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モンナージュ2周年記念特別対談
アンチエイジングの変遷・現状・展望 モンナージュ2周年記念特別対談
アンチエイジングの変遷・現状・展望
 昨今テレビや雑誌でも頻繁に特集が組まれ、医療、美容、健康などの幅広い分野を巻き込んでの一大ブームになっている「アンチエイジング」。当初「女性の美容、若返り」というイメージで一人歩きしていたアンチエイジングも、ここ数年で「男女を問わず、内側から健やかな若々しさを保つこと」に焦点が置かれるようになり、アンチエイジングという言葉の持つ本来の意味が認識されるようになってきたようです。昨年夏に京都で開催された抗加齢医学会総会も大盛況で、 内科や皮膚科、婦人科など科目を越えた連携が生まれ、新しい可能性が広がりつつあります。
 モンナージュ2周年を記念して、モンナージュでもすっかりおなじみのアンチエイジングの第一人者、同志社大学生命医科学部・抗加齢医学研究室教授の米井嘉一先生と、銀座アンチエイジングラボラトリー所長の森田祐二先生、そしてモンナージュ編集長寺山の対談を実施し、ここ数年の日本におけるアンチエイジングの変遷、現況、そしてこれからの展望を熱く語って頂きました。
モンナージュ2周年記念特別対談 アンチエイジングの変遷・現状・展望
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この2年間でのアンチエイジングの変遷

2008年4月初旬、桜は咲いているものの少々肌寒い京都へ向かいました。今回は、米井先生が教授を務める同志社大学生命医科学部・抗加齢医学研究室(アンチエイジングリサーチセンター)にて対談を実施しました。
 モンナージュがスタートした当初と比べ、この2年間でアンチエイジングを取り巻く環境や、アンチエイジングの認知度は大分変わってきたようです。まずは、アンチエイジングの変遷と現状について米井先生と森田先生にお伺いすることから、対談はスタートです。
寺山いく子編集長(以下寺山):4月1日から「特定検診、保険指導」……通称「メタボ検診」が始まりました。2年前と比較すると、具体的なことは知らないまでも、「アンチエイジング=女性の美容」という一般の方々の誤解は大分解けてきているように思います。実際2年前と比べて、アンチエイジングの認知度はいかがでしょうか。 モンナージュ2周年記念特別対談 アンチエイジングの変遷・現状・展望

モンナージュ2周年記念特別対談 アンチエイジングの変遷・現状・展望米井嘉一先生(以下米井):アンチエイジングの認知度は高まってきましたし、現在でも高まりつつあります。「アンチエイジング(抗加齢医学)」という言葉が、健全な形で広まりつつありますね。我々には学会を通じて、アンチエイジングという言葉に変な意味がつかないように育てていく責任もあります。

寺山:抗加齢医学とアンチエイジングという言葉が結びついている方々は、一般ではほぼ皆無でしょうね。

米井:当初は医療従事者向けに、「抗加齢医学は学会・学問・医学だ」という形で進めて来ました。ところがインターネットの発達・普及により、アンチエイジングという言葉が出て来たので、抗加齢医学会としてもアンチエイジングという言葉を使っていかないと、一般の方々と認識の差が発生してしまうんですね。学会のホームページでもアンチエイジングという言葉を使いながら、「アンチエイジングは学問」ということを認知して頂くよう、広報面でも努力しています。

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抗加齢医学会が秘める大きな可能性

昨年の夏に京都で行われた抗加齢医学会総会は、非常に盛況でした。内科、外科、皮膚科、整形外科、婦人科、歯科……様々な科の先生方が集まって研究発表をし、医療従事者や企業も交えて、活発な意見の交換が行われていました。そこには今までの縦割りの学会にはない、自由で可能性に満ちた交流がありました。2008年の学会総会は、6月に東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われます。

米井:2008年度は3000人規模の学会総会を予定しております。今年の4月で会員数が6000人になる予定ですが、最近会員数の増加は横ばい傾向ですので、もっと会員数を増やし情報交換を活発にするためにも、対策を考えねばなりません。

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森田祐二先生(以下森田):やはり、数はパワーになりますからね。アンチエイジングに対する意識の高い方々が集まって、その数が多ければ多いほど、組織としての力になります。抗加齢医学会の良いところは、医師や医療従事者以外の方々でも入会できるところです。このような学術団体は、なかなかありません。学会に参加すると非常に楽しいですし、とてもオープンで良いと思います。

寺山:私たちモンナージュスタッフも、会員に入れて頂いています(笑)。通常、学会での研究発表の内容は、一般的になかなか触れられないもの。それを拝見したり拝聴させて頂けると、非常に勉強になります。

