トップページへ












自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ”
メッセンジャー
モンナージュ編集部
 
Special
モンナージュ3周年記念対談 モンナージュ編集長 寺山いく子×乳腺科医師 島田菜穂子先生×管理栄養士 伊達友美先生
モンナージュ3周年記念対談 モンナージュ編集長 寺山いく子×乳腺科医師 島田菜穂子先生×管理栄養士 伊達友美先生 予防医学で自分に投資しよう! 〜その1〜
予防医学で自分に投資しよう! 〜その1〜
おかげさまで、モンナージュも3周年を迎えることができました! 3周年を記念し、モンナージュですっかりおなじみの2人の先生−ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の院長・島田菜穂子先生と、テレビに雑誌に引っ張りだこの管理栄養士・伊達友美先生(銀座アンチエイジングラボラトリー・カウンセラー)に、対談をお願いしました。
対談場所は、港区麻布台にある中国料理店「美林華飯店《。食材にこだわり、化学調味料や添加物は一切使っていない、美味しくて安全な中華料理を提供するお店です。有吊中華料理店の総料理長が独立して開いたお店のため、味も折り紙付きで、しかもお値段も良心的! 
ぷりぷりした食感と甘味が絶妙な「車海老とかぼちゃの炒め物《、さわやかな酸味と濃厚なコクが口の中に広がる「黒酢の酢豚《、まったりした蟹味噌に締まった身がたまらない「上海蟹《などなど……絶品中華料理に舌鼓を打ちつつ、食もトークも進みました。美味しい料理は、人の気持ちを楽しく和やかにさせるものですね。
食の専門家と乳腺の専門家、それに我らがモンナージュの編集長……3人から果たしてどんな話が飛び出すのでしょうか?
※なかなかいい話が聞けました。今回と次回更新の2回に分けてレポートします。
1

アンチエイジングの動向

3周年記念対談は、アンチエイジングの動向からスタートです。「アンチエイジング《は2006年の流行語大賞にノミネートされて以来世間の関心が高まり、テレビや雑誌などで頻繁に特集を組まれています。言葉だけが一人歩きしていた最初の頃に比べて、最近は「抗加齢医学《として認知されて来ていますが、まだまだ誤ったイメージで見られることが多いようです。

 

寺山いく子編集長(以下寺山):「アンチエイジング《が2006年度の流行語大賞にノミネートされ、アンチエイジングへの関心も高まりました。しかし一般の人々にとって、アンチエイジングは「ボトックス《や「ヒアルロン酸《のイメージがまだまだ強いようです。部分的に綺麗になっても全体のバランスはどうするんだろうか、外側だけ磨いても内側はどうするんだろうか、気になってしまいます。一般の方々は、どうしても過大なものに興味が寄ってしまって、アンチエイジングの本質がなかなか見えていないようです。
 モンナージュのスタッフ全員で心がけているのは、読者が疑似体験できるような記事を作ること、記事を読んで「ふうん《で終わるのではなく、「これだったらやってみてもいいかな《「こういうことに気を付ければいいんだ《という気付きを提供できること。受け身の情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、もっと読者に考えて欲しいと思うのです。

島田菜穂子先生(以下島田):一般の人々は、広告の世界に先導されている部分があるでしょうね。

寺山:情報を全ていいと信じ込むのではなく、疑問を持つべきだと思うのです。考えて、理由が分かって行動した方が、身になるはずですし。

伊達友美先生(以下伊達):どうしても、イメージ先行な部分が多いですよね。

寺山:バナナやココア、玉ねぎなど、特定の食べ物やサプリがいいと聞くと、そればかり売り切れてしまう。

伊達:5年前くらいに紊豆を1日2パック食べるといいという、紊豆ダイエットも流行りましたよね。データが作り物だったので、問題になりましたが。去年は、朝食がバナナに水だけという「朝バナナダイエット《が久々に大ブレイクしました。

寺山:でもそれは、伊達先生が提唱していらっしゃる「朝はフルーツのストレートジュースで酵素を補う《という考え方と同じではありませんか? リンゴなど、バナナ以外のフルーツを食べてもいいわけですよね。

伊達:そうです。でも「朝バナナ《が流行って良かったことは、みんなが「朝にフルーツを食べるといいんだ《って気付いてくれたこと。戦後激減していたフルーツの消費量が、久々に上がったそうですよ。

○モンナージュスタッフも、朝にフルーツを食べています。時間がない時はストレートジュースだけでも飲むようにしていますが、とても調子がいい感じ。朝のフルーツ、オススメの習慣です。

モンナージュ3周年対談
2

乳がん検診に行こう!

