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ヴォイス
中沢るみさん秘伝の「美人」の栄養学
 モンナージュではすっかりおなじみの管理栄養士・フードコーディネーターの中沢るみさん。今回はモンナージュの読者に、「美人」になるための栄養学を伝授して頂きました! 美肌になるための食材、油大さじ1の代わりに食べるべき食材、食材の「色」についてのあれこれ、生活にうるおいを与えるハーブの使い方など……女性に嬉しい、とっておきのコラムです。
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食べ物を正しく選べば、3カ月で体質が変わる
   

 私たちの体をつくる60兆個の細胞は絶えず新陳代謝をくり返し、胃は30日、肌は28日、口の中の細胞は2日周期で入れ替わります。細胞は血液から生まれ、血液は「水」と食べ物から摂取する「栄養」からつくられています。ということは、正しく水と栄養を摂れば質のいい血液ができ、そこから質のいい細胞が生まれるのです。水と栄養から細胞がつくられるのに100日、約3カ月かかるため、「体質は3カ月で変わる」のです。

 
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体質が変わると味覚も気持ちも変わる
   

 体質が変わると、味覚が敏感になります。それは、3カ月経つと一番新陳代謝が活発な口の中、特に舌の表面の味覚細胞がすべて、質のいい細胞に生まれ変わるためです。すると食べ物の好みが変わり、自然と体にいいものが欲しくなる。その結果、いい細胞が生まれて心身が軽くなるのです。

 
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きれいな血液と細胞をつくるのに必要な栄養素
   

 では、どんな栄養素がきれいな血液と細胞をつくるのか、ご説明しましょう。一日に必要な栄養素を摂るための目安として、次の8つの栄養素をバランスよく摂ることが理想です。体を動かすための「エネルギー」、筋肉など体をつくる材料となる「たんぱく質」、骨をつくる「カルシウム」、赤血球をつくる「鉄分」、そして体の働きを潤滑にして整える「ビタミンA1、B1、B2、C」。バランスが崩れないよう、不足しがちなビタミンやミネラルもきちんと摂りたいですね。

 
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肌トラブルに応じて食べ物から不足しがちな栄養素を補う
     栄養素が不足すると、下記のように体にさまざまな影響が出ます。
・ビタミンA不足…… お肌と目の乾燥、風邪をひきやすくなる
・ビタミンB1不足…… 疲れやすくなる、やる気が出なくなる、体がむくむ
・ビタミンB2不足…… 肌荒れ、吹き出物、口内炎、口角炎、目の充血
・ビタミンC不足…… 日焼けからシミができやすくなる、肌のハリがなくなる、歯茎から出血する
・鉄分不足…… 顔色が悪くなる、集中力が低下する、あくびが出る、息切れしやすくなる
・カルシウム不足…… 骨が弱くなる、精神的にイライラしやすくなる
・たんばく質不足…… スタミナや免疫力が低下する、筋肉が弱くなる
 逆に、炭水化物や脂肪などからなるエネルギーは、摂り過ぎないようバランスを保つことが必要です。「美人のための栄養素リスト」を見て、バランスよく栄養素を摂取して下さい。
● 美人のための栄養素リスト
ビタミンA にんじん、かぼちや、春菊、ほうれんそう、うなぎ、レバー、マンゴー
ビタミンB1 豚肉、かつお、かれい、うなぎ、たらこ、大豆、ピーナッツ
ビタミンB2 さば、さんま、いわし、うなぎ、牛乳、ヨーグルト、レバー
ビタミンC 柑橘類、いちご、キウイ、柿、ブロッコリー、じゃが芋、さつま芋
鉄分 あさり、レバー、ひじき、かつお、まぐろ、ほうれんそう、大豆
カルシウム 牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、ほうれんそう、小松葉
たんばく質 卵、肉、魚、牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐、納豆
エネルギー ごはん、パン、麺類、肉、魚、野菜、乳製品など、力ロリーのあるもの
 