森田:それは、我々医師にとっても同様です。内科一つを取っても呼吸器内科、消化器内科など色々な科がありますし、外科などの他分野の話になると、縦割りになりがちな他の学会ではなかなか聞けません。抗加齢医学会では他分野の話が聞けるので、我々にとっても非常に勉強になりますね。そこで、新たなヒントを得ることもあります。せっかく良いアイディアを持っていても、それが一つの場に集まらない限りは、独立した形でしか進まないというのが現状。それが、抗加齢医学会という土俵ができたことによって、色々な分野の方々が入って来られるようになりました。持ち寄ったアイディアから更に新しいものが生まれるようになったのは、とても良いことではないかと思います。

米井:その通りですね。僕の後輩に非常に優秀な内科医がいるのですが、美容などに関しては全然知識がありませんでした。その彼が開業を機に抗加齢医学会に興味を持ち、色々勉強したそうです。ある時彼は、幾度と食事指導をしてもコレステロール値が下がらない患者さんに、肌を綺麗にするアプローチをして食事面などの指導などをしました。その結果、肌が綺麗になって患者さんはとても喜びましたが、同時にコレステロール値のデータもすごく良くなったそうです。抗加齢医学には、こういう効果もあるんです。

森田:抗加齢医学によって、日々の生活指導の幅がものすごく広がりましたね。それまではありきたりの、パターン化したことしか言っていなかったんですが、アンチエイジングというキーワードを使うことで、色々な角度から指導できるようになりました。患者さんからも「こういう指導をして下さる医師は、他にいない」と、非常に喜ばれます。アンチエイジングからアプローチする方が、行動変容に繋がるんですよ。

米井:そうそう! 行動変容に繋がり、結果がついて来るんですよね。

寺山:アンチエイジングをキーワードにして指導した方が、患者さんも「頑張ろう!」という意志が沸いてくるんでしょうか。

森田:そうですね。言い方一つ、視点一つによって、人間って動いたり動かなかったりしますものね。そういう意味では、アンチエイジングは非常に良い入り口なのではと思います。

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高齢者に希望を与える「アンチエイジング外来」

 今までアンチエイジング治療は全て自由診療でした。自由診療には健康保険が利きません。2〜3割自己負担の保険診療と比べて、自由診療は高額になるため、予防医学として非常に優れていても、一般の方々にはなかなか取り付きにくい面があるのも事実。一部の健康に対する意識の高い方や、金銭的に余裕のあるセレブリティーの方が、その恩恵を享受しているといった傾向も実際にあります。ところが今回、米井先生より吉報がもたらされます!

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米井:アンチエイジングを真に理解した医師たちは、自らどんどん良いことを行っています。例えば、京都大学の中にアンチエイジング外来ができたのをご存じでしょうか。母体は老年内科ですが、このアンチエイジング外来は保険診療で行っているんです。患者さんは骨の老化や動脈硬化が進んでいる老人の方々ですが、その方々にアンチエイジング外来は、まず名前で希望を与えているからすごく良いのです。それまで「老年内科」に通っていた骨粗鬆症の患者さんが、「アンチエイジング外来」という名前でやる気になる。同じ内容の治療を行っていても「私たちはアンチエイジング外来に通っているんだ!」って、嬉しくなるんです。

森田:それは非常に良い取り組みですね! 保険診療でアンチエイジング治療を行えないことが、今までネックになっていたのですが、京都大学の取り組みはモデルケースになります。

寺山:患者さんにとってアンチエイジング外来に通っていることが、ちょっとしたステイタスにもなりそうですね。名前の違いでやる気になるなんて、革新的!

米井:ええ、革新的です。骨粗鬆症の他にも、動脈硬化や筋肉の衰えの治療など、健康保険を使ってできるアンチエイジング治療は色々あります。

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寺山:米井先生は以前、「老化は足から来るから、歩かないといけない」とおっしゃっていましたが、歩くためには筋肉が必要ですよね。年齢を重ねると共に筋肉が落ちてしまい、歩かないと骨密度も落ちるという悪いスパイラルにはまり、そこから脱却するのが大変になってしまいます。アンチエイジング外来に行くことで、「まず歩くことから始めよう」と前向きな気持ちに変わるだけでも、大分違いますよね。

米井:ええ。他の科で相手にされなかった患者さんたちも、アンチエイジング外来に来ることで「やればできるかも!」と、希望を持ちますからね。

森田:80歳近くになると、いつお迎えが来てもおかしくない世代と思われていますよね(笑)。でもアンチエイジングの見地から言うと、人間は120歳くらいまでは生きる可能性を持っているので、80歳の方だとまだ寿命が40〜50年あるわけです。

