ホルモンは、老化度を測る尺度のひとつであり、人が若さを保つために目に見えないところで重要な役割を果たしています。
たとえば「DHEA」というホルモンがありますが、これにはストレスに対する抵抗力や、体内の免疫システムを強化する働きがあります。他にも感染症やガン、冠動脈疾患、骨粗しょう症などの発病率を下げる働きがあり、また血中のコレステロール値を安定させ、成人糖尿病の発症を予防する仕組みにも関与しています。
DHEAは「ホルモンの源」のような役割を果たすホルモンで、DHEAからは男性・女性ホルモンやタンパク質をつくる「タンパク同化ホルモン」など、合計すると50種類ものホルモンが作られています。まさに、若さと健康を保つためには欠かせないホルモンですが、30代を過ぎると分泌が急激に減り、その結果、体にさまざまな影響を及ぼします。
女性ホルモンの代表である「エストラジオール」の分泌量も、年齢に応じて変化します。エストラジオールは卵巣で作られ、月経周期や子宮内膜の周期的な変化などをコントロールする働きがあるほか、皮膚の結合組織である「コラーゲン」の生成をサポートしたり、骨粗しょう症を予防したりします。そして強力な抗酸化物質として、活性酸素などのフリーラジカルが動脈を攻撃するのを保護する役目も持っています。しかしながら、女性らしさや健康を保つために不可欠なエストラジオールは、20代後半から徐々に分泌量が減少してしまうのです。
エストラジオールの分泌量は、日本人女性の平均閉経年齢である50歳頃にかなり減少し、それにより更年期障害の代表的な症状である、のぼせ、ほてり、発汗が現れます。しかも、エストラジオールは閉経後も減少し続け、動脈硬化や骨粗しょう症、心疾患、尿失禁、アルツハイマー病といった症状をもたらすのです。
加齢によりホルモンの分泌が減少するということは、同時に免疫力やサビ止め機能も、有無をいわさず減少するということです。健康的で、女性は女らしい、男性は男らしい体を維持するためには、フリーラジカルの増加をできるだけ食い止めなければならないのです。 |