トップページへ












自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
米井嘉一先生
ドクター監修のアンチエイジングトピック
メディカル
〜米井嘉一先生のコラム〜糖尿病や心筋梗塞、うつ病にも関与するフリーラジカル 〜米井嘉一先生のコラム〜糖尿病や心筋梗塞、うつ病にも関与するフリーラジカル
1

大きな病気の誘因となる酸化と糖化

 フリーラジカルは、多くの人が苦しんでいる糖尿病にも深く関与しています。糖尿病患者の体を調べると、血中のビタミンなどの抗酸化物質が減り、フリーラジカルの発生量が多くなっているのが分かります。
 糖尿病になると動脈硬化が進行しやすくなり、神経や心筋もダメージを受けますが、それはフリーラジカルの多発が原因だと考えられます。また糖尿病は、網膜症や神経症、腎症などの合併症を起こしやすいのですが、これらは老化の症状とよく似ています。糖尿病も老化も、同じ体の部位に症状があらわれます。つまり、老化現象が極端に早くあらわれるのが糖尿病といえるでしょう。
 みなさんは「糖化」という言葉をご存じでしょうか? 糖尿病の正体がこの糖化なのです。糖化は酸化と同時進行して、老廃物が細胞内に沈着、蓄積します。心筋梗塞は動脈硬化が原因で起こりますが、じつは動脈硬化も酸化と糖化の両方の影響によるものだと解明されています。中性脂肪やコレステロールは、糖化のみならず酸化の前駆物質でもあります。それらが血液中で増えると、酸化と糖化により、血管の壁はどんどん狭くなってつまりやすくなり、動脈硬化が進みやすくなります。
 糖化には、体内の所々で起きる酸化のダメージを助長する働きがあります。そうすると、フリーラジカルはますます多発してしまいます。酸化と糖化は密接な関係にあり、糖化そのものが老化に直結するという研究成果も出ています。特に両者がそろうと老化の危険度は2倍にも4倍にも増えます。酸化と同様、糖化にも要注意なのです。

モンナージュ
2

紫外線によるサビが、お肌を老化させる!

 フリーラジカルは呼吸することで発生し、少量なら人体に有益です。それが、大量に発生して人体に悪影響を及ぼすのは、一体何故なのでしょう?
 実は、私たち現代人は、フリーラジカルを発生させる危険因子に囲まれているのです。お肌の老化の原因は紫外線やタバコですが、この2つはフリーラジカルを大量に生む代表。特にタバコは、フリーラジカルを生む最大の原因といえるでしょう。タバコはカドミウムを多く含み、これもフリーラジカルを増やす原因に。また、フリーラジカルは遺伝子にもダメージを与えるため、癌にもなりやすくなるのです。
 このほか、フリーラジカルの発生源には、次のようなものがあります。

アルミニウムや鉛、ヒ素といった悪玉の重金属
水銀(マグロなどの大型回遊魚に若干含まれる)
大量の飲酒
精神的ストレス
排気ガス(水銀、NOX=窒素酸化物、カーボンパーティクル)
汚染物資
食品添加物
残留農薬
宇宙からの自然放射線
レントゲンに使われるX線
パソコンや携帯電話から出る電磁波

 みなさんがご自身の生活を振り返った時、当てはまるものが多いのではないでしょうか。まずは、こうした発生原因を知ることが、フリーラジカル対策には不可欠です。その次に、そのような因子を避けたり、減らしたりする意識を常に持ち、実行することが大切です。
 動脈硬化を促進させる要因には、高血圧や糖尿病、高脂血症、タバコ、ストレス過多などが挙げられます。この点からも、フリーラジカルを減らすサビ止めをしなければいけないことがわかるでしょう。

モンナージュ
3

ストレスによる血流の乱れが老化を早める

 現代人の多くが避けて通れないのが、精神的ストレスです。ストレスは多量のフリーラジカルを発生させますが、それは何故でしょうか? ストレスがかかると、自律神経に影響を及ぼします。自らの意思では動かせず、体温を調整したり、血管を開閉したりするのが自律神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経に分かれます。
 交感神経は、「闘争」や「逃げる」といった行為に関わり、副交感神経はリラックスや食事の消化吸収に関わっています。ところがストレスがかかると、交感神経と副交感神経のバランスに乱れが生じて、血管の異常収縮や拡張が起こります。すると、血液は流れたり、止まったりと不規則になります。
血液は体中に酸素を供給しますが、一度流れが滞ると、虚血=低酸素状態になります。そこに再び血液が流れると、「虚血再還流障害」という現象が起きます。その際に、サビの原因になる莫大な量のフリーラジカルが発生するのです。
 うつ病の原因の7割から8割までが、心身のストレスだといわれます。ストレスとフリーラジカルの関係を考えると、うつ病とフリーラジカルも全く無関係とはいえません。現に、うつ病の患者さんの体を調べたら、フリーラジカルを消去するSOD(スーパー・オキサイド・ジスムターゼ)などの抗酸化酵素の活性が低かったという研究報告もあります。
 ただし、ストレスが体のサビを助長するからといって、家にこもって外界と接触しないことは、返って逆効果です。ある程度のストレスは「快ストレス」と言われ、能率の向上や意欲の維持に役立つことが解明されています。
 高齢者も同様で、ストレスが皆無の状態では加齢による体の変化、とりわけ認知症が返って進行しやすくなってしまいます。
 ストレスが原因で生じるフリーラジカルも、少量であれば体に好影響がある。ストレスを避けるのではなく、抵抗力ひいては抗酸化能力を高めることにこそ力を入れるべきなのです。

▲ページのトップに戻る
 
 
 
  サイトマッププライバシー・ポリシーサイトのご利用に際して