寺山:そう考えると、「70代80代はまだまだ若い」とことになりますよね。

米井:4月から75歳以上の高齢者を対象に「後期高齢者医療制度」が施行されましたが、「後期高齢者」なんて名前が悪すぎます!(笑) とても失礼ですよね。

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寺山:今は65歳でも「高齢者」ということになっていますが、世の中の65歳の方々って、全然老人じゃないですよね。

森田:120歳が人間の寿命と考えると、まだ人生の半ばですからね! ようやく中年に差し掛かったかなっていうところですよね。

寺山:最近では40〜50代の方々も、見た目も若くどんどん体力がついていて、元来のその年齢のイメージに染まっていない方がいっぱいいますよね。

米井: 80歳になった時に60歳くらいにしか見えない方たちが、これからどんどん出て来ると思いますよ。

寺山:そうなった時に、抗加齢医学会のように色々な科の医師が横の繋がりを持っているというのは、非常に心強いですよね。

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抗加齢医学会が結びつけた歯科と医科

 今まで医療の世界は縦割りで、横の連携がありませんでした。しかし、抗加齢医学会ができたことにより、様々な科の医師や医療従事者の横の連携が生まれ、新たな医療の可能性が生まれています。歯科と医科を結びつけたことも、抗加齢医学会の大きな功績のようです。

森田:横の繋がりが強いというのは、抗加齢医学会の一つの特徴です。現状の医療現場では、なかなか横には繋がらないんですよ。歯科と医科の繋がりができたのも、非常に画期的だと思います。今まで歯科と医科は、全く別のイメージでしたからね。

米井:歯科の先生に学ぶことは、非常に多いのです。

寺山:去年の抗加齢医学会総会で、歯科医の先生が「歯を治したら糖尿病が改善した」という研究発表をされていて、歯と健康は密接に関わっているのだと実感しました。

森田:歯はすごく重要です。噛み合わせが良いかどうかで、スポーツのパフォーマンスも違って来ると言いますし。歯は目と同様、一番老化を実感するところですよね。

寺山:今まで歯科と医科の繋がりがなかったというのは、カルチャーショックです。歯科と医科の繋がりができ、連携プレイをすることで人々の健康を維持していくことが身近になって来たのだと伺って、感銘を受けました。

米井:糖尿病の世界では東京大学の門脇孝先生という方が第一人者で、ガイドラインなどの政策の策定に関与していらっしゃるのですが、抗加齢医学会にてお話を伺っていると、糖尿病の患者さんの約3割が歯周病を抱えているそうです。そしてそれが炎症を起こすという悪循環になっているため、歯のこともガイドラインに盛り込もうという画期的な方向に進んでいます。もし抗加齢医学会がなく、内科だけでガイドラインの策定をしていたら、歯のことは全く考慮されていなかったでしょう。

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寺山:専門があって、それぞれにエキスパートの先生がいらっしゃるのは素晴らしいことですが、横の連携のあるなしで医療の形は随分違って来てしまうようですね。

森田:「白い巨塔」ではありませんが、今まで医療は縦社会でしたからね。内科の中だけでも、縦社会が何本か存在していました。それが抗加齢医学会により横に繋がったのは画期的。非常に発展性と希望がある学会だと思います。

寺山:ましてや、病院に行って「肌を綺麗にしましょう!」なんて言われたら、本当にやる気が出ますよね(笑)。

森田:そういったアプローチをしていかないと、これからの医療はダメでしょうね。今までのように上から「ああしろ、こうしろ」と、病気のことばかり言うのではなく、「健やかに、若々しく、綺麗に」というところを盛り込みながら診療をしなければいけない時代に入って来ているのでしょうね。

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「未病」の段階で病気を食い止めろ!

 最近、「未病」というキーワードを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。未病とは、「病気ではないけれど健康でもない状態」のこと。病院に行って検査しても異常はないのに、体のどこかに不調を抱えている……この段階で早め早めに手を打っておくことが、病気のリスクを回避し、ひいては医療費の削減にも繋がるのです。

寺山:一般の人たちも、病気になって痛みを抱えてから病院に行くのではなく、先生たちがおっしゃっている「未病」のうちに病院に行くようになるといいのですが。病院で「どこも悪くないよ」と言われるような状態でも、未病のうちにやれることをやっていくという心構えも大切でしょうね。

