トップページへ












自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
モンナージュ編集部
ドクター監修のアンチエイジングトピック
メディカル
更年期って怖いものじゃなかった。
〜知って安堵、あなたにも来る更年期の実際〜
モンナージュスタッフ林です。これから何年先にそうなるかわからないけれど、更年期という言葉に敏感になってくる年頃です。小学生のとき学校で「女の子には生理がある」と習ってすごくビックリしました。そのとき生理って得体の知れないものでしたが、通ってくるとなんてことない体のリズムでした。そして大人になって「女性には更年期がある」と聞いてまたビックリ。じゃあ更年期ってどんなものなんだろう? 更年期の症状については既にいろんな情報が発信されています。そこでモンナージュとしては「心持ち」の部分が知りたくなってきました。今回は「メノポーズを考える会」代表の三羽良枝さんにお話を伺ってきました。
1

「更年期=更年期障害じゃないんです!」

女性更年期の情報がメディアに堂々出始めたのは、たぶんここ5〜6年なように思う。女優さんが「私は更年期まっただ中なの」と公表して一躍市民権(?)を得て、そこからいろいろな情報が女性誌に登場するようになってきた。しかしどれもホットフラッシュだの、鬱だの、重たい症状の暗〜い話題ばかりが目に付く。私も将来こんな症状を味わなきゃいけないのだろうか…。
東京ミッドタウンクリニックの島田菜穂子先生と編集長寺山。思わず会話が弾んでしまった話しやすい先生です。何気ない会話からも患者側の情報を得ているらしい。

「更年期と更年期障害はまったく別物なんです。まずはそこから知ってほしいのです」とは三羽さん。

「まずは今の女性更年期がおかれる環境をお話すると、残念ながら女性更年期について理解を深めている医師が少ないという現状があげられます(編集部注釈:産婦人科の先生などは当然ご存じですが、それ以外の科目の医師の理解がまだ薄いという意味)。そして、更年期医療自体はどんどん進化しているのですが、その普及がまだ追いついていなくて、日本のどこにいても格差なく治療が受けられるとはまだ言えません。医師によっても医療の質にもばらつきが見られます。そんな状況なので、これから更年期を迎えていく人がどこで情報収集すればいいかもパッとわからない。女性誌の記事も編集方針で内容が様々ですし」。三羽さんが代表を務める『メノポーズを考える会』は女性更年期に悩む人の相談に乗ったり、情報提供したり、更年期にまつわるデータを学会に発表したりといった活動をしているNPO法人で、日々更年期まっただ中の女性と接触しながら活動している。ちなみにメノポーズとは英語で(閉経・更年期)を指す。

2

「更年期って実はいい時期。チャンスです」

三羽さんの胸元には、メノポーズを考える会のシンボルのブローチが。ピンクリボン。同じくピンクリボンをシンボルにしている、乳ガン検査啓発のピンクリボン運動とも協力体制にある。
三羽さんの胸元には、メノポーズを考える会のシンボルのブローチが。ピンクリボン。同じくピンクリボンをシンボルにしている、乳ガン検査啓発のピンクリボン運動とも協力体制にある。
う〜ん、冒頭から辛い現実をつきつけられてしまった気分。でもそれは違うと三羽さんは言い切る。「先にもお話した通り、更年期と更年期症状は別物。イコールではありません。更年期の不調は誰でも経験するものですが、生活に支障が出る症状を感じる人は全体の3割。更年期医療もどんどん進化しています。まったく怖がる必要はないんです。大切なのは更年期って何なのかを知ること。女性更年期はとかくネガティブに言われますが、実はその逆。女性にとっては体をリセットしたり、その後の人生を充実させるための準備期間のようなものです。これは本当よ」。

更年期は誰もが迎える精神面・身体的な変わり目の時期だという。加齢によって卵巣機能が低下して女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、やがてゼロとなる。卵巣機能低下は40歳あたりから始まり、その後閉経(閉経とは生理が1年以上なかった状態を言います)。日本人の平均閉経年齢は50歳前後と言われている。
ちょうどこの時期は、人間としての成熟期にあたり、人によっては子育てが一段落していたり、それまでの知識や経験が充実していたりと、20代30代と比べると、あらゆる経験値が豊かになっている時期だ。それまで仕事や家族などにパワーを注いでいたが、このころから自分のための時間が持てる人が多くなってくる。そのような時期にタイミングよく、自分の体と向き合う時期がやってくるのだ。

