げます。これを10回ゆっくりと繰り返しましょう。
 このトレーニングでは、筋肉量を上げて筋肉の質を良くすることができ、同時に体脂肪とコレステロールを減らすことができます。エアロビクスなどの有酸素運動に比べて消費カロリー量は低いのですが、筋肉トレーニング後の方が運動後の代謝率が高く、また筋肉がつくことで代謝率が上がるため、運動していない時もエネルギーが燃えやすくなります。

 人間のカラダは、500gの筋肉を維持するために、1日あたり30〜50kcal以上が消費されています。ということは、脂肪のない筋肉を2kg増やせば、運動しない日でも1日あたり120〜200kcal以上消費することができ、食べても太りにくくなるのです。
 また若さを保つのに不可欠な成長ホルモンの分泌は、筋肉量が多い方が高くなることが解明されています。

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無理せず1日1回ストレッチ!

 グッと力を入れると筋肉は収縮しますが、自ら伸びることはできません。そのため、一度縮んでしまった筋肉をストレッチによって伸ばすことは、筋肉をメンテナンスする上でも大切なこと。運動前後には必ずストレッチを行って、怪我を予防しましょう。
 また日常生活時においても、筋肉はバランスをくずしたり、不均等に固くなったりしてしまうものです。そのまま放置すると、腰痛や肩こりの原因になり、姿勢も悪くなります。筋肉バランスをととのえるために、毎朝もしくは毎晩寝る前に、1日1回ストレッチをするよう心がけて下さい。無理しない範囲で、いつでもできるときにやると良いでしょう。
 ストレッチの効果としては、血行が良くなるために怪我の予防になるほか、腰痛や肩こりの緩和、関節可動域を広げる、ストレスの軽減、安眠などが挙げられます。女性らしい、しなやかでやわらかな筋肉づくりにも欠かせません。体をほぐすと、心までほぐれるから不思議です。
それでは、簡単なストレッチの方法をご紹介しましょう。
【簡単ストレッチ法】
・背中から腰のストレッチ
  ひざを立てて座り、両手でひざを抱え込みます。その状態で後ろにごろんと転がり、足を頭の上まで持って来ます。両手で腰のあたりを支えて、足を床に着くくらい伸ばします。ゆっくりと行って下さい。
・全身のストレッチ
  手足を一直線に伸ばした状態であおむけに寝て、両手・両足をそれぞれの指先に向かって伸ばしましょう。
・腰臀部側面のストレッチ
  ひざを立てた状態であおむけに寝て、両手を頭の後ろで組みます。右足の上に左足を乗せる状態で足を組み、そのまま右ひざが床に着くくらいまで左側に倒します。腰の側面がストレッチされ、腰痛に効果があります。足をかえて、反対側も同様に伸ばします。
・腹式呼吸でもエクササイズになる!
  呼吸は生命維持に欠かせない大切な運動なので、普段は自律神経の支配下で無意識に行っています。対して、深呼吸や腹式呼吸は意識的に行う呼吸です。腹式呼吸をすると、横隔膜が収縮・弛緩し、横隔膜の筋肉から脳の中枢に向けて多くのインパルス信号が発信されます。その結果、カラダへの様々な働きかけが行われるのです。現在明らかになっている「腹式呼吸の生理学的な効果」としては、下記のものが挙げられます。
 (1) 横隔膜のストレッチ効果
 (2) 内臓のマッサージ
 (3) 肺機能が高まる
 (4) 血圧を下げる
 (5) 副交感神経の活性化→消化・吸収・排泄のリズムが整う
 (6) 免疫力が上がる
 (7) リラックスをもたらす脳内ホルモンの分泌
では、一つずつご説明しましょう。
(1) 横隔膜のストレッチ効果……
  息を吐いてお腹をひっこめると、横隔膜が上に伸び、胸郭が下から持ち上がります。すると横隔膜がストレッチされ、横隔膜にある筋肉センサーが刺激されて脳の中枢神経に信号が送られ、「落ち着け」というようなメッセージが送られます。
(2) 内臓のマッサージ……
  横隔膜の上下動と腹圧の増減により内臓が刺激され、血液循環が活発になります。それによって全身が温かくなり、ホルモンの分泌が促されます。自律神経系のバランスも調整されます。
(3) 肺機能が高まる……
  意識的に吐くと、普段の呼吸では吐き出せない残気を出し切ることができ、その分、新鮮な空気が体内に入ります。空気と血液のガス交換が行われる肺胞は3億〜5億個もあるとされていますが、肺の下にある肺胞は重力によって圧迫され、通常の無意識呼吸では、肺胞の約20%は空気の出入りが行われていないと考えられています。呼吸が浅かったり、姿勢が悪かったりすると、その割合はさらに高まります。
(4) 血圧を下げる……
  血圧は様々な要因で下がることが解明されていますが、呼吸でも変動します。息を吸うときに血圧は高くなり、吐くときには低くなります。
(5) 副交感神経の活性化→消化・吸収・排泄のリズムが整う……
  血圧は様々な要因で下がることが解明されていますが、呼吸でも変動します。息を吸うときに血圧は高くなり、吐くときには低くなります。
(6)・(7) 「免疫力が上がる」「リラックスをもたらす脳内ホルモンの分泌」……
  横隔膜の上下運動が起こると、神経伝達作用により脳幹にある呼吸中枢が刺激され、ホルモンの分泌が促進されます。心を落ち着け、リラクゼーション効果がもたらされるほか、集中力を養うなど心への作用とも深く関係しています。
 腹式呼吸をするには、まず仰向けに横になり、お腹をふくらませながら鼻から息を吸い、お腹をへこませながら鼻から細く長い息を吐いてください。腹式呼吸は器具を必要とせず、気軽にできて心身に好影響があるエクササイズです。ぜひやってみて下さい。
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