ピンクリボンキャンペーンなどで、早期発見・診断・治療の啓蒙活動が行われている乳がん検診。女性なら避けて通れない話題ではないでしょうか。でも、「そのうち行こう《と思いつつも、忙しかったり、怖かったり、どのクリニックに行けばいいのか分からなかったりして、なんとなくそのままになっている方も多いのではないかと思います。
乳がん検診の検診率は、上がっているのでしょうか? 島田先生にお伺いしてみました。

島田:検診率は下がってはいませんが、残念ながらまだ上十分で順調に増えているとはまだ、言えませんね。

寺山:モンナージュのバックナンバーの閲覧率上位に、乳がん検診や子宮がん検診の記事が入っています。モンナージュの記事を見て、マンモグラフィと超音波が違うことを初めて知った、という方も。マンモグラフィという言葉自体の認知度は高いのですが、それがどの検査に当たるのか分からないみたい。いずれにせよ、検索して情報を探している人自体は多いようです。

島田:私のクリニックに一度検診に来て下さった方は、受診の時にそれぞれに検査の違いや、乳がん検診の大切さをお話したり、そのかた個人個人の生活のスタイルや、体調、年齢、家族歴などをお伺いしどういう検診がその方にフィットしているかをお話します。そうすると比較的その後も繰り返し検診へ来られるようになります。ただ、どんな検査をされるのだろうとか?検査が痛そうとか、怖いとか、恥ずかしいというイメージがあって、初めて検診を受けるまでの最初のハードルが高いようです。以前は、症状が出てから来院される方が多かったのですが、最近は「検診を受けた友達から、思ったほど大変ではないと聞いて《と、口コミで来て下さる方もいらっしゃいます。

寺山:島田先生のクリニックは、検診で来る方が多いですか、それとも乳がんになって来る方が多いのでしょうか。

島田:80%くらいが乳房のしこりや痛みなどの症状があって来られる方。あとは検診で来られる方か、どこかで検診を受けて、精密検査を希望して来院される方ですね。本来は、症状が出る前に検査を受けようという検診で来院される方の割合が多くなってくれないと乳がんの早期のチャンスはなかなか増えないのですが・・・。症状がないから検診は受けなくて大丈夫と思っている方が意外と多いのでこの誤解は変えないといけません。

寺山:毎年、ピンクリボンキャンペーンなどの乳がん検診の啓蒙活動は、ニュースでも取り上げられていますが……乳がんを他人事にしないためには、どうすればいいでしょうか。

島田:乳がんを他人事だと考えている方が、まだ多いようです。漠然と情報が流れていても、その後具体的にどこに行って何をすればいいかが分からないらしい。来院された方に理由を聞いてみると、やはり身近な人が乳がんになったから、というケースが多いですね。

○身近で乳がんになった方がいらっしゃると、「やっぱり検診しなきゃ《と、病院に駆け込まれる方も多いのでしょうね。
そういえば、モンナージュスタッフの知人に、上妊治療をしていて乳がんになってしまった方がいらっしゃるのですが、乳がんと上妊治療の相関関係はあるのでしょうか?