「更年期をどう過ごすかによって、それ以降の自分が変わってきます。エストロゲンが低下するので何かしらの体調不良はみんなにやってきますが、その時期に自分のヘルスケアをすることで、生涯にわたる健康作りができます。また更年期に医療の選択やライフスタイルの見直しといった経験をしておくと、老年期にとても役立つんです。更年期は医療、食、ライフスタイル、自分についていろいろ考えることができるいいチャンスだし、実際にそうなんです。女性としてこれからという時期」と三羽さん。んんっ?なんだかポジティブなメッセージがどんどん出てきて、最初の不安はどこへやら、少々拍子抜けしたモンナージュスタッフ。

更年期の過ごし方には、その人の気質がオーバーラップしやすいそうだ。自分の体の変化に前向きだったり、症状があるときフットワークよく対処する人がいる一方で、「更年期って嫌なものだ、認めたくない」という女性もいるらしい。
「でもね、更年期と向き合わないでそのまま老年期に入ると、取り返しのつかないことになる場合もあります。体のケアをしてこなかった、体力もない、気力もないとなると、後から治療しても治りにくい傾向が強いのです」と三羽さんは指摘する。無理に気持ちを張って更年期を過ごす必要もないという。無理はいつでも良くない。だけど、前向きに過ごしたほうがメリットは大きいのは明白。更年期は10年近くあるのだから、その時間の中で自分にあったものを選択しながら、自分も成長していけばいい。その意味でのチャンスなのだ。

80歳になるおばあちゃんが骨粗鬆症で悩んでいるという。そのおばあちゃんが『更年期を知っていれば、こんなに骨ももろくならなかったのに…』と言ったそうだ。骨粗鬆症といえば更年期の代表的な症状。更年期の時期にきちんと対処しておけば良かったという後悔の言葉なのだ(残念ながらその世代の人は自分にかまっていられない時代を通ってきている)。更年期をケアしながら過ごした人は老後に寝たきりになることが少ないというデータも出ているそうだ。このおばあちゃんの言葉は重い。だけど私たちには参考になる言葉だ。

3

これから更年期を迎える人にできることは?

更年期が体や心の節目であることがわかって、なんだか安心した。むやみに怖がる必要もないこともわかった。キラキラとした目でお話される三羽さんを見ていると、更年期に抱いていた不安もすっかりどこかに行ってしまった。なんせ、目の前に素敵な見本を見せつけられているのだ。三羽さんは、更年期を迎えてからのほうが元気が出たそうだ。だからといって気張ってはいない。穏やかな包容力がある魅力的な女性だ。肌もキレイ。いい更年期の過ごし方をしてきている結果だと思わずにはいられない。そんな三羽さんにこれから更年期を迎える人たちへのアドバイスをいただいたので箇条書きでご紹介。「更年期で右往左往したくないわよね」と笑顔で応えてくれた。

35歳を過ぎての体調不良は、婦人科に相談に行ってほしい。
ホームドクターに婦人科の先生を入れて欲しい。更年期に詳しい先生がベター。
年に1回でいいので女性ホルモン量を計測しておこう。閉経の時期も読める。
(血液検査で測定できます)
更年期の情報をいろいろ手に入れてほしい。
自分の体を大切にしておこう。暴飲暴食や睡眠不足を体にため込まないように。
社会との接点を持ってアンテナを伸ばしていこう(豊かな選択肢を得るために)。
ストレスを軽減させる習慣を身につけ始めよう。
更年期に対して「こうあるべき」とは思わず、柔軟に。
更年期の医療は決して高額ではなく、身近な医療であることを知っておこう。
 ホルモン充填治療だけでなく、漢方などいろいろな方法が選択できる。

これから更年期を迎える人にできることは?

ともすると、私達は自分の母親だったり、職場の先輩だったり、更年期を迎えている人の姿を知らないのではないだろうか?実際に私も離れて暮らしているので自分の母親がどう更年期を過ごしているか知らないし、話題にものぼらない。そのため更年期への理解に乏しく、漠然と不安や怖さ、根拠なしにマイナスイメージを持ってしまう。さまざまな女性誌を見ても、更年期症状の処世術ばかりが目に付き、なお一層不安になっていた。三羽さんのお話を聞くまでは。
「更年期人口がこんなに多いのは、私達の世代が初めてなんです。なのでここできちんとやっておけば、次の世代に引きづけると思っています」と三羽さんが微笑んでいた。そう、私たちは、こういった先輩方のノウハウが手に入って、更年期医療も充実した中で更年期を迎えられる、ラッキーな世代のだ。

 取材にご協力いただいだきました
代表の三羽良枝さんと。

NPO法人 メノポーズを考える会
ホームページ >>

<写真>
代表の三羽良枝さんと。

▲ページのトップに戻る
 
 
 
  サイトマッププライバシー・ポリシーサイトのご利用に際して