麻布十番の商店街の一角に、上質な隠れ家のようなヘルスケア・サロン「サキ カイロプラクティック」があります。暖色系に統一されたインテリア、やわらかな間接照明、空気を浄化する藻土塗りの壁……こだわりの内装には、「訪れる人々が、毎日の生活で溜めた疲れをゆっくり癒やせるように」という、院長の浅川岳彦さんの思いが込められています。
カイロプラクティックとは、「骨格の歪み、特に脊椎(背骨)の異常を、手技によって矯正することで神経の働きを回復する治療法」だそうです。
- カイロプラクティックは19世紀にアメリカで始まったもので、代替療法としては古いものです。カイロプラクティックとは、ギリシャ語で「手」という意味です。英語だとhands practice、日本語に直訳すると「手技」になります。「脳から身体のすみずみに至る神経網の働きがよければ、自然に健康を維持できる」という、東洋医学的な自然治癒力の考え方をベースにしています。
カイロプラクティックで体全体のバランスを整えることにより、脳からの神経伝達が十分機能するようになり、病気になりにくくなります。また、メンタルストレスで引き起こされる自律神経のアンバランスな働きを正常化することで、身体と心のバランスを取り戻すことにも長けています。日本では、身体に痛みが出てから対処療法的に行われていますが、本来は予防医学に近いものですね。
アメリカで始まった治療法だったのですね! モンナージュスタッフは、てっきり東洋医学だと思い込んでいました。
歴史のある治療法、カイロプラクティック。そもそも、浅川さんがカイロプラクティックを始めたきっかけとは、何だったのでしょう?
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実は昔、僕自身が患者だったんですよ。大学でフェンシングをやっていたのですが、20歳の時、練習試合で突きをやった時に違和感があり、2ヶ月くらい放置していたら足がしびれ、病院に行ったら椎間板ヘルニアと診断されて……。知らずに放置していたせいで悪化してしまったのです。手術を受けたのですが、椎間板を削ってしまったために関節の安定感がなくなりました。代わりに筋肉が関節を固定しようとした結果、腰が固くなってしまったため、鍼灸やカイロプラクティック、整体に通っていました。
そして30歳の時に、高速で大きなバイク事故を起こしまして。奇跡的に助かったのですが、左の首と肩を強打して、常に痛みがありました。その痛みがカイロプラクティックで9割方解消して感動したのが、この仕事に携わるようになった動機です。会社をスパッと止めて、カイロプラクティックの道に入りました。自分自身が満身創痍でしたので、患者さんの気持ちが分かる、いい治療家になってみせる、という思いがありました。
サキ・カイロプラクティックでは、カイロプラクティックの主な治療法である脊椎矯正(アジャストメント)をしつつ、マッサージも行います。なんとなく、カイロプラクティックとマッサージは異なると思っていたモンナージュスタッフ。同時に行う治療院はあまりない気もしますが……?
- カイロプラクティックで骨だけ矯正(アジャストメント)しても、筋肉が即座にほぐれるわけではありません。固まった筋肉もほぐさないと、治療効果が低いと僕は思います。マッサージだけだと「気持ちいい」で終わってしまいますし、片方だけでは治療効果が低いのです。ただ、両方やるのは手間がかかり、1日に診られる患者さんの数が限られてしまうので、やりたがらない治療家が多いようですね。
患者としては、脊椎矯正をして頂いた上に、マッサージで気持ちよくほぐしてもらえるなんて、至れり尽くせりといった感じです。 |