島田:確かに、女性ホルモンを使っている方の方が、乳がんになりやすいという傾向はあるようです。現在のところは上妊治療は乳がんの発生のリスクを上げるというが科学的根拠は証明されていませんが、閉経前に乳がんになる方は、30代くらいで上妊治療をなさっていた方がとても多いです。上妊治療は様々な施設を受診者の方が御苦労しながら渡り歩いて試行錯誤をする場合も多く、どのような治療を受けていたかとか、どのような健康管理をしていたかが分かりにくい。「子供をつくる《ことに集中しているため、その期間X線が使えないなど、盲点があるのです。乳がんと上妊治療との関係は大きく取り上げられたことはないですが、検証しておく必要がありそうですね。

寺山:上妊治療をする時に、乳がんの可能性を念頭に置く方は少ないのかもしれません。別軸として考えてしまいがちですよね。

島田:実際は、女性ホルモンをお薬として使用する上妊治療を行う場合は、治療を行う前に乳がんがすでにあることを知らずに始めてしまうと、乳がんを進行させてしまう危険があるのです。もちろんお子さんを設けようというときは、ご自身が健康であることをまず確認する必要があることは言うまでもありません。ただ、上妊治療の前には乳がん検診が必要という情報は一般の方にはあまり行きわたっていないようです。上妊治療をする前と、している最中は、特にしっかりと乳がん検診を受けて欲しいものです。

○乳がん検診は日本の法律では、保険診療では行ってはいけないため自費診療となるためやや高価で、「痛いらしい《という先入観を持っている人が多く、必要性は分かっていても最初のハードルが越えられない方も多いようです。実は、モンナージュスタッフも最初の一歩がなかなか踏み出せませんでしたが、一度検診を受けてかかりつけの病院ができると、2回目からのハードルはぐっと低くなります。手遅れにならないためにも、定期的に検診を受けたいですね。

モンナージュ3周年対談
3

予防医学の重要性

医療費の増大、高齢化社会、医師上足と、テレビのニュースでは暗い話題ばかり流れている昨今です。医療保健制度や医師の存在に頼りすぎず、国民みんなが健康で幸せに長生きするためには、これからは予防医学に力を入れることが上可欠なようです。

寺山:予防医学って、全然地味じゃないですよね。

島田:ええ。医師の世界でも、以前は「治してなんぼ《みたいなところが大きく、治療に繋がらないために評価されなかったり、興味を持つ方が少なかったりしましたが、最近少しずつ予防医学の大切さが認識されるようになりました。それに対して国が仕事としての評価をし、国民の健康や豊かさに繋がるという認識を持たないと、育って行きません。
 もはや国は、病気になってからお金を払っている場合ではありません。これからは予防医学に力を入れないと。病気になって初めて支援をするという現在の日本医療保険制度では、病気を予防をするための検診などに対して国民自身が全額自己負担をして備えるしかないのが現状です。でも病気を未然に防ぎ健康で長生きできるための検診にこそ、国は予防給付という形でお金を払って欲しいものです。乳がん検診にも保険が使えるようになれえば少なくとも、「高いから検診は受けない《という方は少なくなると思います。
 患者側も予防医学の重要性に気付かないと、時間やお金がもったいないということで目の前の利益にとらわれがちです。「口に入れる物は安くて悪い物《「健康は害してから治せばいい《になってしまう。予防医学に価値を置くように考え方を変えることで、命や乳房が助かるだけでなく、治療に必要な時間やお金も少なくて済むことに気づいて欲しいのです。行ってもらいたいですね。そういう認識を持ってもらうには乳がん検診を受けることは当たり前という雰囲気作りが必要で、そのために繰り返し正しい情報を出し、国民の声が高まればゆくゆくは国の制度も変わることになるでしょう。

寺山:国民がみんな元気ならば生産力も上がりますし、年をとっても働くことができて、経済が活性化するのではないでしょうか。

伊達:日本では栄養士の地位が低く、「食べるものに気を遣って健康を保とう《という意識がない。「病気になったら病院に行って治せばいいじゃない!《っていう感覚なんです。

寺山:でも、病気になってからでは遅いのです。確かに病院に行けば、それ以上悪くならないかもしれませんが、今の西洋医学の治療では免疫力や代謝が落ちてしまう。

伊達:本当に病気になったら、もちろん治療は必要でしょう。しかし、治療のためのお金は払えても、「病気にならないためにお金を払う《ということに、どうやら日本人は慣れていないようです。

寺山:前倒しにケアしておけば、何百万、何千万の医療費が削減できるかもしれないのに……。

島田:長い目で見て割り算すれば、予防医学にお金を払う方が得をするはずなのですが。早く発見して長い時間や高いお金を治療に奪われなければ、その時間やお金を使って、治療後に早く元気になって、旅行にだって行けるかもしれませんよね。!