米井:アンチエイジングドックでどこも悪くなくても、衰えている弱点があるわけですから、「じゃあ今のうちそこを治そう」となるといいですね。どこも悪くないのなら、わずかしか健康を損ねていないわけですから、治すのも簡単ですし意義も大きい。大きく損ねてから治すのは大変ですが、少しだけしか損ねていなければ、治すのも簡単なのです。

寺山:病気になってから治すのでは、時間もお金もかかる。でもそれが、未病の状態で治すことで小さく軽く済めば、健康を長く維持していけるんですね。

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森田:メタボリック・シンドロームなども「ドミノ倒し」に例えられるようです。最初のドミノが内蔵肥満で、次に高血圧、高脂血症、糖尿病という3つの生活習慣病があって、その次に合併症があって、最後に動脈硬化性疾患で亡くなるという、一連の流れがあるという考え方です。最初のドミノで何とかしない限り、もし倒れてしまったらどこかでせき止めない限り、レッドカードをもらって「退場」になってしまいますからね(笑)。

寺山:誰もが、そのドミノ倒しにはまる可能性があるわけですね。

森田:ええ。ドミノ倒しにはたくさんルートがありますが、完璧な生活習慣を行っている人はなかなかいないわけですから、みんな少なからず倒れているんです。それをなるべく途中でせき止めつつ、倒れないようにしようということなのです。

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自発的なアンチエイジングドック受診のススメ

 未病の段階で自分の体の弱点を知り、食事や運動などのアプローチにより内側から綺麗にしていくことが大切なようです。自分の体の弱点を知り、適切な対策をとるためにも、アンチエイジングドックを受診することが理想的なのですが、その際に必要なのは「自発性」。自分で自分の体に意識を向けてメンテナンスしていくことが、これからのハッピー&ヘルシーライフに欠かせない秘訣のようです。

寺山:これからは、何もしないで健康自慢をするのは良くないと思うのです。アンチエイジングドックに行くとか、1年に1回健康診断を受けるとか、自分に対するメンテナンスをしっかりした上で「大丈夫だった」ということでないと。男性は数字が好きですから、お酒を飲みながら数値を語れるくらいに、アンチエイジングドックが浸透するといいと思うのですが。女性は「肌を綺麗に」と言われると、比較的行動に移しすいですが、男性はなかなか行動に移しませんよね。健康に対して意識のある男性は、元々スマートですし……。抗加齢医学会の先生方も、太っている方はいらっしゃいませんね。

米井:医師たちは皆、抗加齢医学会に入るとやせるんですよ(笑)。学会に入ることで「やせなくちゃ」と思うみたいです。早食いを反省して食事をよく噛んでゆっくり食べたり、運動したりして、一年で3〜5キロくらい自然な形でやせる方が多いようです。

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森田:タバコを吸っていた医師も、禁煙するようです。普通の学会会場では休憩時間などにタバコを吸っている人が多いのですが、抗加齢医学会では誰も吸っていませんでした。

寺山:抗加齢医学会に入ることで、自らも健康志向が強くなるようですね。先生方は、ご自身の健康に気を遣われていることはありますか?

米井:食べ過ぎずよく噛んでゆっくり食べること。外食が多いですが、サラダなどの野菜だけを食べるタイミングを作るようにしています。それと、歩くこと。まだ、この建物のエレベーターに乗ったことはありませんよ!(編集部注:米井先生の教授室は建物の4階にあります)

寺山:私は今まですぐタクシーに乗っていたのですが、森田先生の「東京は無料のジム」というお言葉で、極力歩いたり、エスカレーターを使わずに階段を登ったりするようになりました(笑)。

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森田:僕もエネルギーを使うように、なるべく体を動かすようにしていますね。僕も東京にいる時は外食が多いですが、「帳尻合わせ」という考え方をしていて、1週間単位で栄養のバランスを取るようにしています。

寺山:森田先生の体脂肪率は10%以下でとても低いですが、一度その体脂肪率と生活リズムを手に入れたら、崩れにくいのでしょうか。

森田:体脂肪率をキープするような生活パターンになっているのでしょうね。

米井:ただ、体脂肪率があまり低いと、フリーラジカルに対する防御力がなくなって来るんです。脂肪は体を守るためにあるので、多すぎてはダメですが、ある程度あった方がいいですね。

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寺山:私は以前、30%近くの体脂肪率がありましたが、加圧トレーニングを始めて10%減りました。今は家で週1回、30分程度加圧をやっていますが、体脂肪率は22〜23%をキープしています。体重は数キロ程度しか変わっていないのですが、脂肪と筋肉の比率が入れ替わった感じです。「1年やればここまでできるんだ」「1つでも続けられたんだ」という達成感があって、それを味わうと楽しくなりますし、効果が出て来ると続けやすくなります。こういうきっかけを、他の方にも広めて行けるといいなと思います。体を動かすことで体が変わって、それを維持していく楽しさや、アンチエイジングドックで数値が改善していく面白さを、モンナージュで伝えていけたらいいですね。そもそも私が加圧を始めたのは、アンチエイジングドックを受けて自分の弱点を知り、底上げしようと思った結果です。

