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メッセンジャー
米井嘉一先生
ドクター監修のアンチエイジングトピック
メディカル
〜米井嘉一先生のコラム〜抜け毛・薄毛を引き起こす、フリーラジカルと紫外線を退けよう! 〜米井嘉一先生のコラム〜抜け毛・薄毛を引き起こす、フリーラジカルと紫外線を退けよう!
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加齢により髪が抜けたり、薄くなったりする理由

「最近、髪が抜けやすくなって」「なんだかボリュームも減って来たし」「薄毛が気になるなぁ」「髪の毛にコシがなくなったような……?」
 髪に関して、このような悩みを持っている方は、多いのではないでしょうか。これらの変化は、男女関係なく起こる髪の老化現象といえるでしょう。最近では20代の女性でも、髪の悩みを抱える方が増えています。髪の老化現象は、年を取れば誰にでも起こることですが、心がけや暮らし方しだいで髪の寿命を伸ばすことはできます。
 年を取ると薄毛になる主な原因は、紫外線による頭皮の老化です。紫外線を浴びると皮脂が「過酸化脂質」に変化し、それが抜け毛を促進させると言われていますが、原因は他にもあります。
 例えば、ストレスも原因の一つです。ストレスなどの要因で活性酸素が大量に発生すると、他の物質にとても攻撃的な「フリーラジカル(ペアになるべき相手を持たない不対伝子を持つ分子」になります。このフリーラジカルが増加すると、交感神経が興奮して血管が収縮し、毛根の血流が悪くなります。薄毛が加速する原因は、血行が悪くなることで髪に必要な栄養や酸素が行き渡らなくなるためです。「ハゲ」は遺伝的な要素もさることながら、ストレスなどの生活習慣も大きく関与しているのです。
 以前に市販されていた「コエンザイムQ10」入りの養毛剤には、1〜2パーセントのコエンザイムQ10が含まれていました。データなどは公表されていませんが、それを使った場合、産毛が生えるなどの効果が現れました。この例から「抗酸化能力=サビ止め能力のアップ」が、髪の健康とも深く関係していることがわかります。
 しかし、その後厚生労働省から「誰でも自由に購入できる市販品に、コエンザイムQ10が1パーセントも含有されているのは多すぎる」という指針が示されました。そのため、残念ながら現在の市販品には、0.1パーセント程度のコエンザイムQ10しか含まれておらず、ほとんど効果が期待できません。
 また、加齢により「エストロゲン」(発情ホルモン)の分泌が減少すると、薄毛を助長することが解明されていますが、髪に深く関与しているホルモンは他にもあります。それが、強力な男性ホルモン「テストステロン」です。
 テストステロンは、体内では主に毛根にある酵素によって代謝され、「ジヒドロテストステロン」に変わりますが、これは悪玉の代謝産物であり、細胞の遺伝子に働きかけて発毛を抑制してしまいます。感受性の強い人が脱毛症になりやすいのは、この代謝物が原因なのです(ジヒドロテストステロンは、前立腺肥大にも関与しています)。
 若い頃は、悪玉の代謝産物・ジヒドロテストステロンをつくる酵素活性は低いのですが、加齢とともに上昇していきます。それにより遺伝子の活性に変化が起こりますが、そのきっかけはフリーラジカルではないかと、私は仮説を立てています。
 ひとつの細胞の中には何千という遺伝子があり、スイッチがオンのものとオフのものが混在しています。そのスイッチのオンとオフのパターンが、若者と高齢者とでは異なるのです。例えば若者の場合、タンパク質合成や細胞分裂に関する遺伝子はオンになっていますが、高齢になるとオフになります。反対に高齢になると、タンパク質を壊す遺伝子のスイッチがオンになってしまうのです。私の考えでは、そのパターンを左右するのが、神経機能やホルモン量の変化、酸化や糖化といった因子です。
 高齢になるとジヒドロテストステロンが増加する理由については、きちんとした研究データがないため不明です。原因はこれから解明されていきますが、他のホルモンや神経機能の低下、フリーラジカルによる酸化が、ジヒドロテストステロンの増加に何らかの形で関わっていることは確かだと思っています。

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抜け毛・薄毛を防ぐためには

 では、抜け毛・薄毛を防ぐために、もっとも効果的な方法とは何でしょうか? それは、毛母細胞に酵素と栄養を補給することです。衰えていく細胞の新陳代謝を促せば、髪の寿命を長く伸ばすことが可能になります。また同時に、フリーラジカルの発生を抑制することも大切な方法でしょう。
 有効な対策としては、具体的に次のものがあります。

・紫外線対策をしっかりやる
・動脈硬化を防ぐ
・タバコをやめて、ニコチンによる血管収縮を防ぐ
・毛根の毛細血管の血流を低下させない
・十分な栄養補給(抗酸化サプリメントを摂る)
・頭皮マッサージ
・ストレスを避ける

 どれも重要な対策なのですが、特に重要なのが紫外線対策です。紫外線は肌を老化させるほか、髪にも悪い影響を及ぼします。女性は、UV(紫外線)カットの化粧品をつけたり、紫外線の強い夏場には帽子をかぶったりする方が多いと思います。ところが男性は、プライベートではキャップなどをかぶっても、仕事の時に帽子をかぶる人は稀でしょう。「スーツを着て帽子をかぶるなんて、カッコ悪い!」と思っている方が多いはずです。
 でも「カッコ悪いから」という理由で帽子をかぶらず、それが原因で髪が薄くなってしまう方が、もっとカッコ悪いのではないでしょうか?
 例えばパナマ帽のように、スーツに合う帽子もきっとあるはずです。最初はまわりも奇異な目で見るかもしれませんが、ぜひ自分に合う帽子を探して、炎天下を歩く時だけでもかぶってみてください。これこそ、意思の力があればすぐにできる「サビ止め対策」だと思います。

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