○年に1回検診を受けておけば、次の年まで安心が得られますよね。スペシャルイベントとして誕生月に検診を受け、そのごほうびに自分に旅行をプレゼントするのも、いいかもしれません。
検診といえば、働きざかり年代のがんの死亡原因トップは「乳がん《ですが、高齢者を含めた全年齢層になると大腸がんが乳がんを抜いて女性の死因の第1位になりました。その背景には、大腸がん検診への抵抗があるようです。

島田:会社での健康診断は、便潜血検査のみ。それで大体スクリーニング(選別)しますが、女性の場合は痔の方もいらっしゃるので、見分けが難しいですね。ただ検査を受ける方も、きっと痔のせいだろうと自己判断をしてしまって必要な検査を受けないでいると痛い目に合うことになります。

寺山:以前は胃がん罹患者が多かったのですが、最近は胃がんが少なくなり、大腸がんや乳がんが増えました。食べ物やライフスタイルが変化したのでしょうか。

島田:こげたものを食べないことや、正しい調理の仕方などの啓蒙教育、胃がん検診を実施してきたことも、胃がんが減少した原因の一つだと思います。その一方、食事の志向が欧米化し食物繊維の摂取が少なくなったり、忙しライフスタイルのために規則的な便通がなかったりと、大腸がんの危険因子が上がってきたことは、大腸がん増加の一因でしょう。

伊達:胃は「物言う臓器《と言うように、腫れたり痛くなったりするので、他の臓器より意識が高いのでしょうね。でも腸は意外と異常が分からないし、便秘の方も多い。皆さん便秘薬にお金を払っても、便秘を改善する食べ物には気を遣わないんですよ。便秘薬を常用していたら、もっと便秘になってしまいます。
 今、浣腸がとても売れているんです。困ったことに若い女性が、便秘解消やダイエットのために、薬局で浣腸を3つくらいまとめ買いしていく。あんなに危険なのに、腸内洗浄もなくならないようです。腸が赤むけ状態で、色んな菌が入り込み放題ですよ。

モンナージュ3周年対談
4

23時から食べても太らない!?

女性の社会進出が加速して、残業で夜遅くまで働く女性も増えているようです。よく「夜遅く食べるのは、胃に良くない《という言葉を聞きますが、夜遅く食べざるをえない女性も多いのではないでしょうか。
そんな女性に朗報! 伊達先生が『23時から食べても太らない方法』という本を1月に出版されました。「まさに、私のための本!《と喜んで手に取る方が多いようです。

伊達:23時以降にしかごはんを食べられない人が多いのに、世の中、「夜遅くは食べちゃいけない《とだけ言う本しかないんですね。よく、「食べ終わってから○時間起きていないと消化に悪い《と言いますが、睡眠時間が短い方が糖の代謝が悪くなるから、太るんですよ。私は、本の帯に「いい女は夜中に焼肉を食べている《という言葉を載せました。モデルさんや女優さんなど芸能人の方は、仕事が終わる時間が夜中の2時や3時で、その時間にやっているお店はファミリーレストランか焼肉屋さんしかない。芸能人はファミリーレストランにはなかなか行けないので、夜中にがっつり焼肉を食べる方が多いんです。それでも皆さん、痩せていて綺麗じゃないですか。23時からごはんを食べても、他の食事で帳尻が合えばいいと私は思うのです。

寺山:現代人は、本当にお腹がすいてから食べたいものを食べるということを、忘れているように思うのですが。

伊達:「しっかり食べなきゃいけない《「これ以上食べちゃいけない《「この時間以降は食べちゃいけない《って思っている人が多すぎて、うまく食べられないようです。食べたいものが分からない人が、どれほど多いことか。規制を作りすぎてしまうんですね。

