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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
モンナージュ編集部
ヴォイス
海外でのメディカルアンチエイジングにはさまざま考え方、方法があります。海外でも盛んなアンチエイジング。その様子をDr.リンリンのインタビューからのぞいてみる、mon-ageのコラムです。

Dr.リンリン: Dr.リンダ、日本のwebサイトmon-ageを見ている方々に自己紹介してくださいませんか?

Dr.リンダ: こんにちは。私はもともとは皮膚科で、皮膚ガンが専門です。4年前にA4M(米国アンチエイジング医学会)の専門医ライセンスを取得しました。それ以来は、周囲の状況に合わせてメゾセラピーなど美容的なアンチエイジング治療を取り入れています。

Dr.リンリン: メゾセラピーは50年前にフランスで誕生して、ヨーロッパで進んでいますよね。アメリカでは去年初めて専門の学会が立ち上がったと聞いています。まだメゾセラピーの歴史が浅いアメリカで、Dr.リンダがメゾセラピーを取り入れているのは、なぜ?

Dr.リンダ: メゾセラピーはフランス、アメリカ、ブラジルの先生から習いました。それまで皮膚ガンばかり見て、美容をやったことがない医者でした。それで、いざ美容的観点を取り入れようと思ったとき、それならば今の知識が充分活かせて、なおかつ安全性が高いものを探していたところ、たまたまメゾセラピーのワークショップに参加したのです。そのとき、これだ!って思いました。

Dr.リンリン: Dr.リンダのクリニックでメゾセラピーを取り入れる際、どんなケースが多いですか?

Dr.リンダ: 人気があるのは脂肪溶解ですね。こちらは太っている人が多いので、やはりボディラインを整えたいのでしょう。日本ではいかがですか?

Dr.リンリン: 私のクリニックで脂肪溶解はあまり多くないですね。日本人はまず顔のアンチエイジングのためにメゾセラピーを希望します。あとは、ペインコントロールや関節痛にも活用して治療することが多いです。

Dr.リンダ: 美容ばかりではないのですね。

Dr.リンリン: 数は少ないのですが、肥満の人がどこかでメゾセラピーについて調べて、痩身のためにして欲しいと言いに来ることもあります。そうおっしゃる人はアメリカンサイズというか、非常に太っていることが多いです。統計を取ると、最近の日本人女性のほとんどが痩せることを希望していて、標準サイズの人ですら痩せたいと考える傾向が強いのですが、それとは明らかに違うグループです。異常な太り方をしている場合は、メゾセラピーだけのアプローチで脂肪溶解するのではなく、代謝異常を改善したり、ホルモンバランス、微量栄養素治療、蓄積している毒素の種類と量、肥満遺伝子などを考慮して、全身的に体を整えながら、メゾセラピーを行います。こういった内面の因子を改善しないと、メゾセラピーの効果は得られないですよね。

Dr.リンダ: その考えに賛成です。メゾセラピーを初めて2年近く経った今は、アンチエイジングのホルモン治療を勉強しています。

Dr.リンリン: ところでDr.リンダのクリニックでは、急なアンチエイジングの導入で、何か困難なことってありましたか?

Dr.リンダ: 実はハードルとなったのはマンパワーの不足なんです。理解のある、覚えが早いスタッフがとにかく重要でした。メゾセラピーは最近頻繁に施術するので、飲み込みが早くないと、雑用が増えるだけで本来の手術に集中しにくくなり苦労します。これは内輪の話ですね…。患者さんからの評判・感想はいまのところいいので、私は満足しています。もう一つ、アメリカ国内の問題ですが、メゾセラピーを広めにくい事情があります。使用する薬剤の認可が下りにくいこと、形成外科が抵抗していることです。

Dr.リンリン: 薬品が使いにくいとは、かなり致命的ですよね。

Dr.リンダ: そう、フランスで習ったノウハウが活かせないことがあります。FDAが認可していない薬剤を使って万が一のことがあったら、免許存続にも関わります。メゾセラピーの器具もFDAが認可したものは使いにくかったりします。私はフランス研修の際に最新型のメゾガン(※薬剤を注入する際に使用する医療器具)を購入したのですが、今では棚の中の飾りになっています。

Dr.リンリン: そんな環境のもと、アメリカでメゾセラピー学会が立ち上がったけれども、少し、アメリカのメゾセラピーの特徴を話してもらえますか?