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理想的な肌の「ハリ、うるおい、つや」トライアングル
   

 頬に器械の先端をあてるだけで、瞬時に肌の年齢が測定できる「肌年齢測定器」をご存じでしょうか? 測定してみると、実年齢が20歳でも肌年齢は40代という方や、60代なのに30代の美肌をキープしている方もいます。肌年齢を決めるのは、3つの要素「ハリ、うるおい、つや」。この3つが揃えば、プルプル、プリプリ、つやつやの理想的な肌になります。

 
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美肌の決め手はコラーゲン、ヒアルロン酸、ビタミンB2のバランス
   

 では、「ハリ、うるおい、つや」のある理想的な肌になるためには、何を食べればいいのでしょうか。

●ハリ……コラーゲン(鶏の手羽肉、かれい、さけ、肉・魚の骨のまわり)
●うるおい……ヒアルロン酸(山芋、納豆などのネバネバ食品、さけ、かれい)
●つや……油分

 ただ、つやを出すための油分は、多く摂り過ぎるとテカテカ肌になり、少な過ぎるとつやがなくなってしまう、やっかいな栄養素です。これには脂質を代謝させてくれるビタミンやビタミンB2が必要です。ビタミンB2は、さんま、さば、いわしなどの青魚、チーズ、∃−グルトなどの乳製品に含まれています。
 
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意外に多い、油大さじ1のカロリー
   

 美肌を目指すなら、コラーゲンもヒアルロン酸も、ビタミンB2、A、C、Dも必要。たんばく質もカルシウムも鉄分も摂らなくてはいけません。「でも、そんなに摂ったらカロリーオーバーでは?」とおっしゃる方のために、栄養はそのまま摂れて、カロリーだけダウンできるテクニックをお教えします。そのポイントは「油」です。
 妙め物をする時や肉を焼く時に、油をたっぷり使っていませんか? 油大さじ1杯を力ロリーでいうと、120キロカロリーです。これを運動で消費しようとすると、歩くと72分、自転車55分、ラジオ体操44分、エアロビクス36分、テニス24分、縄跳び18分……と、とても大変です。

 
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油のかわりに美肌のための栄養補給を
   

 栄養をしっかり摂りながら、太らない工夫をしたいもの。ガマンするのではなく、油を上手にコントロールしながら調理するのです。たとえば、お肉を焼く時に油を引かずに焼くだけで、120キロカロリー浮きます。浮いたぶんのカロリーで、不足しがちな栄養を補うのです。120キロカロリーをほかの食品で摂ると、表のようなものが食べられます。カルシウム不足ならデザートにヨーグルトを加えます。肌が乾燥する方はにんじんなどのビタミンA、日焼けしたら紫外線に対抗するキウイでビタミンCを摂りましょう。

● 油大さじ1の代わりに摂りたい食材
イライラしがちな人 カルシウム 牛乳1カップ、ヨーグルト1個
ストレスいっぱいの人 ビタミンC キウイ2個、みかん4個
貧血気味の人 鉄分 ほうれんそう1束、レバー100g
風邪をひきやすい人 ビタミンA にんじん2本、うなぎ1/2匹
便秘がちの人 食物繊維 さつま芋1/2本、ごぼう1本
冷え性の人 ビタミンE アーモンド12粒、納豆2パック
 
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注目されている食材の「色」
     栄養の世界にも、実は流行が存在します。最初に「ビタミン」が発見され、次に食物繊維が流行し、最近ではさまざまなミネラルにスポットがあたりました。
 そして今、注目されているのが、食材のもつ色のパワー。赤ワインやチョコレートに入っている「ポリフェノール」がきっかけで、食べ物の色に関心が集まるようになりました。ポリフェノールはたんばく質、ビタミン、ミネラルなどと並ぶ、第7の栄養素といわれ、ほとんどの植物に存在する成分です。色によって体ヘの効用は違いますが、基本的に体をサビから守る抗酸化作用があります。
 