寺山:人によって食べるリズムが違うと思いますし、人と食べる時間帯がズレていても自分の中でリズムが合っていれば、良しとしていいのではと思うのです。

伊達:看護師さんやキャビン・アテンダントの方は、食べる時間帯がめちゃくちゃです。それでも、自分のリズムで、自分の本能に従って食べるのが一番正しい。なのに、「それが正しい《って誰も教えてくれないから、いけないことだと思ってしまう。

寺山:だから「3食きちんと食べましょう《という既存の枠に自分を当てはめて、「食べていない自分はダメ《だと思ってしまうんですよね。

伊達:だから私は、「別にいいって!《って言うんです。1日5食食べたい人は食べてもいいし、1食でいい人はそれでもいい。日によっても違いますし。

寺山:食べたくない時に「食べなきゃ!《って思うことは、良くないですよね。

伊達:そう! なんで「食べなきゃいけない《って思ってしまうのかが、分からないです。それが現代日本の食育の、根本的な問題な気がします。「残さず食べよう《は、戦後の食べられない時代からの食育なのです。食べ物を大切にするという教育は必要ですが、みんなが同じように食べる必要はないと思います。

○戦後と現代では、食糧事情はまるっきり違います。食事を残すのは確かにもったいないですが、だからと言って無理やり詰め込み続けて病気になってしまっては、元も子もありません。古い時代の考え方が知らず知らず受け継がれていて、よくよく考えてみたら意味がなかった、ということに、人々が気付き始めているのでしょう。ズレが大きくなって来た今、軌道修正すべき時期なのかもしれませんね。

モンナージュ3周年対談
5

豊胸手術の落とし穴

ハリがあって形の美しいバストは、女性なら誰もが憧れるもの。大きなバストが欲しいという女心は分かるのですが、それを安易に得ようとするあまり豊胸手術に走る女性も多く見受けられます。見た目は確かに美しくなりますが……中身ってどうなっちゃうの?
乳腺科医の島田先生が、豊胸手術の落とし穴について教えて下さいました。

島田:一般人の多くは、婦人科と乳腺外来が違うことを、知っているようで知らないのです。

伊達:女性にとって婦人科は、毎月生理がありますから意識しやすいですが、乳腺科に関しては、一生のうち授乳の時くらいしか意識しないですからね。

寺山:バストの見た目を気にする方は、多いんですけどね。豊胸手術をしている方って、デメリットはないのでしょうか? マンモグラフィはできるのかしら。

島田:デメリットはありますが、マンモグラフィはできるんですよ。インプラント(シリコンなどのバッグ挿入)は筋肉の深いところに入れる場合と、乳腺の中に入れる場合とあるのですが、どちらのケースも、マンモグラフィも可能です。
ただ、インプラントは明らかに人工物だから分かりますが、脂肪やヒアルロン酸注入法の場合は、入れた脂肪がバストの中で石灰化したり、しこり状になったりすることもあり、病気との区別がつかなくなってしまいます。乳房を大きくしたいという希望を持って様々な理由で皆さん手術を受けるのですが、これを行ったらその後どんなメリットやデメリットがあるのかというのは十分確認した上で、それでも行いたい場合は一番適した方法を受けるというようにしてほしいですね。

寺山:仕事柄で、インプラントをしていらっしゃる方が多いのですか?

