Au sein des femmes
いま日本では20人に1人の割合で診断されている乳ガンの状況から、女性の乳房の健康を守り、乳ガン検診を推進し、乳ガン再発・転移を阻止するための情報発信を目的とした団体の日本支部が2008年11月に設立されました。本部はフランスです。(画像は発足会の様子です)
このオッサンデファム、フランス語で「女性の乳房のために」という意味とのこと。
設立のときに、この名前はむしろ覚えてもらいやすだろうと、フランス語をそのまま残したそうです。
日本支部設立を働きかけたのは女性医療ジャーナリストの増田美加さん。実は彼女は数年前に乳ガンと診断され手術されました。でも彼女はとても元気。というのも、定期的な乳ガン検診によって「超早期」の段階で乳ガンを発見することができたからで、乳ガン細胞の摘出手術も2泊3日の入院で済み、傷跡もご本人しかわからない程度に。手術後は定期健診のみで抗ガン剤などは飲んでいないそうです。
一方で、彼女の周りには乳ガンになってしまった女性たちがおり、乳房の摘出をした人や、乳房や乳首の変形、皮膚のただれ、抗ガン剤による副作用で辛い日々を送っているそうです。乳房を失えば自分のアイデンティティも傷つくし、強い薬を飲んでいれば、たとえ日常生活を送れても健康なときとは雲泥の差のしんどさがあります。やりたいことができない制約も出てきてしまいます。
超早期発見できた増田さんと、その周囲の女性たちとの差は何なのか?
それはまぎれもなく「定期的な乳ガン検診」です。
辛い治療を続けている彼女たちは、乳ガン検診を受けていませんでした。
異常に気づいたときには乳ガンはかなり進行していたそうです。
誰にでもできる乳ガン検診さえきちんと続けていれば...、この事実を深く受け止めた増田さんの働きかけによって、オッサンデファム日本支部が設立されたそうです。メンバーにはウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックの津島ルリ子先生、ピンクリボンブレストケアクリニックの島田菜穂子先生(モンナージュでも取材させていただいた先生です)、そして植物療法を得意とするサンルイインターナッショナルの森田敦子さんという頼もしいメンバーが揃っています。
今後この団体は、乳ガン健診の推進はもちろんのこと、乳ガンになってしまった後の情報や、乳ガンにならない生活や、乳ガンだけにとどまらず女性の体を守る情報を発信していくそうです。
これまでにも日本には乳ガン検診推進団体はありますが、いずれも医師が主体となって活動しています。
オッサンデファムでは、そういった団体とも手を取り合いつつ、医師たちが担っている以外の情報も発信し、みながひとつのネットワークとなって健康をキープしていくことを目指しているそうです。
20人に1人が乳ガンである現実...1つの女性専用車両の定員は160人ほど。混んでいれば200人ぐらいでしょうか。その中で乳ガンの人は10人という割合。それは隣の席の女性?前に立っている女性?それともあなたかも?あなたは自分の乳房にガン細胞はないと自信を持てる?
乳ガンはこれといった自覚がなく、10年ほどの時間をかけてゆっくり進行していくガンです。この10年という時間のおかげで定期的な乳ガン検診で十分に発見でき、早く見つかれば治せるガンです。加えて、乳ガンは誰にでも可能性がある病気です。乳ガンには遺伝の要素はあまり関係なく、今の女性のライフスタイルや出産人数が減って乳房本来の役目である「授乳」をしてないこと、つまり動物としての機能を活かすチャンスが激減していることもひとつの要因とされています。昔の女性は5〜6人産んでいましたよね。でも今は0〜2人程度。これは今の女性ほとんどにあてはまることです。
乳ガンにならないために、乳ガンになってしまっても支えあうために、いろいろな団体が味方についてくれます。
でもその前に、まずはあなたが自分の体をチェック。
まだ乳ガン検診に行っていない人は、頑張って乳ガン検診に行ってみませんか? |