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ヴォイス
パティシエとドクターが考えるアンチエイジング 辻口氏&Dr.米井&寺山編集長のアンチエイジング対談・番外編
8月9日更新のVol.5の「Food」にて、東京・自由が丘のパティスリー「モンサンクレール」などでオーナーパティシエを務める辻口博啓氏と、アンチエイジングの専門医・米井嘉一先生、寺山編集長の対談の模様をお届けしました。
前回は食やスイーツについてのご意見をお届けしましたが、対談ではそれ以外にも、日本の子供や女性について、また女性が長寿な理由についても話題がおよび、非常に興味深いアンチエイジングトークでした。今回はその番外編を特別に公開!
辻口: 最近生まれて来る子供たちは、食生活が変わってきて、体質も以前の子供たちとは全く違うと思うのですが、どうでしょうか?

米井 : アンチエイジングドックには、下は9歳から上は83歳まで、幅広い年代の患者さんが来ています。9歳、10歳の子供たちも?と思うでしょうが、健康に重点を置いてバランスよく成熟していくためには、その年頃からアンチエイジングの意識が必要なのです。人間は30歳くらいになると、それ以降は老化していくのですが、まず正常に発育、成熟していなければどうしようもありませんね。肩こりくらいならまだしも、最近の子供の間では、生活習慣病、肥満、糖尿病、胃潰瘍が増えている。とんでもないことです。

寺山 : 小学生の糖尿病が増加しているのですか?

米井 : 増加しています。

寺山 : スナック菓子や甘いジュースなど、お菓子のレベルが以前とは変わってきていますよね。

米井 :そうですね。最近の子供はゲームばかりやっていて、以前のように外で遊ばなくなってきています。味覚も子供の時からきちんと教育していかないと、本来の味が分からなくなってしまいます。添加物の味と天然の素材の味、添加物の色と天然の色……そういったものをきちんと教育をする必要を感じます。僕はいろいろなところで講演をしますが、福岡に行くと定番の明太子を買います。7〜8年前までは全て赤色○号などの着色料が入っていました。当時は着色料で色がついたものの方が売れていたからです。けれども、ここ3〜4年は逆転して、天然の色のままの明太子の方が多いのです。だから、どういう食品がいいかしっかり教育することで、消費者が賢くなり、いいものを選ぶことができるようになると思います。いいものを普及させる役割としては、マスコミは非常に大事です。

 
辻口博啓
オーナーパティシエ
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米井嘉一 先生
医学博士・内科医 同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授
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寺山いくこ 編集長
美容プロデューサー mon age編集長
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米井 : アンチエイジングといえば、やはり健康長寿です。介護のいらない高齢者を作るためには、20代、30代からの生活が大事なのですが、その世代では人ごとのような感じで、自分に介護がいるかどうかは考えない。だから、単に食べなければ痩せると、やみくもなダイエットをしてしまって、必要なミネラル、ビタミンが欠乏したスカスカな身体になってしまうのです。20代、30代の女性は、いつまでも若く美しくいたいという欲望を持っていますので、そういうモチベーションでもいいからアンチエイジングドックに来なさいと言っています。ただ、そこでやることはしみ、しわ取りではありません。実際に生活習慣を改善し、睡眠時間、過労、食生活を見直すことで、いつまでも若く美しくいようという形に持っていくのです。方向修正ですね。男性は30代、40代でアンチエイジングを始めた方がいいのですが、その世代だと髪の毛の問題で来る方もいらっしゃいますね。でも、髪の毛を植えればいいという問題ではありません。やはりストレスや動脈硬化などが、髪の毛の問題に関係しているのです。髪の毛だけではなくて、健康が大事であるという話をして、少しずつアンチエイジングの意識が広がっていく・・・・・・切り口はいろいろあると思いますが、やるべきことはアンチエイジングであるということは一緒です。

辻口 : 生活の中で、食事だけではなく、リラックスする時間や睡眠なども含めて、アンチエイジングライフが成り立っているということですね。

米井 : そうですね。抗加齢ドッグ、つまりアンチエイジングドックでは生活指導が中心になるのですが、それを3つに分けると「食事療法」、「運動療法」、「精神療法」です。分かりやすく言えば「食育」、「体育」、「知育」ということになります。「体育」は運動で、「知育」は精神です。何をすれば健康にいいか、ストレスに対してどうやって対処をすればいいか、コミュニケーションをどう取ればいいかといったことを指導するのが「知育」です。精神療法と言ってもいいですね。3つの中で何が大事かと言ったら、多分「精神」の部分が最初に来るべきでしょうね。「病は気から」、最近では「きれいは気から」と言います。やはり「気」が一番大事ですね。