森田:従来型の検査と違い、アンチエイジングドックは視覚に訴えますから、きっかけになりやすいですよね。職場の健康診断は会社から「行け」と言われて行くので、受け身で自分の問題としてとらえていない。そういう方に数値を色々注意しても耳に入らないため、翌年も同じことを繰り返してしまう。今の健康診断は形だけこなしていて、予防医学になっていないんです。自費でやらない限り、本人に自覚がなくて有効性がないのでしょうね。「症状がないから健康なんだ」と思っている人が多過ぎる。症状が出るのは、相当まずい状態なんです。
その点、アンチエイジングドックは全く切り口が違い、自分の問題としてとらえてもらえる。そういう意味では、アンチエイジングドックの導入は、予防医学を転換する大きな力になると思います。ただコストの問題や方法論の問題があり、導入が難しいようですが、良い方向に持って行けたらと思います。

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これからのアンチエイジングの展望

 今まで何となく「アンチエイジング=レーザー治療のような女性の美容」というイメージを抱いていた方も多いと思います。でも表面ばかり綺麗にしても、内臓の調子が悪いと、また同じ場所にシミやシワができてしまいます。本当のアンチエイジングとは、体の内側から健やかに美しくしていくもの。マスコミも一般の人々も、ここ数年でそのことに気付き始めて来たようです。
 医療・美容・健康など幅広い分野で、ますます注目が高まっていくアンチエイジング。お二人の先生方に、今後のアンチエイジングの展望についてお伺いしました。

寺山:美容業界では「肌はむき出しの内臓」と言われますが、肌を綺麗にするためには体の内側から綺麗にしなければいけないというのは、常識になりつつあります。そのために、正しいサプリメントの摂り方とか、よく噛んでゆっくり食べるとか、食に関する意識がここ1〜2年で高まっているという実感があります。

米井:「日経ヘルス プルミエ」という、30〜50代の女性をターゲットにした、若さや美しさを追求する雑誌が創刊されましたが、やはり内面的なものをすごく重視しています。

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寺山:今までは、くすみ対策というと「角質を拭き取りましょう」という感じでしたが、「脂っこいものを食べていませんか?」「腎臓や肝臓に負担をかけていませんか?」という項目が、美容の特集に出て来るようになったのは、今までとの大きな違いです。内側の意識の高い方が60代、70代になった時にどれだけ綺麗で若くいられるか、これから見られるでしょうね。そういう女性たちがパートナーの食の部分を握ることで、寝たきりでない本当の健康長寿が実現して、医療費が削減されるといいですね。
 最後に、先生方がアンチエイジングというステージでこれから何をされていきたいか、教えて頂けますか?

米井:日本の良いアンチエイジングの情報が、海外に広がって行くといいですね。アジアの人々は、日本にとても注目しています。マレーシアは発展途上国であるのに、急速な高齢化を迎えています。アンチエイジングが国家的な急務で、日本に学びたいという姿勢があるので、きちんと伝えて行きたいですね。欧米の抗加齢医学は進んでいますが、日本とは違う進み方。日本は既存の内科、外科などの医師たちに根付いた抗加齢医学ですが、欧米はそれとは様子が異なっています。日本の老年内科は我々と連携プレイをしており、その結果、京都大学の老年内科の中にアンチエイジング外来ができました。これからも、良い形で進めて行けると思います。

森田:東京はともかく地方では、アンチエイジングはまだまだ認知されていないというのが現状です。僕のふるさとの北海道で、アンチエイジングが定着するような活動を地道にやっていけたらと思っています。ようやく札幌医科大学が動き出しつつあるのですが、北海道ではまだまだ医師の頭が硬いのです。そういった医師たちの意識を変えるようなことを、地元でやりたいと思っています。

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米井:確かにその通りです。僕も先月は宮崎に行き、来月は岩手・盛岡に行く予定ですが、地方にはなかなか頭の硬い先生がいらっしゃるんですね。京都大学の保険診療の例や、医師会と県がタイアップしてアンチエイジング医療をやろうとしている福井の例など、良い例を呈示していきたいと思います。

寺山:大きな将来性・可能性を含んだアンチエイジングですね。モンナージュも微力ながら、応援させて頂きます!

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