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日本と海外ではどう違う? Dr.リンリンと海外AAドクター conversation
ヴォイス
海外でのメディカルアンチエイジングにはさまざま考え方、方法があります。海外でも盛んなアンチエイジング。その様子をDr.リンリンのインタビューからのぞいてみる、mon-ageのコラムです。

Dr.リンリン: 皮膚科のドクターとして国内外で有数の名声を手にしているDr.パクライが、さらにホルモン治療をメインとしたアンチエイジング治療を始めたと聞きました。美容皮膚科だけでもすでに忙しいのに、なぜアンチエイジングの世界に興味を持ったのですか?

Dr.パクライ: チュララコン大学医学部を卒業後20年間、美容皮膚に専念してきましたね。化粧品も開発したし、肌のためのサプリメント会社も立ち上げたし、タイに初めてレーザー治療を紹介もしました。こう見ると美容の世界にかなり入れ込んできました。今でも数ヶ月先の予約も埋まっていますし。でも、ようやく私は、美と若さは外側からのアプローチだけではない、体の中から追求することも大切だと気づいたんです。

Dr.リンリン: そのきっかけは何だったのでしょうか?

Dr.パクライ: 美容のためにいつも顔のあちこちに注射をしてきたけれど、そもそも注射は痛いですし、クライアントに申し訳ないなと思いながら注射してきたことかしら? そう感じていた頃にタイでアンチエイジング学会が開催されたので参加し、欧米で広まりつつあった「内面からのアンチエイジング」を知ったのです。

Dr.リンリン: アンチエイジングの中で特に興味を持っているのは、どの分野ですか?

Dr.パクライ: 私は結果が見えるものを好む傾向があるんです。皮膚科医としては当然でしょ? ですから、まず取り入れたのは効果が見えやすいホルモン補充療法です。まだ新しい分野だから、多くのドクターは発ガンなどの副作用ばかり心配して着手しない人が多いのが現状ですね。でも自分の頭を使って、注意深く、研究データを調べて、読み取るべきだと思います。

Dr.リンリン: 患者さんからの反応はどうですか? メディアでもホルモン療法と発ガンの話題はよく取り上げられていますが、懸念する人はいますか?

Dr.パクライ: ホルモン療法に関しては非常にたくさんの研究データがあります。例えばメラトニン補充療法だけでも10,000以上もの研究スタディがあります。しかもそのどれもが「副作用は見られない」と結論づけたものばかりです。一方、有名なバイアグラに関する研究は1,000程度しかなく、副作用を経験している人も多い。バイアグラこそ慎重に扱うべきでしょう。そうはいってもホルモン療法はやはり論争があります。古いタイプの人工ホルモンが主流のままだからでしょう。残念なことです。何が正しくて、何が本当で、安全で、どんな方法なら効果的なのかは、自分で調べて判断するべきです。正しい情報は自分でつかみ取らないと。 日本はどうかしら?

Dr.リンリン: ホルモン療法といっても、使用する薬剤を天然型にしたり、患者の体質を調べてから行うとか、複数のホルモンを使用する場合は訓練を受けた医師のみが扱うことにすれば、トラブルは未然に防げると思います。残念ながら、今の日本では天然型ホルモンは医師が個人輸入するしかありません。私のクリニックではそうやって天然型ホルモンを使用して、患者さんのQOLを高めています。体本来のホルモンの機能を妨げないよう慎重にバランスを見ること、発ガン性のないタイプのホルモン治療を行う ことが基本です。もちろん、同時に外見、顔もきれいになってきます。

Dr.パクライ: そうそう、それは大事なことですよね。ホルモンの話ばかりになってしまいましたけど、誤解のないようにしましょう。アンチエイジングでは浄化治療も重要です。まず悪いもの、体にとって余計なものを取り除く浄化・解毒を前提に、必要な栄養やホルモンを与えることが重要です。さらにこの一連の流れにリラックスという一面が加われば、よりアンチエイジングの効果が得られますよね。

Dr.リンリン: そうです。ホルモンだけいきなり処方したり、アンチダイオキシダントのサプリばかりいきなり飲んでも、体がそれを吸収するかどうか、ってことです。私は実際の診療では、ホルモンバランスが悪い場合、どんな原因がホルモン異常を起こしたかを徹底的に調べています。毒素が蓄積していることも少なくありません。その人が持っている解毒の力、代謝の力をチェックすることもよくあります。患者さんごとにオーダーメイド式に浄化プログラムを実践しています。