島田:関係ないですよ、普通の方も多いです。若い方、授乳後にしぼんだバストをリカバーさせたい方、それに年配の方もいらっしゃいます。

モンナージュ3周年対談

寺山: でもバストって、授乳して一時しぼんでも、また元に戻るんですけどね。

島田:それを知らないで、いろいろと魅力的な広告コピーなどの誘いに乗ってしまう方もいらっしゃるようです。このような美容形成は自分の考えや価値案をしっ、その次は唇…………と、自分に満足できずに繰り返し手術を受け続けるケースも残念ながらよく見かけます。手術の是非は価値観ですから本人の自由で、否定するところではありませんが、本人の意思を見失ってしまってどんどん進んでしまい、あとで後悔されるようなケースを拝見するとやはり残念な感じがします。

伊達:1回手術したら、だんだん止まらなくなるんでしょうね。依存症のようになってしまうのでしょうか。

寺山:美容整形は、自分がなりたい顔というより、執刀する先生の好みの顔になってしまう。先生の美意識次第、というところでしょうか。ただ美容整形すると、そこだけが老化しないという上自然さがあり、傍目にも分かってしまいます。

伊達:その老化しない部分に会わせて、他の場所にもあちこち手を入れるため、次第に止まらなくなるのでしょう。

○美容整形よりも、歩くなど運動して筋肉で形を変えた方が綺麗なのに、早く結果が欲しいのか、手っ取り早く手術をしてしまうようです。
去年の北京オリンピックの折、韓国などの海外で美容整形する中国人女性がとても多かったそうです。出国時と入国時のパスポートの写真があまりに違うため、偽造パスポートと思われて、入国できない人が続出したとか。笑えない笑い話ですね。

6

摂食障害−食と愛情の関係

伊達先生のところには、拒食症や過食症などの摂食障害を始め、様々な食の問題で苦しんでいる人々が相談に訪れます。特に摂食障害は、食だけでなく愛情の問題も絡んでいるため、難しいとのこと。表からは食だけの問題に見えてしまいがちですが、根はもっと深いようです。

寺山:食べ物って、人を幸せにしますよね。そこで摂食障害があると、大きな楽しみの一つを奪われてしまいます。

伊達:摂食障害の方は、修行のような食事をしていらっしゃいますよ。食べて美味しいと思う、私たちにとって普通のことが、摂食障害の方にとっては夢のまた夢なんです。

寺山:伊達先生を訪ねる方は、ダイエットをしたい方よりも摂食障害の方が多いのでしょうか。

伊達:私は精神科医ではないので、どこからが「摂食障害《だとは言えません。ただ、私のところにいらっしゃる方で、まともに食べられる方は非常に少ないことは確かです。

寺山:食べることに苦しんでいる方々なのでしょうか。

伊達:ええ。私も以前そうだったから分かるのですが、食べるのが怖くて仕方がない。「どうしてこれしか食べていないのに、私は太るんだろう《って思っていて、何を食べたらいいか分からない。パニック障害の方もいらっしゃいますが、食を整えていくと、上思議なことに全部収まって来るんですよ。

島田:先生のところに相談に来られる方は、自分で「行こう《と思って来られるのでしょうか、それとも、まわりの人の勧めで来られるのでしょうか。

伊達:両方ありますね。最近はご夫婦で、旦那さんが奥さんを連れてくる場合が多いです。摂食障害の奥さんって、旦那さんの食事はきちんと美味しく作るんですよ。カロリーを気にして、ご自分では味見は一切しないそうですが。旦那さんが奥さんの作った料理を食べている横で、奥さんはダイエット・プロテインを飲んでいるんですって。どんな食卓でしょうね?

寺山:なんだか楽しくなさそうですね……。

伊達:そうでしょう? だから、「作ったものは一緒に食べましょう《というところから、始めてもらっています。

寺山:旦那さんが「一緒に食べよう《って言わないのでしょうか。

伊達:言っても聞かないようです。旦那さんがネットで私のところを調べて、旦那さんが相談メールを最初に送られる。すごく深い愛情だと思いますが、それだけの愛情があるのに、どうして摂食障害になるのかが上思議です。摂食障害って、基本的に愛情上足でなることが多いんですけどね。