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注目No.1カラーはリコピンの「赤」
   

 リコピンはトマトなどに含まれる赤い色素です。リコピンは紫外線を浴びることで生まれる活性酸素を取り除き、メラニンをつくり出す物質の発生を抑制します。トマトに含まれるリコピンは、抗酸化作用がベータカロテンの2倍もあることが解明されています。ピンクグレープフルーツとホワイトグレープフルーツの色の違いも、リコピンにあります。

 
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野菜に豊富に含まれる「黄色」のべータカロテン
   

 ベータカロテンは、かぼちゃやにんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。皮膚や粘膜を強くして、免疫力をアップするという、ビタミンAと似た働きがあります。それもそのはず、ベータカロテンは体中に入ると、必要なだけビタミンAに変身するのです。過剰症(摂り過ぎ)の心配はないので大丈夫です。

 
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野菜の「緑」の素はクロロフィル
   

 ブロッコリーや小松菜などの野菜の緑色は、クロロフィル(葉緑素)という色素によるものです。クロロフィルは、新しい細胞をどんどんつくってくれます。ほうれんそうにはクロロフィルとべ−タカロテンが両方含まれます。ほうれんそうの葉が古くなると黄色くなるのは、緑色のクロロフィルが先に壊れて、ベータカロテンの黄色が残るからです。

 
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「紫」と「黒」、二刀流のアントシアニン
   

 アントシアニンは、ブルーベリーに多く含まれる天然の紫の成分です。目に作用して疲れを取り除き、きれいな瞳にしてくれます。黒豆の黒い皮にもアントシアニンが含まれています。他にも、さけのピンク色の色素、アスタキサンチンも注目されています。これには体を老化やサビから守る成分が、ビタミンEの100倍くらい含まれています。

 
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心身に効くスパイス
   

 アロマセラピーで知られていますが、香りにはリラックスやリフレッシュなど、さまざまな効果があります。香りの強いスパイスの成分を調べると、殺菌、防腐、抗酸化作用があります。口に含んだ時の辛みや苦みなどの刺激は、胃腸に送られる血液の量を増加させ、唾液や胃液の分泌を活発にすることも実証されています。食物からも香りのパワーを取り入れたいものですね。

 
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がん予防効果もある、香りの強い食べ物
   

 「デザイナーフーズ」という言葉をご存じですか? これは、アメリカ国立がん研究所がまとめた、「がん予防に効果のある食品」のことです。日本よりもがん死亡者の増加が深刻だったアメリカでは食物と健康の研究が進んでおり、1990年に発表されました。にんにく、生姜、パセリ、玉ねぎ、ハーブなどが上位になりました。ほとんどが香りの強い食べ物です。香りは心だけでなく、体にもよいのですね。

 
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ハーブやスパイスを「きれい」の味方にしよう
   

 私たちが毎日食べている料理にも、数種類のハーブやスパイスが入っています。にんにくや唐辛子はイタリアンの定番。中華の妙め物に入っているごま油と生姜とにんにくには、体温を上げて冷え性を解消する効果があります。花粉症にはレモンバーム。香りを嗅ぐだけで鼻の通りがよくなります。1鉢数百円のハーブを何種類か育てて、食べる直前にちぎって添えるだけで食卓が華やかになりますし、香りが心を癒やしてくれます。

 
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スパイスは気分を変える魔法の粉
   

 スパイスを料理に使う時は、調味料というよりも「魔法の粉」という感じで取り入れてみたら、楽しいのでは? リラックスしたい時はシナモン、モヤモヤを払うには夕−メリック(別名ウコン)。更年期を迎えた女性を優しく包んでくれるのはサフラン。飲み物や料理にサッとひとふりするだけで、心にうるおいを与えてくれます。また、砂糖にバニラ・ビーンズを入れたり、塩にこしょうやクミンなどを入れておくと、それぞれの香りが作用して使い過ぎを防ぎ、塩分や糖分を控えることができます。

 


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