Dr.パクライ: それは深いですね。難しそうだけど、今度教えてください。

Dr.リンリン: もちろん、喜んで! 日本ではセミナーなどでオーダーメイドアンチエイジング療法を講義しています。おっしゃる通り、深いアプローチです。解毒の力を総合的に遺伝子分析することさえあるほどです。部分的にやっているドクターはたまに見かけるけれど、それは患者さんにとって気の毒だと私は思うのです。アンチエイジングを総合的に行えるドクターが、日本にはまだほとんどいない。体全体の機能を見ないと、アンチエイジングの成功は遠いと言えるでしょう。日本の医師は専門医指向な部分があって、臓器別に患者さんを見るかどうか議論にあがりますが、アンチエイジングでもそんなことがあったら本末転倒だと思います。

Dr.パクライ: タイも同じような状況です。地方では一般家庭医として働く医師が多いですけど、都心部は専門医指向です。産婦人科医ならば女性のホルモンには詳しいはずなのに、アンチエイジング的に体全体をとらえる姿勢が見られません。今回、私が取り組んでいるメディカルスパ・プロジェクトでは、各科のドクターたちとグループを組むので、うちの産婦人科医にはトレーニングを受けてもらい、万全の体制で臨んでいます。

Dr.リンリン: そういったスタッフのそろえ方は、とても好ましい。

Dr.パクライ: ちょうど私の思い描いていた構想が実現に向かっているので、簡単に紹介しますね。内面から若返るというのは医療の力を必要としますが、同時に治療環境も大事だと思っています。それに普段の生活習慣も。ですので、正しい食事を実際に再現し、リラックスできるきれいな治療環境を提供します。そこにはアロマオイルが使用され、ヒーリング音楽が気持ちよく聞こえてくる。こんな環境の中で最先端のアンチエイジング医療を専門ドクターから受けられれば、誰でも気持ちが良いでしょう? クリニックのイメージは、注射、怖い場所、頑固な医師ではダメ。私はこのプロジェクトを、バンコクの五つ星ホテルで始めます。

Dr.リンリン: まさにメディカルスパ。アメリカでもそういったスタイルが多いと聞きます。

Dr.パクライ: そう、それと同じ発想です。でもアメリカのメディカルスパは、オフィスっぽい環境のことが多いんです。でも私にとってのメディカルスパとは、しっかりとした専門医が常駐し、快適な環境で、良い食事も提供し、完全にスパの雰囲気の中で治療を行うものなんです。タイマッサージのあと、ウトウトすることもできて、浄化プログラムがあって、ビューティー部門もあって、ハーブなどの代替医療やアンチエイジングも叶えられるのです。

Dr.リンリン: 理想的な環境ですね!オープニングにはぜひ参加いたします。ところで日本のwebサイト、mon-ageの読者にアンチエイジングに関して何かコメントいただけませんか?

Dr.パクライ: タイに駐在している日本人に関して聞くところによると、彼女たちはものすごく美容に気を使うそうですよ。タイの物価から見れば、そこにかける金額はとても大きいです。日本人にはエステとか、脱毛とか痩身が人気があるようです。なので、アンチエイジングにも興味を示してくれるだろうし、実践してもらいやすいのではないかと思っています。医療レベルのアンチエイジングをどう広めていくか、これは私たちの課題ですね。

今回は深い話題がなされているので、ちょっと難しく感じられた方も多いのではないでしょうか? ドクターたちが良い環境で積極的にアンチエイジング医療を行っていくことは、私たちにも嬉しいことだと思います。こういった取り組みが、日本でも行われて、それが誰でも手軽に受けられるようになれば、理解度も深まり、健康的かつ継続的なアンチエイジングができると思います。


 

賀来玲玲先生
日本を拠点にグローバルに活躍するアンチエイジングドクター。欧州抗加齢学会認定医。
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Dr.パクライ
タイ・バンコクのカリスマ皮膚科医。サプリメント、化粧品の会社も経営し、タイに初めて美容レーザー治療を紹介した女性。タイ王室のウーマンオブザイヤーの受賞経験もあるドクター。

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