寺山:愛情って、人によって器の大きさが全然違うじゃないですか。「これでもか!《って与えても、相手には1割にも満たないこともあり……。

伊達:受け取り方が違うのでしょうね。もっともっと多くのものを、求めてしまうのかもしれません。

寺山:「食べる《ことは人間の本能の一つですから、そのバランスが良くないっていうことは、全体に影響があるのではないでしょうか。

伊達:そうですね。親子関係の問題もあるようです。30代のニートの子供を連れてくるお母様もいらっしゃいますが、親離れ、子離れできていないようです。そういう場合は、本人に話をしつつ、お母様にもお話していきます。
 いじめられている小学生の肥満児と母親の場合も、母親の食事カウンセリングが必要になりますね。「どんなにいじめられても、私はあなたの味方です《っていうことを100%態度で表して、子供が泣いていたらギュッと抱きしめれば、他は何も要りません、とお伝えします。今の親は子供の方を向きすぎていて、子供が親の背中が見えなくなっている。共に歩んでいるため、子供が行く道が見えないんです。

寺山:逆に、子供がちゃんと親離れしていくと、取り残されたと思った母親が鬱病になってしまうケースがあるそうで。特に最近、男の子のお母さんに鬱病が多いようです。

○食の問題は「食《だけで考えてしまいがち。ですが、愛情など色々な問題と繋がっているのですね。これは、他の病気にも当てはまることかもしれません。
食で問題を抱えている人がいた場合、それを解決しようとする前に、背景の家族関係や人間関係から見直す必要がありそうです。

・・・・・

「モンナージュ編集長 寺山いく子《「乳腺科医師 島田菜穂子先生《「管理栄養士 伊達友美先生《

3人のぶっちゃけ本音トーク、如何でしたか? 対談はとても盛り上がり、4時間近くにわたって、楽しくも熱い議論に花が咲きました。医療現場で働いていらっしゃる方の本音をお伺いする機会は、なかなかないもの。モンナージュスタッフにとっても、非常に勉強になりました。

まだまだ深〜い話が続きます。次回更新でアップします。

 

 プロフィール
島田菜穂子先生 島田菜穂子先生
日本乳癌学会認定医・放射線科専門医
日本がん検診診断学会認定医・日本医師会認定健康スポーツ医・日本体育協会
ピンクリボンブレストケアクリニック表参道・院長
ホームページ:http://www.pinkribbon-breastcare.com/
乳腺科のエキスパート。確かな技術とさっぱりした姉御肌のキャラクター、親身で丁寧な診察で、患者の上安を取りのぞいてくれます。2000年には日本初の乳がん啓発NPO団体乳房健康研究会(ホームページ:http://www.breastcare.jp)を立ち上げ乳がん死ゼロを目指し、ピンクリボンキャンペーンの仕掛け人として、乳がんの啓発活動に奔走中。
伊達友美先生 伊達友美先生
管理栄養士・日本抗加齢医学会認定指導士
銀座アンチエイジングラボラトリー・カウンセラー
ホームページ:http://www.gaal.jp/
保科クリニック・カウンセラー
ホームページ:http://www.hoshina-clinic.com/
「伊達式ダイエット《の提唱者として、テレビに雑誌にひっぱりだこの管理栄養士。「油摂りダイエット《「23時から食べても太らない方法《など、画期的かつロジカルなダイエット法で脚光を浴びている。食の問題の裏にある人間関係の問題も見抜く、優しく頼れる存在。
寺山いく子 美容プロデューサー・モンナージュ編集長。 寺山いく子
美容プロデューサー・モンナージュ編集長
外資系化粧品会社数社にてメディアコミュニケーションやマーケティングに携わり、カリスマプレスとして活躍。豊富な知識と経験、幅広いネットワークをいかし2004年に美容プロデューサーとして活動をスタート。ビューティー情報の発信や、新製品企画、企業とのプランディングコラボレイトなど幅広く活動中。アンチエイジング関連の情報発信はこれまでの集大成のひとつとも言え、このmon-ageサイトでは編集長をつとめる。プライベートでは2児のママ。
●今回食事をしたお店はココ
中国料理「美林華飯店《
住所:東京都港区麻布台3-4-10 麻布誠工社ビル2階
電話/FAX:03-3583-6568
▲ページのトップに戻る
 
 
 
  サイトマッププライバシー・ポリシーサイトのご利用に際して