Dr.リンダ: OK! アメリカはメゾセラピーの本家フランスとは違って、メゾセラピーの基本であるカクテル薬(※複数の薬剤を掛け合わせて使うこと)の配分量が違います。大概、フランス式より強い大量投与で、治療効果が早く得られるようになっています。基本的な考え方は同じですけれど、アメリカ独自の形式を作ろうとして模索しているのが現状だと思います。

Dr.リンリン: Dr.リンダは今、どうやってクリニックを運営しているのですか?

Dr.リンダ: 3軒のクリニックをロスの郊外でやっています。3軒目は少し前にパームスプリングスに開いたばかり。

Dr.リンリン: すごく忙しそうですね。でも開業しながら新しい治療も取り入れるとは尊敬します。そもそも、なぜメゾセラピーを熱心にやっているのか、教えてください。

Dr.リンダ: 私は皮膚科の専門医として地位を確立していましたが、医者を20年もしていると新しいことにチャレンジしてみたくなります。それまではずっと皮膚ガン手術ばかりやっていたのです。手始めに、最初はボトックスなどの比較的簡単な美容皮膚治療を手がけていたのですが、これがなかなか興味深くて、思い切ってアメリカのアンチエイジング学会の資格を取得しました。そのライセンスをもっと活用するために、今はホルモン治療の基礎を勉強中です。なので、Dr.リンリンにもいろいろアドバイスをもらいたいです。

Dr.リンリン: もちろん。アンチエイジング全般で注目している治療法などはありますか?

Dr.リンダ: いずれは遺伝子を治療するアンチエイジングに詳しくなりたいですね。難しそうなので、私にマスターできるかしら?

Dr.リンリン: Dr.リンダの患者さんなら、痩身関係の遺伝子とか取りかかりやすいでしょう。ところでDr.リンダは日本にいらしたことがないけれど、日本のアンチエイジングに関して何か意見はありますか?

Dr.リンダ: 日本は身近な国です。ロスには日本人が多いので、日本文化が知れる情報がたくさんあります。私のクリニックにも時々日本人が来ますよ。日本の食文化はとてもアンチエイジング的で恵まれていると思います。ニューヨーカーなど健康に気を遣う人たちの間では和食の人気は非常に高い。以前ロスで行った和食レストランは、いすのサイズからして小さくて、ほっそりしてました。来ているお客さんもほっそりしていました。和食を食べ続ければスリムになれるんだって自分に言い聞かせていました。初めてDr.リンリンに会ったとき、ひとめで日本人だってわかりましたよ!(笑) 要するに、日本人はすでにアンチエイジング的な文化の中にいるのに、私から見たらその良さをもっと大切にして欲しいと思います。例えばシャンクフードは食べないとかね。ところでDr.リンリンは徹底してケーキを食べないのですね。パンもそんなに残しちゃって! 私なんて結構食べちゃいますよ。
(※編集部注釈/ランチコースのデザートにさしかかったタイミングでの会話です)

Dr.リンリン: (笑) Dr.リンダ、日本に移住したらどうかしら?

Dr.リンダ: いいアイディア。海苔だけ食べて痩せてみたい (笑)。

Dr.リンリン: Dr.リンダ、今日はお忙しい中お時間作ってくださって、ありがとうございました。楽しかったです。

メゾセラピーはまだ日本でもそれほどメジャーではない治療法で、この会話で初めて知った方も多いのではないでしょうか? ここで編集部から皆さんに注意いただきたいのは、安易に飛びつかず、調べて、考えて、自分に必要かどうかを見極める機会を作ってください。外国の方から「日本の食文化はアンチエイジング的で恵まれている」と言われると、身の引き締まる思いがしますね。恵まれた中で暮らしている私たち、自分の食を大切にしていますか?


 

賀来玲玲先生
日本を拠点にグローバルに活躍するアンチエイジングドクター。欧州抗加齢学会認定医。
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Dr.リンダ
米国ロサンゼルスの開業医、3軒のクリニックの経営者。A4M(米国アンチエイジング医学会)の専門医。メゾセラピーを積極的に治療に取り入れている皮膚科のドクター。

※メゾセラピーとは、皮下脂肪に薬剤を注射して効果を狙う治療。脂肪溶解が有名で、欧州では脂肪吸引よりもトラブルが少ないものとして肥満治療に活用されてきた歴史がある。脂肪溶解しながらデトックスの効果もあるユニークな治療で、「努力の要らない痩身治療」の代表的な存在。

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