辻口 : 最近の女性を見ていると、高校生もモデルさんのように細いですね。細くなろう細くなろうとするから、朝飯も食べない……骨粗鬆症のような女性も結構いるのです。でも、そういう女性が丈夫な子を産めるとは思えません。どうも「本当の美しさ」というものの考え方が、社会全体で根本的に間違っているのではないかと思います。

米井 :本当に間違っていますね、危険です。単に痩せるだけであれば、骨から栄養分が失われて、骨粗鬆症になってしまいます。それと、脂肪の意義というものを再確認しなければいけませんね。脂肪は目の敵にされていますが、転んでもクッションになって怪我をしにくいなど、もともと人間の体を守るためにあるものなのです。脂肪組織や脂肪細胞は、いろいろなホルモンや物質を分泌します。転んで怪我をして血が出たら、出血を止める働きもあるのです。それから脂肪組織は、女性の大事な卵巣や子宮などの器官を成熟させるホルモンを出します。脂肪がないということは、女性の器官が成熟しない可能性があるのです。

辻口 : 変な話、女性自身が勘違いをしていると思うのですよ。男性はギスギスの女性を見ても全く美しいと感じません。ある程度のふくよかさは絶対に必要です。男性から見た女性の、本当の意味での美しさというものを、もう少し雑誌でも取り上げるべきです。僕はカルティエさんなどのスーパーブランドの発表会にお菓子を出しており、その関係でよく発表会に呼ばれて行くこともあるのですが、海外のスーパーモデルはスタイルがすごく良く、割とふっくらしているのです。

寺山 : メリハリがあるのでしょうか?

辻口 : はい。だからスタイルがいいのです。海外のモデルさんたちは、恐らくきちんと食べて、きちんと運動もして、うまく体をコントロールしているのだと思います。先ほどの「食育」、「体育」、「知育」のバランスが取れているから、ああいうスタイルになるのでしょうね。日本人の女性も、しっかり朝昼晩食べて、体を動かして肉をつけ、シャープに引き締まっている体を作っていくべきだと思います。

寺山 : 筋肉も、適度な脂肪もある、ということですね。

米井 : 江戸時代や平安時代の女性、それに西洋絵画の女性も皆ふっくらしています。それなりの「ふくよかさ」こそが女性の美なのだと、メディアも女性の理想像を再認識してもいいのではないでしょうか。
寺山 : 男性と女性の、アンチエイジングに対する意識の違いはありますか? 米井:やはりあります。女性の方が、いつまでも若くいたいという願望、欲望をいくつになっても持っていまし、そういう意識は大事ですね。女性の方が長寿でもありますし。

米井 : やはりあります。女性の方が、いつまでも若くいたいという願望、欲望をいくつになっても持っていまし、そういう意識は大事ですね。女性の方が長寿でもありますし。

辻口 : なぜ女性は長寿なのでしょう?

米井 : :1つ目の理由は、エストロゲンという女性ホルモンが、血管をしなやかにするなどの働きがあるからです。2つ目は女性の方が言語能力に長けており、コミュニケーションを活発にするからです。相手の目を見て頭で考え、耳で聞いて考えてしゃべるという行動は、ものすごく複雑な神経活動を行っているのです。おしゃべりの方が50〜70代は有利ですね。

寺山 : 井戸端会議は無駄ではないのですね(笑)。それが神経を活性化するのでしょうか。

米井 : 活性化しているのです。「男は寡黙で」と言っていて神経を使わないと、余計になまってしまいます。コミュニケーションは大事なのです。3つ目の理由はおしゃれです。いつまでも若く美しくいたいという願望、欲望が「気」につながります。

寺山 : だから女性の方が圧倒的に長生きなのですか?

米井 : 長生きですね。それ以外に、女性の方が喫煙率が少ないことも、長寿の理由に挙げられます。今までは社会進出が少なかったから、ストレスが少なかったということもあると思いますが。

寺山 : 女性の方が食に対する意識や好奇心が高いですが、それも長生きの秘訣なのでしょうか?

米井 :そう思います。

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